唐山地震
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唐山地震(とうざんじしん)は1976年7月28日午前3時42分(現地時間、UTC+8)に、中国河北省唐山市付近を震源として発生したマグニチュード7.8の直下型地震。市街地を北北東から南南西に走る断層に沿って大きな水平右ずれが発生し、激震によって中国有数の工業都市であった唐山市は壊滅状態となった。
この地震による死者は公式記録によれば242,419人、非公式には60万から80万人とも言われ、20世紀最大の被害である。日本人も火力発電所建設のために派遣されていた日立製作所の社員3人が犠牲になった。
中国では1975年2月4日に起きた海城地震の直前に予報を出して被害を大幅に減らす事に成功しており、唐山付近で地震が起きる可能性が高い事もわかっていたが、今回は予報を出せず地震予知の難しさを知らしめた。
唐山市は再建がほぼ一段落するまでの約10年間、外国人の立ち入りが制限されていた。現在は抗震記念館が設けられ、到壊した建物や断層の一部が地震遺跡として保存されている。
当時中国は文化大革命のさなかであり、政府は「自力で立ち直る」と外国からの援助を拒否した。このことが犠牲者の拡大をもたらした一因だといわれている。
2006年7月28日、中国共産党は唐山市で30周年記念大会を開催、およそ700人が出席して「唐山抗震記念碑」に献花などを行ったと発表した。
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