南西ソマリア
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南西ソマリア(なんせいソマリア、Southwestern Somalia)は、ソマリアの暫定政権と対立する有力氏族でつくるソマリア和解再生評議会(SRRC)が、2002年4月1日にソマリア南西部の要衝であるバイドアを首都として樹立した自治政府、およびその自治政府が治める地域の呼称。
自治政府大統領にはSRRCの共同議長の1人であるハッサン・モハメド・ヌル・シャティグドゥドが就任。ソマリアで独立・自治宣言をし、同国を分離状態に陥れた例はこれで3例目である。1例目のソマリランドと違い、ソマリアとの連邦制による再統合には賛意を表明している。
2004年、ケニアのナイロビに発足した暫定連邦政府にシャティグドゥド大統領が農相として入閣。この暫定連邦政府はプントランドのアブドゥラヒ・ユスフが率いており、ソマリランド以外の全勢力が協力体制に入ったことから、有効な中央政府発足に向けての足がかりとなるか注目されていたが、2006年6月にソマリア首都モガディシオを占領したイスラム法廷会議に、首都バイドアを度々攻撃されるなど、南西ソマリアは安定とは言いがたくなった。2006年12月には、暫定政府を支援するアフリカ連合軍の進入阻止のために、イスラム法廷会議が南西ソマリアの港湾都市キスマユを制圧したが、暫定政府側が反攻を宣言し、2007年1月1日に奪還、法廷連合が支配していたソマリア全土を掌握した。