宇宙船
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
宇宙船(うちゅうせん、スペースクラフト)とは、 科学的探査・軍事的調査などの目的で人間を一定期間宇宙空間に滞在させるために作られた人工構造物のことである。 この中には、人間の長期宇宙滞在を目的に作られた宇宙ステーションなども含まれるが、一般に宇宙船とは、
- 人間を安全に宇宙空間に到達させ
- かつ、安全に地球に帰還させる
という機能を備えているものであり、それらのものを特に宇宙往還機と呼ぶ。 特に帰還の場合は、大気圏再突入の際に発生する高温から機体を保護するために、様々な対策を講ずる必要がある。
目次 |
[編集] 概要
「宇宙船」という日本語の単語からは一般に有人の宇宙船が想像されるが、それは基本的には以下の条件を満たすものとなるであろう。
- 恒星や惑星の重力やそれ自身の慣性で動かされるだけではなく、自身を加速して推進する機能を持つ。(ロケット噴射から慣性制御などの超技術による推進法を持つ)
- -170.4~数千度(天体からの光等による熱放射や熱圏)の温度変化や宇宙放射線といった過酷な環境に耐え得る船体である。
- 内部機構や搭乗員などを過酷な外部環境に晒されないよう守るために閉鎖された部分を持ち、その内部では安全な環境が維持される。外部へ出入りする際には、エアロックを利用する。
- 様々な内部機構を動かすための動力源(通常は電力源)を持つ。
- 人間の生存のに必要な水や酸素など、宇宙空間で手に入りにくい物資は内部に蓄えている(蓄える事が可能である、生成可能である)。
現在の有人宇宙ロケットに当てはめるなら、化学反応を利用して高温高圧のガスを噴出する化学ロケットエンジンによって推進し、金属製の船殻や構造材で宇宙線などを防ぐ一方で船体の耐熱塗装や冷却装置が熱の問題を解決する。 そして、乗員やコンピュータなどは与圧キャビンで保護され、太陽電池や燃料電池で稼動に必要な電力を賄い、液体燃料と酸化剤である酸素をタンク内に持っている…という事になる。
これらの構造や機能は、架空の宇宙船でもほぼ共通している。恐らく、今後現実に作られる全ての有人宇宙船も同様であると思われる。
[編集] SFにおける役割
宇宙船はSFの重要な要素であり、非常に多くの作品に宇宙船が登場する。
宇宙は人類が星に興味を持った頃から神話・伝承で扱われてきたことで分かるように、普遍的な関心を持たれてきた。それだけに、この宇宙に出るために必要な装置である宇宙船はSFにとって欠かせないものなのである。なお、ハードSFでは宇宙船の技術的な詳細が記述されることもあるが、それ以外の作品ではそういった点は重要でないものとして省略されることが多い。
SF宇宙船にとって重要な要素が、動力源と航行手段である。特に銀河系宇宙を舞台にしたスペース・オペラなどでは、相対性理論に反して光速を超えた速度で移動する手段と、それを実現する動力源とが必要になる。この事から、ワープをはじめとして様々な超光速航法が考案されている。
[編集] 現在までに作られた宇宙船
- 宇宙往還機
※ なお1963年8月22日には、アメリカの実験機X-15が、ジョー・ウォーカー飛行士によって高度107.960kmに到達した。この記録をもって、X-15を宇宙船に含めるべきとの意見もある。
[編集] 架空の宇宙船
- C-57D『禁断の惑星』
- Nostromo『エイリアン』
- USSエンタープライズ『スタートレック』
- ND-001 ナデシコ『機動戦艦ナデシコ』
- コメット号『キャプテン・フューチャー』
- サンダーバード3号『サンダーバード』
- 獅子号『ふたつのスピカ』
- ソロ・シップ『伝説巨神イデオン』
- マクロス『超時空要塞マクロス』
- ミレニアム・ファルコン号『スター・ウォーズ』
- ヤマト『宇宙戦艦ヤマト』
- ヤマモト・ヨーコ『それゆけ!宇宙戦艦ヤマモト・ヨーコ』
- リープタイプ『マップス』
- ソードブレイカー<ヴォルフィード>『ロスト・ユニバース』
- 星船『成恵の世界』
- 白号『11人いる!』
- 宇宙救命ボート『ドラえもん』
- 黒のリヴァイアス 『無限のリヴァイアス』
- TOY-BOX『プラネテス』
- ジャン・プウ号『かしまし ~ガール・ミーツ・ガール~』
- オタスケサンデー号・アンドロメダマ号『タイムパトロール隊オタスケマン』
- ホワイトベース 『機動戦士ガンダム』
- アーガマ 『機動戦士Zガンダム』『機動戦士ガンダムZZ』
- アークエンジェル級 『機動戦士ガンダムSEED』『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』
- ミネルバ『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』
- ブリュンヒルト 『銀河英雄伝説』
- アルカディア号 『宇宙海賊キャプテンハーロック』