兵庫県公館
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兵庫県公館(ひょうごけんこうかん)は1902年(明治35年)に建てられた煉瓦造の庁舎建築。当初の用途は兵庫県庁本庁舎。1985年からは県の迎賓館および県政資料館として活用されている。
中庭を中心とする回廊式のフランス・ルネッサンス様式の壮麗な建築で、設計は文部技官山口半六。竣工時は日本最大級の庁舎建築であった。これは1890年代から東洋最大の海運市場を有するようになっていた神戸港の往時の繁栄を映したものともといえる。
第二次世界大戦の神戸大空襲で外壁以外の全てを焼失するなどしたため、これまで二度の大改修工事が行われてきた。1983年に県庁庁舎としての役割を終えたのを期に外装および内装が細部に至るまで竣工時の姿へと復元され、1985年に「兵庫県公館」と名前を変えて再開館した。建設当初から残るものは建物外壁のみであるがその歴史的文化的価値の高さから国登録有形文化財に登録されている。
館内には洋画家小磯良平の作品「KOBE, THE AMERICAN HARBOUR」と、その25倍の大きさの西陣織タペストリーなど、金山平三、東山魁夷、横尾忠則ら県所縁の芸術家の作品が多数展示されており、また大会議室や第一会議室は芸術系展覧会開催に利用されるなど、館全体が美術館・博物館としての性格も持つ。
目次 |
[編集] 主な収蔵品
- 荒木高子 「ポケットバイブル」
- 淡路浄瑠璃人形
- 池内艸舟 「春」
- 伊藤清永 「寛裕」
- 伊藤慶之助 「聖堂の見える川」
- 伊藤継郎 「赤牛」
- 市野弘之 「菊花文大皿」
- 上松杜暘 「古文による」
- 梅宮馨四郎 「スニオン岬」
- 榎倉香邨 「四季」
- アントワーヌ・ブールデル 「アダム」
- 大橋良三 「赤いブローチ」
- 貝原六一 「うしの乗ったドンキホーテ」
- 鴨居玲 「コメット」
- 川西祐三郎 「神戸ベイサイド」
- 黒田賢一 「春夏秋冬」
- 桑田三舟 「いろは歌」
- 小磯良平 「KOBE, THE AMERICAN HARBOUR」(西陣織タペストリー)
- 小林等 「関屋・・・源氏物語」
- 小松益喜 「元グラッシャーニ邸」
- 上前智祐 「作品(1964年)」
- 直原玉青 「羅浮春夢」
- 菖蒲大悦 「浅春」
- 白髪一雄 「瑠璃変」
- 新谷琇紀 「MARINA-P」
- 新谷英夫 「悦び」
- 菅野清峯 「潔」
- 田村孝之助 「ニースの太陽」
- 津高和一 「虚」
- 出口草露 「坂村真民の詩」
- 土肥武雄 「御嶽ご来光」
- 永澤永信 「白雪瓷五弁花瓶」、「湖愁」
- 中右英 「シェリト・リンド」
- 西谷卯木 「いそいそと」
- 沼田かずゑ 「飛天舞う」
- 服部一三 「和而不同」
- 藤原清洞 「忍耐」
- 別車博資 「秋の庭」
- 前田正夫 「モロッコの技巧」
- 宮崎亮吉 「岬に住む」
- 元永定正 「あかまるしかくしろいひかりがでているみたい」
- 森月城 「水郷」
- 山根渓石 「春秋左伝」
- 山本萬司 「菊」
- 横尾忠則 「ROGER AND ANGELICA 19」
- 吉田泰巳 「花のしおれないうちに」
- 淀井敏夫 「足をのばした幼いキリン」
- レオン=オーギュスタン・レールミット 「羊飼いの女と羊のいる風景」
[編集] 建物概要
- 設計― 山口半六
- 起工― 1899年
- 竣工― 1902年
- 敷地面積― 8,772.5m²
- 延床面積― 9,498.7m²
- 第1回 公共建築賞受賞(1988年)
- 所在地― 〒650-0011 兵庫県神戸市中央区下山手通4丁目4番1号
[編集] 開館日
- 迎賓館― 土曜日のみ(年末年始除く)
- 県政資料館― 月~土曜日(年末年始除く)
[編集] 交通アクセス
- 神戸市営地下鉄西神・山手線 県庁前駅 徒歩1分
- 神戸市営地下鉄海岸線 みなと元町駅 徒歩6分
- JR西日本 元町駅 徒歩5分
- 阪神 元町駅 徒歩6分