四谷学院
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四谷学院(よつやがくいん)は、「誰でも才能を持っている」という理念のもと1974年(昭和49年)に創業した予備校。
現在は首都圏に14校舎、関西に2校舎の計16校舎を展開。
ブレーンバンク株式会社が経営する総合教育サービス集団として、小中学生の個別指導塾や大学生・社会人向けの資格取得の通信講座も開講している。
「なんで、私が東大に!?」(関西圏では東大の部分が京大になっている)のキャッチコピーで有名。
本部は東京都新宿区四谷にある。
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[編集] 沿革
創業時は、無学年方式で取り組めて、勉強が楽しくなる教材「英語の才能開発」「数学の才能開発」を制作・販売。「英語の才能開発」は東京都の推薦教材となる。
英語の監修は東京大学名誉教授の鈴木博。数学は早稲田大学名誉教授の高瀬礼文。
その後、教材をもとに実際に教えてほしいという声があがり個別指導の教室を開校。並行して大検コース(現高認コース)がスタート。
さらに高認合格後もサポートしてほしいという生徒の声をうけて大学受験コースを設置。現在では受験生を広く受け入れている。
[編集] 概要
- 四谷学院の最大の特徴は、集団指導形式と個別指導形式を組み合わせた、独自の学習システムにある。特に「55段階個別指導」では基礎力の充実に力を入れているため、学力の高い層だけでなく、初学者や学習ブランクの空いた人にも定評がある。
- はじめから学力の高い生徒を優遇する「特待生制度」を持たない数少ない予備校である。
- 個別指導形式の授業があるため、授業時間が多く(といっても授業時間は1コマ高卒生80分・現役生60分だが)、大手予備校と比べて質問がしやすいなどの利点がある(これは四谷学院だけに限ったことではないが)。一方で、当然授業料は高めである。
- 進路指導にも力を入れていて、『学部学科がわかる本』は、首都圏の高校で進路指導の資料として50,000部が採用されているとのこと。
- 受験結果は「●●大に何名合格」といった実績を公表しない。そのため、一部の優秀な生徒が広告塔になっているとの指摘もある(ただし、合格者の名前及び大学名を全校舎に貼っている)。
- 合格実績を電話で尋ねると「その件につきましては、説明会で話させていただきます」と解答されないことがほとんどである。
- 「55段階個別指導」を「完全個別指導(1対1or1対2)」と勘違いしてしまう生徒も少なくないが、実際は教師1人に対して3~10人程度が受講し、指導を受けるときには教師のところまで行き、1対1で受講する形になる点に注意が必要である。
[編集] 学習システム
- 「55段階個別指導」
大学受験で必要とされる知識を55の学習ステップにわけ、一つひとつの知識を完成させることで全体を完成させていく学習システム。
ステップごとに到達度テストを行い、講師が1対1で解説・指導する。
45級~5段まで(センター教科を除く)あり、合格点が取れると「合」のスタンプが段位表に押される。
なお、スタンプが一定数貯まるごとに消しゴム・シャーペン・飴・ルーズリーフ・ストラップ・ペンケースなどがもらえる(スタンプが貯まり、子供心をくすぐり意欲が出る為)
さらに1教科が段にいく度にバインダーがもらえる(センター教科を除く)
心理学者のスキナーが提唱したプログラム学習の理論を、実践的システムとして実現していると主張している。
- 「科目別能力別クラス授業」
科目ごとに2種類のテストで細かく学力を診断し、実力にあったレベルの授業を受けることのできる授業システム。
現代文や古文など、同一教科内でも科目ごとにクラス分けをする。
わかるレベルから授業をスタートすることで、「難しすぎる」「簡単すぎる」というミスマッチや、それによる学習意欲の低下を防ぎ、理解力をアップさせると主張している。
しかし現実問題として「私立文系」と「国立医学部」が同じ英語の授業に参加しており、志望校に合った学力を本当に引き出せるかは疑問である。
[編集] コース
○高校生コース
- 高1生コース
- 高2生コース
- 高3生コース
○高卒生コース
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[編集] 関連事業
- 四谷学院個別指導教室として、予備校併設教室の他、三鷹、八王子、南浦和、光が丘、たまプラーザに5つの個別専門教室を持つ。
[編集] 校舎
関東圏:四谷校・池袋校・自由が丘校・吉祥寺校・町田校・立川校・横浜校・藤沢校・厚木校・大宮校・川越校・千葉校・柏校・船橋校
(吉祥寺校・厚木校は現役専門校舎)
関西圏:梅田校・なんば校
[編集] その他
「なんで、私が東大に!?」 のコピーをそのままタイトルに冠した書籍単行本が、アーク出版から刊行。「受験と教育を考える会」の取材により四谷学院の理念や実際の教育について詳しく紹介されている。