夕張市石炭博物館
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
夕張市石炭博物館(ゆうばりしせきたんはくぶつかん)は北海道夕張市高松7番1号にある博物館。1970年開設の夕張市郷土資料館(後に夕張市炭鉱資料館に改称)を前身として石炭の歴史村の整備に合わせて、その中核施設として1980年に開館した。北海道の明治期以降の基幹産業となった石炭産業を、石炭と炭鉱のテーマに分け、石炭の生成から開発、利用など技術や労働、生活を実物の資料、坑道、石炭層などから紹介している。旧北炭夕張炭鉱天竜坑を利用した採炭現場の動態展示など石炭産業の博物館としては国内最大規模を誇る。
目次 |
[編集] 施設概要
[編集] 夕張市石炭博物館
- [1階]展示室
- [2階]展示室
- 展示品・収蔵品
- 石炭産業資料/約5000点
- 地学資料/約500点
- 生活資料/約3000点
- 石炭博物館本体とは別に、民俗・生活資料を展示する炭鉱生活館。石炭輸送に活躍した蒸気機関車などの鉄道関係資料を展示するSL館などを展示サテライトとして持つ。また、周辺の北炭夕張炭鉱関連施設は有形登録文化財となっている。郷愁の丘センターハウス、生活歴史館にも一部郷土関係資料が収蔵・展示されている。
[編集] 炭鉱(やまの)生活館
全盛期の北炭夕張炭鉱地区のパノラマ模型、炭鉱住宅の模型や、内部の再現。その他、生活関連資料を展示する。外観は1920年に北炭により建設された夕張工業高校校舎(鉱滓煉瓦造)の外観を模している。
[編集] SL館
石炭輸送や市民の足となり活躍した夕張鉄道14号機・客車ナハニフ151、三菱大夕張鉄道4号機の他、国鉄夕張線や北炭真谷地専用鉄道の関連資料も含め、保線車両、車両部品、駅備品、模型、映像などにより展示している。
[編集] 財政再建問題
夕張市の施設を第三セクターが受託管理する官設民営方式により、運営されていたが第三セクターに出資している夕張市の財政再建団体申請に伴う事業見直しにより、2006年10月22日限りで休館となった。休館後に第三セクターが自己破産し、現在は夕張市が直接管理している。冬季間も文献調査などには対応を行っていた。その後2007年以降の運営について民間委託等も含め検討を行った結果、2007年2月に加森観光が運営を受託することが決定した。この間、貴重な産業遺産を守ろうという市民運動も展開され、市民の手で運営を受託することも模索されたが、前記の通り実現しなかった。
[編集] 交通アクセス
- 夕張駅から北に約3km、北海道道38号沿い。
- バス:「石炭歴史村」停(夕鉄バスあるいは北海道中央バス) ※バス停名は「の」が入らない
- 夕張駅から約5分
- 札幌駅前バスターミナルから約1時間45分(北海道中央バス「高速ゆうばり号」)
[編集] 関連項目
- 夕張市
- 石炭の歴史村
- 石狩炭田
- 夕張炭鉱
- 北海道炭礦汽船
- 北海道炭礦鉄道
- 三菱鉱業
- 三菱石炭鉱業大夕張鉄道線
- 夕張鉄道
- 北海道炭礦汽船夕張鉄道線
- 北海道炭礦汽船真谷地炭鉱専用鉄道
- 森林鉄道
- 近代化遺産
- 産業考古学
- 鉄道保存展示施設