大空港 (映画)
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| 大空港 Airport |
|
| 監督 | ジョージ・シートン |
|---|---|
| 製作 | ロス・ハンター |
| 脚本 | ジョージ・シートン |
| 出演者 | バート・ランカスター ディーン・マーティン ジーン・セバーグ ジャクリーン・ビセット ジョージ・ケネディ |
| 音楽 | アルフレッド・ニューマン |
| 撮影 | アーネスト・ラズロ |
| 編集 | スチュアート・ギルモア |
| 配給 | ユニバーサル映画 |
| 公開 | 1970年3月5日  1970年4月18日  |
| 上映時間 | 137分 |
| 製作国 | アメリカ合衆国 |
| 言語 | 英語 |
| 制作費 | 1,000万U.S.ドル |
| 興行収入 | 1億U.S.ドル |
| 次作 | エアポート'75 |
| allcinema | |
| キネマ旬報DB | |
| All Movie Guide | |
| IMDb | |
大空港 (だいくうこう, Airport)は、1970年のアメリカ映画。パニック映画。
アーサー・ヘイリーによる同名の小説を原作とする。 エアポートシリーズ4作品の第1作目。
上映時間136分。 オールスターキャストによるパニック映画の元祖と言われる。いわゆるグランドホテル形式で、それぞれの登場人物にまつわるストーリーが複雑に交錯する構成となっている。当時のハリウッドを代表するようなスターが競演するのはそのためである。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] ストーリー
[編集] 主な登場人物・伏線となるストーリー
- ある冬の夜。シカゴのリンカーン国際空港（架空。オヘア国際空港がモデル）は何年に一度という大雪に見舞われる。そんな中、着陸したトランスグローバル航空（架空）のボーイング707旅客機が誘導路から脱輪し、積雪の中に車輪を沈ませてメイン滑走路を閉鎖させてしまう。
- 空港長メル・ベーカースフェルド（バート・ランカスター）は、日ごろの激務の中で家庭を顧みる暇がなく妻シンディ（ダナ・ウィンター）とは離婚寸前。一方で、同じ空港内に勤務するトランスグローバル航空の地上勤社員・タニア・リヴィングストン（ジーン・セバーグ）と恋仲になっている。タニアは上司から西海岸への転勤と昇進を打診されており、メルとの関係を取るかキャリアを取るか葛藤の中にある。
- バーン・デマレスト（ディーン・マーティン）はトランスグローバル航空のパイロットで、ボーイング707の機長。同時にメルの姉・サラ（バーバラ・ヘイル）の夫でもあるが、浮気癖が強くあちこちの女と関係を持つためメルに嫌われている。この吹雪の日、リンカーン発ローマ行きのグローバル2便の操縦桿を握ることになったが、空港に着いた途端メルから滑走路の閉鎖を聞かされ、口論となる。
- バーンの現在の浮気相手は、同じトランスグローバルの客室乗務員グエン（ジャクリーン・ビセット）。この夜、たまたま同じ2便のクルーとして乗り合わせることとなったバーンは、グエンから妊娠したこと、そして中絶するつもりがないことを告げられる。
- トランス・ワールド航空（当時は実在したが現在は吸収合併のため消滅）のベテラン整備士ジョー・パトローニ（ジョージ・ケネディ）は、帰宅して妻とくつろいでいたところをメルに呼び戻される。彼の頼みで滑走路を塞いだ707機の移動作業に協力することになったが、方針を巡って機長と対立。メルは自分の責任で、パトローニに作業を一任する。
- 失業中の土木労働者、D・O・ゲレーロ（ヴァン・ヘフリン）は、精神を病んで仕事が長続きせず、子供を身内に預けて妻イネーズ（モーリン・ステイプルトン）と貧しい生活を送る。思いつめた彼は自身に多額の生命保険をかけ、現場から盗んだダイナマイトをアタッシュケースに仕込んでグローバル2便に乗り込む。
- 無賃搭乗常習犯の老女、エイダ・クォンセット（ヘレン・ヘイズ）は、トランスグローバル機内で犯行が発覚し、リンカーン空港でタニアに引き渡される。仮病を使って医務室に向かう途中に脱走し、グローバル2便の機内に紛れ込んで何食わぬ顔で座席についたエイダの隣には、爆弾入りのアタッシュケースを抱えたゲレーロが座っていた。
- 勤め先から家に帰ったゲレーロの妻イネーズ。つい数時間前、不意に彼女の職場に現れた夫は「ミルウォーキーへ行く」と言っていたのに、郵便ポストに「ローマ行きの航空券をお求めいただきましたが、釣銭を間違えて多く受け取ってしまいました」とのメッセージが。ゲレーロが最後に務めていた現場からダイナマイトが紛失していた事を思い出し、よからぬ予感を抱いたイネーズは、急いでリンカーン空港へ向かう。しかし彼女が出発ロビーに到着した時、バーンが操縦桿を握るグローバル2便は、グエン、ゲレーロ、エイダたちを乗せ、スポットを離れ滑走路へと向った後だった。
[編集] その後の展開
放心状態で保護されたイネーズの話から、ゲレーロの目的を悟ったメルは、グローバル2便に連絡。バーンは、ゲレーロのアタッシュケースを取り上げる作戦を練り、隣席のエイダに協力を依頼する。一方地上では、不測の事態に備えてパトローニが707機の移動作業を急ぐ。だが、作戦は土壇場で失敗し、後部トイレに逃げ込んだゲレーロは爆弾を爆発させる。グエンは負傷し、機体には穴が……。
[編集] 概説
原作は、緻密な取材でさまざまな業界の内幕を描く、アーサー・ヘイリーのベストセラー小説。上映時間の制限上、省略された人物やエピソードはあるものの、全体としては原作にかなり忠実に映画化されている。脚本・監督は、名作「三十四丁目の奇蹟」（1947）のジョージ・シートン。音楽は、「慕情」（1955）他でアカデミー賞を九回も受賞しているアルフレッド・ニューマンで、作曲後の死去により、この仕事は彼の遺作となった。
出演は、「エルマー・ガントリー 魅せられた男」（1960）でアカデミー主演男優賞に輝いたバート・ランカスター、かつてはジェリー・ルイスと「底抜け」コンビを組み歌手としても有名なディーン・マーティン、「悲しみよこんにちは」（1957）のジーン・セバーグ、「ブリット」（1968）のジャクリーン・ビセット、「暴力脱獄」（1967）でアカデミー助演男優賞を受賞したジョージ・ケネディらといった、オールスター・キャストであった。
舞台となるシカゴのリンカーン国際空港は架空のものであり、ロケはミネソタ州のミネアポリス・セントポール国際空港で行われた。
本作の大ヒットにより、後に続編が3本作られ、合わせてエアポートシリーズと総称される。しかし、続編の内容について、アーサー・ヘイリーは直接関わってはいない。「大空港」はどちらかというと人間ドラマの方に主眼が置かれているが、続編は飛行機を襲う危機の方に重点が移っており、1970年代のパニック映画ブームの一翼を担って、次第に内容がエスカレートしていった。なお、シリーズといっても、それぞれの登場人物は違っており、ただ一人ジョージ・ケネディ演ずるジョー・パトローニのみが4作全てに登場しているが、役職は毎回異なっている。
[編集] キャスト
- メル・ベーカスフェルド：バート・ランカスター
- バーン・デマレスト：ディーン・マーティン
- タニア・リヴィングストン：ジーン・セバーグ
- グエン・メイフェン：ジャクリーン・ビセット
- ジョー・パトローニ：ジョージ・ケネディ
- イネーズ・ゲレーロ：モーリン・ステイプルトン
- エイダ・クォンセット：ヘレン・ヘイズ
[編集] スタッフ
- 監督: ジョージ・シートン
- 製作: ロス・ハンター
- 原作: アーサー・ヘイリー
- 脚本: ジョージ・シートン
- 撮影: アーネスト・ラズロ
- 音楽: アルフレッド・ニューマン
[編集] 受賞
- 米アカデミー助演女優賞 - ヘレン・ヘイズ
- ゴールデン・グローブ賞：助演女優賞 - モーリン・ステイプルトン
[編集] エアポートシリーズ
タイトルにエアポートや大空港が付く映画やテレビ番組が多数存在するが、エアポートシリーズは以下に示す4作品のみである。
- シリーズ第1作: 大空港
- シリーズ第2作: エアポート'75
- シリーズ第3作: エアポート'77/バミューダからの脱出
- シリーズ第4作: エアポート'80
[編集] エアポートシリーズ以外でエアポートの付く映画やテレビ番組
- エアポート'７８・恐怖の超音速旅客機／パニック・イン・ＳＳＴ (1977)
- エアポート'８５ (1985)
- エアポート'９８ (1993)
- エアポート'９９ (1998)
- エアポート'０２ (2001)
- エアポート'０３ (2002)
- エアポート'０４ (2004)
- エアポート'０５ (2004)
- エアポート１９９４ (1993)
- エアポート１９９９ (1998)
- エアポート２０００ (1999)
- エアポート２００１ (2000)
- エアポート２００２ (2001)
- エアポート２００４ (2004)
- 恐怖のエアポート (1971)
- アメリカン・ガールズ～女のエアポート (1978)
- パニック・イン・エアポート (1979)
- ソギー・ボトムの野郎ども～爆走！エアボート大追跡～ (1981)
- 奇跡の旅２／エアポート大脱出 (1996)
[編集] 原作
早川書房より刊行（ハヤカワ文庫）。アーサー・ヘイリー著、武田公子・大坪光之 訳（現在は絶版）。
- 『大空港 上』 NV48 ISBN 9784150400484
- 『大空港 下』 NV49 ISBN 9784150400491
[編集] 関連記事
- 大空港
- 日本の同名のテレビドラマとの曖昧さ回避のページ。
- 大空港 (テレビドラマ)
- 日本の同名のテレビドラマの記事。
- エアポート
- 大空港の原題は「エアポート」であるが、その他のエアポートとの曖昧さ回避のページ。
[編集] 日本語吹替
- 1994年2月25日（金）日本テレビ「金曜ロードショー」
[編集] その他
- 本作をメインのモチーフとしたパロディ作品として映画『Airplane!』がある（邦題:フライング・ハイ）。
