塩化ピクリン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
塩化ピクリン | |
---|---|
![]() |
|
IUPAC名 | トリクロロニトロメタン |
別名 | クロルピクリン クロールピクリン クロロピクリン |
組成式 | CCl3NO2 |
式量 | 164.38 g/mol |
形状 | 無色液体 |
結晶構造 | |
CAS登録番号 | 76-06-2 |
密度と相 | 1.7 g/cm3, 液体 |
水への溶解度 | 0.162 g/100 mL (25 ℃) |
融点 | −64 ℃ |
沸点 | 112 ℃ |
出典 | ICSC |
塩化ピクリン(えんか—)・IUPAC名トリクロロニトロメタンは化学式 Cl3CNO2 で表される、炭素と塩素と窒素と酸素からなる化合物。
当初は毒ガスとして開発されたが、1918年に燻蒸剤(農薬の一種)として有用であることが判明した。燻蒸剤としての主な目的は蓄えられた穀物の処理にあった。また、殺菌・殺虫剤(商品名:クロルピクリンなど)として土壌燻蒸剤として利用されることもある。
窒息性毒ガスとしても比較的有名であり、第一次世界大戦中にはホスゲンとともに使用されたがその毒性はホスゲンに比して低かった。また目に対しても強烈な刺激作用を持ち、催涙ガス的な作用があることでも知られている。
[編集] 性質
常温ではいくぶん粘性のある無色の液体である。蒸気は空気より重く、その相対蒸気密度は 5.7 である。衝撃または熱を加えることにより爆発する可能性があること、光や熱などで分解して塩化水素や窒素酸化物など有毒な気体を生じることから、取り扱いには注意を要する。