南海和歌山港線
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和歌山港線(わかやまこうせん)は、和歌山県和歌山市の和歌山市駅から和歌山港駅までを結ぶ南海電気鉄道の鉄道路線。
和歌山港駅で南海フェリーの四国航路「南海四国ライン」に連絡している。それ故、徳島へのアプローチ線としての役目を果たしている。
和歌山港線には中間に久保町駅、築地橋駅、築港町駅の3駅があったが、いずれも一日の平均乗降客数が100人以下の無人駅で、2005年11月27日に廃止された。同線唯一の駅として存続する和歌山港駅で乗降する利用者はフェリー乗船目的の者が多い。難波方面からの直通列車で和歌山市駅で降車せずに車内に残っている乗客は、その大半がフェリー乗船目的である可能性が高いといえる。
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[編集] 路線データ
県社分界点(旧・久保町)~和歌山港間は南海電気鉄道の敷設免許を譲り受けて和歌山県が臨港鉄道として整備したもので、南海電気鉄道が第二種鉄道事業者、和歌山県が第三種鉄道事業者となっているが、県社分界点(旧・久保町)~和歌山市間は南海が建設した。なお、和歌山県との境界点であった久保町駅は先述の通り2005年11月27日に廃止されたため、境界点の名称は県社分界点となった。
[編集] 運行形態
2005年11月27日のダイヤ改正以降は途中駅の廃止に伴い、線内の普通列車の系統は消滅。平日の下り列車1本を除き、南海本線直通の特急(サザン及び自由席特急)及び急行のみの運転となっている。なお、唯一の線内運転となる平日早朝の和歌山市始発下り列車1本についても、種別上は急行として運転される。
なお、2002年の水軒駅廃止以前から特急・急行は難波方面から和歌山港駅までの運転で、2005年に廃止された途中駅は全て通過していた。
年に一回、毎年7月20日に行われる港まつりの花火大会のため、この時のみ大幅に和歌山市~和歌山港間の急行が増発、区間延長される。
ほぼ毎時1本程度の運行であるが、夜間を中心に間隔が長くなる時間帯がある。
[編集] 歴史
![水軒での1521系](../../../upload/thumb/9/9e/Nankai1521_Suiken.jpg/160px-Nankai1521_Suiken.jpg)
南海の四国航路が開設された1956年に和歌山市~和歌山港(後の築港町)間が開業。1971年に和歌山港の移転と和歌山県が計画した木材輸送のため築港町~水軒間が延長された。しかし、延長開業時にはトラック輸送に切り替わっており、一度も木材輸送貨物列車が運行されることはなかった。延長区間のうち和歌山港~水軒間には和歌山市駅からの旅客列車が1日わずか2往復だけ運転されていたが、「同区間にある踏切が交差道路拡張の障害になっている」との理由で2002年に廃止された。
- 1956年(昭和31年)5月6日 和歌山市~和歌山港(後の築港町)間が開業。
- 1971年(昭和46年)3月6日 築港町~水軒間が開業。和歌山港駅(初代)を築港町駅に改称。
- 2001年(平成13年)3月24日 普通列車ワンマン運転開始。
- 2002年(平成14年)5月26日 和歌山港~水軒間(2.6km)が廃止。
- 2005年(平成17年)11月27日 久保町駅、築地橋駅、築港町駅廃止。普通列車運転廃止。
[編集] 駅一覧
難波方面直通列車(特急・急行)の南海本線内の停車駅はサザンまたは南海本線を参照。
[編集] 営業中の区間
和歌山市駅 - 久保町駅 - 築地橋駅 - 築港町駅 - 和歌山港駅
[編集] 廃止区間
和歌山港駅 - 水軒駅
[編集] 接続路線
[編集] 過去の接続路線
- 和歌山市駅:
- 南海和歌山軌道線 - 1971年3月31日まで