国道139号
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国道139号(こくどう139ごう)は、静岡県富士市から山梨県富士河口湖町を経由して東京都西多摩郡奥多摩町に至る道路(一般国道)である。(通常、都に向かう方が上りとなるのだが、都に向かう方が下りになる珍しい例である)
静岡県内の一部に自動車専用道路となる区間が2区間ある。このうち西富士道路(有料道路)には並行する一般道路があるが、以前一般有料道路であった富士宮道路の一部区間には存在しない。
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[編集] 地理
静岡県の富士市から富士宮市にかけての区間は非常に複雑になっているが、これは国道1号や国道139号自体の一般有料道路の償却満期による無料開放によってルートが変更されたり追加されている為である。
富士市今井の富士東ICで国道1号から分かれいったん南に進んだ後今井交差点を右折し西進する。しばらく進むと先ほど分かれた国道1号が東海道新幹線とともに高架でクロスする。富士警察署を右にみた後しばらく進むと青島交差点で右折する、ここまでの区間は旧国道1号であったがルート変更の際に国道139号に組み入れられた。したがって、0キロポストは現在も青島交差点に設置されている。
青島交差点から北進する形になるが、宮川交差点あたりから徐々に左カーブを描きへ曲がりきった先で東名高速道路・西富士道路の富士ICに接続する。しばらく西北西に進み富士市伝法付近で東名高速道路と交差、天間付近で工事中の第二東名高速道路と交差し、静岡県富士宮市にはいる。富士宮市にはいるとすぐ小泉権現交差点を左折し北上、西富士道路と合流する小泉若宮交差点を左折し再び西北西に進む。ここから先は富士宮道路として開通したバイパス区間となり4車線区間となる、ここから先で進路は徐々に北向きへと変わる。 富士宮市外神付近で再び2車線となるが、ここから先が一般有料道路として供用していた区間で、償却満期となり無料開放された現在もなお自動車専用道路となっている。しばらく北進すると旧料金所の北山ICで国道469号と接続(同ICから国道469号に入り、西の方へ行くと、大石寺方面に至る)、白糸の滝の最寄であるである上井出ICを通過し県道と合流する区間まで自動車専用道路区間が続く。この区間の所々に4車線化の用地が確保されていたり跨道橋が4車線分で作られている。
朝霧高原から富士山を西回りに回り込み、山梨県に入るといくつものカーブが連続しながら東に進路を向ける。その途中、富士河口湖町・鳴沢村にかけての区間で富士五湖の内の山中湖を除く本栖湖、精進湖、西湖、河口湖と青木ヶ原樹海を通過する。ただいずれの湖も湖畔は通らず、湖畔へのアプローチとなる道路に進入しなければならない。富士スバルラインへの入口である「スバル立体」を過ぎると、富士河口湖町と富士吉田市の境界付近で中央自動車道河口湖IC・東富士五湖道路富士吉田ICと接続。富士急ハイランドを横目に横町バイパスから上宿交差点に至ると、進路を直角に変えて再び北進する(直進方向は国道138号となる。なお富士パノラマラインの愛称はそのまま国道138号へと続く)。富士吉田市から大月市までは狭隘な谷間の中に市街地が続き、中央自動車道富士吉田線(河口湖線とも)、鉄道の富士急行線、桂川と並行する。途中、都留市の中心部では連続して直角に曲がる区間があり、渋滞が慢性化している。大月橋東詰で国道20号につきあたり、また直角に折れて国道20号との重複区間に入り、東進する。この区間でも慢性的な渋滞が起こっていたが、山梨県立都留高等学校から大月駅前にかけての山側に国道20号大月バイパスが区間開通したのに伴い、この付近の渋滞はある程度緩和されている。市中心部を抜けきらない内にまたもや直角に折れて単独区間に入り、その先の奥多摩町までの区間は山中を抜けるルートとなる。付近のダム建設に伴い大規模改修を受けた部分もあるが、松姫峠を挟む区間では急なカーブが多く道幅も非常に狭い。また冬季には峠の前後で通行止めとなる。
現在、松姫峠を貫く総延長3066mの松姫トンネルの建設が始まっている。
[編集] 歴史
- 1953年5月18日:二級国道139号吉原大月線として、静岡県吉原市~山梨県北都留郡大月町(現:大月市)を認定。
- 1965年4月1日:一般国道139号。(静岡県吉原市(現:富士市)~山梨県大月市)
- 1993年4月1日:山梨県大月市~東京都西多摩郡奥多摩町の区間を編入。
[編集] 指定区間
静岡県富士市青島町~山梨県大月市駒橋(山梨県富士吉田市上吉田~同市下吉田を除く。)
- この区間は通称大月線と地元で呼ばれている。
[編集] 重複区間
- 国道20号:山梨県大月市駒橋~同市大月
- 国道137号:山梨県富士吉田市上吉田地内(上宿交差点~金鳥居交差点。但しこの区間に国道を示す標識はない)
- 国道300号:山梨県南都留郡富士河口湖町本栖~富士吉田市上吉田
[編集] 別名
- 東海道
- 旧・国道1号の区間。
- 西富士道路
- 富士宮道路
- 富士パノラマライン
- 富士五湖から御殿場にかけての愛称。富士吉田市・上宿交差点からは国道138号に入る。
- 横町バイパス
- 富士みち
- 富士見バイパス
- 富士吉田市下吉田・富士見バイパス北交差点と同市上吉田・富士見バイパス南交差点を結ぶ別線。大月方面と国道138号山中湖方面を、富士吉田市中心部をショートカットする形で結ぶ。名称の由来は現道との接続点付近の町域が「富士見町」と通称されることによる。現道より国道138号方面に長い坂を上がって行くと、晴れていれば富士山のとても見事な眺望を得ることができる。
- 都留バイパス
- 都留市田原・都留文大入口交差点と同市法能・都留バイパス北交差点を結ぶ別線。都留市中心部の市街地と屈曲区間とを迂回するべく建設されているが、現状は山梨県道711号戸沢谷村線につきあたって止まっているため富士急行線赤坂駅付近で現道に戻る。その先も大月方面延伸が計画中であり、現在事業中の区間が供用されれば山梨県道35号四日市場上野原線に接続し、禾生駅付近までの迂回ができるようになる。
- 甲州街道
- 国道20号との重複区間。
- 松姫街道
[編集] 通過する自治体
[編集] 交差している道路
- 国道1号(静岡県富士市・富士東インター)
- 東名高速道路・富士IC(静岡県富士市)
- 国道469号(静岡県富士宮市・北山インター)
- 国道300号(山梨県富士河口湖町・本栖交差点、富士吉田市・上宿交差点)
- 国道358号(山梨県富士河口湖町・赤池交差点)
- 中央自動車道・河口湖IC(山梨県富士河口湖町)
- 東富士五湖道路・富士吉田IC(山梨県富士吉田市)
- 国道138号・国道413号(山梨県富士吉田市・上宿交差点、同市・富士見バイパス南交差点)
- 国道137号(山梨県富士吉田市・上宿交差点、同市・金鳥居交差点)
- 国道20号(山梨県大月市・大月橋東詰交差点、同市・高月橋入口交差点)
- 国道20号大月バイパス(山梨県大月市・都留高校南側)
- 国道411号(東京都奥多摩町・深山橋北詰)
[編集] 主な峠
- 松姫峠(標高1250m) - 山梨県大月市~北都留郡小菅村