原子力推進
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原子力推進(げんしりょくすいしん)とは、そのエネルギー源として何らかの型式の核反応(核分裂、核融合)を使うロケットエンジンの推進方法。様々なタイプの原子力推進が宇宙船のために提案されている。
[編集] 原子力推進の種類
- 熱核ロケット (Nuclear thermal rocket)
- 高温の原子炉により推進剤(通常は水素)を加熱、ノズルから噴出して推進する方式。
- 核電気ロケット (Nuclear electric rocket)
- エネルギー源として原子力発電を使用し、実際の推進手段としては電気推進を用いる方式。
- ガス炉心核ロケット (Gas core reactor rocket)
- ガス炉心炉の使用済み冷却材を噴出して推進する方式。核分裂炉の炉心は蒸気、ガス、またはプラズマで構成される。
- 核パルス推進 (Nuclear pulse propulsion)
- ロケット後方で核爆発を繰り返し発生させ、その衝撃で推進する方式。オリオン計画やダイダロス計画で研究が行われた。
- 反物質による核パルス推進 (Antimatter catalyzed nuclear pulse propulsion)
- 核パルス推進の一種で、燃料ペレットに反物質を起爆剤として埋め込む方式。通常の核パルス推進と比べて、大幅に小型化できるのではないかと期待されている。
- 核光子ロケット (Nuclear photonic rocket)
- 光子ロケットの一種で、原子炉で高温を発生させ、そこから発生する光子の圧力で推進する方式。
- 核融合ロケット (Fusion rocket)
- エネルギー源として核融合を使用する方式の総称。推進手段は電気推進や核パルス推進となる。
- バサード・ラムジェット (Bussard ramjet)
- 核融合ロケットの燃料として星間物質の水素を使用する方式。直径数kmもの巨大な集積装置(ラムスクープ)で水素を集める。