金曜ロードショー
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金曜ロードショー(きんよう-)は日本テレビ系列で金曜21:03~22:54(JST、拡大・遅延の場合あり)に放送されている映画番組。
当初は、金曜ではなく水曜放送枠の水曜ロードショー(すいよう-)としてスタートしていたが、放送曜日の移動に伴って現在の番組名になった。
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[編集] 概要
前身の水曜ロードショーは1972年4月5日~1985年9月25日の放送で、放送開始から2年間は、プロ野球の巨人戦のナイター中継との関係で21:30~22:55の90分枠だったが(21:00~21:30は『東芝ファミリーホール特ダネ登場!?』)、1974年以降は21:00からの120分枠となった(『特ダネ登場!?』は19:30~20:00に移動)。
放送開始から半年後、レギュラーの解説者として映画評論家の水野晴郎が登場した。締めくくりに放つ台詞「いや~、映画って本当にいいもんですねえ!」は、彼のトレードマークとなる。
1983年、参議院議員選挙に出馬するために水野は一度降板し、降板後しばらくの間はレギュラーの解説者を設けず、当時日本テレビのアナウンサーであった福留功男が務めていた回もあった。1983年8月10日~1984年9月は愛川欽也、同年10月~1985年3月は堀貞一郎が代役を務めた。いまだに語り草となる1983年10月5日放送の『スター・ウォーズ』シリーズ第1作目「エピソードIV 新たなる希望」のテレビ初放映は実はこの時期に当たる。なお、水野は1985年4月3日放送の『クレイマー、クレイマー』のテレビ初放映の回から復帰した。
その後、枠移動により同年10月4日から現在の『金曜ロードショー』となった。初回の『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』を放送した時は、東京で震度5(当時)の地震が起きたというテロップが画面の上に出た。この時はエンディングまで通常放送に成功したものの、視聴環境としては出出しから最悪な状態であった。週末に枠が移動してからはそれまで解説者の水野の趣向が反映された玄人ウケする渋い作品は徐々に姿を消して(世間の趣向にも伴い)、毎週の様にハリウッド映画の娯楽作品やアニメ作品などが頻繁にラインナップされる様になって行った。その他にも1985年から1986年にかけて映画監督の藤田敏八や大森一樹などを起用してオリジナルのテレビ向け映画も放映した。
アニメに関しては水曜ロードショー時代から放送されていたが、日本テレビが独占放映権を持つスタジオジブリ作品はとりわけ定期的に放映されている。日本テレビのプライムタイムの2時間枠は、2007年現在は金曜ロードショーと火曜ドラマゴールドの2番組なので、両番組でしか放送する事ができない。ジブリ新作映画の公開時期になると宣伝をかねて過去のジブリ作品を拡大枠でノーカット放映するのが恒例となっており、裏番組『TRICK』でもネタにされている。ジブリは2~4ヶ月に1本放送するのが恒例である。アニメは既存の公開作品の他にも『ルパン三世』の新作TVスペシャルを毎年夏に放送する(かつてCS★日テレでも1度だけ放送された事がある。なお、同局では権利の関係から通常『金曜ロードショー』は放送されておらず、別の番組やフィラー映像に差し替えられていた。)。これがきっかけで、日本テレビで過去に放送されていたテレビアニメは、「金曜特別ロードショー」として続編やTVスペシャルを放送する事が増えた。
なお、毎年の慣例で『日本アカデミー賞授賞式』(2月)や『全国高等学校クイズ選手権』(9月)などで番組自体が休止される事もある。
ジブリなどの人気作品以外の時は視聴率面的には、前時間帯番組である『太田総理…秘書田中。』や『ぐるナイ』ともに苦戦していたが、ここ最近は15%前後に回復して来ている。
また、地上デジタルでの放送では番組連動型データ放送を実施している。
2006年10月より、テレビ宮崎が同時ネットを開始している。
21:00から3分間は、この日に放送する内容の見所を紹介する番組があるが、秋田放送他はこの部分を放送しておらず、OPアニメからのスタートになっている(遅れネットの地域を除く)。
日刊ゲンダイの2006年9月28日付の記事で「2007年1月以降の大幅改変により金曜ロードショーは終了すると見られる」と報じたが、4月の大改編後もこの番組は継続放送する予定である。
[編集] 金曜特別ロードショー
アニメなど映画以外の作品か、映画でも大作が放送される場合は、「金曜特別ロードショー」というタイトルになる。なお2003年6月に放送された『タイタニック』は金・土の2日連続企画だったため、翌土曜日にも『金曜特別ロードショー』の名前で放送されていた。
『金曜特別ロードショー』としてのタイトルでは、前述したジブリ作品、『ルパン三世』TVシリーズ、『タイタニック』に加え、TVスペシャルとして『タッチ』『シティーハンター』『はじめの一歩』『名探偵コナン』などを製作している。アニメ以外にも『太陽にほえろ!』『あぶない刑事FOREVER TVスペシャル』などのドラマスペシャルなどがある。なお、『金曜特別ロードショー』の場合は作品によって解説がなかったり、20:00開始の場合、同時間枠のバラエティ番組を休止する事がある。
2006年10月27日には映画『デスノート』前編を放送した。まだDVDが発売されてない事と、後編公開直前という事もあって、24.5%とかなりの高視聴率を叩き出した(その関係か、海賊版防止のため、放送中は右上に「金曜ロードショー」のタイトルロゴが透かしで表示されていた。)。
[編集] 映画解説者
- 水野晴郎(1972年10月~1983年6月1日、1985年4月~1997年3月。降板期間中は愛川欽也、堀貞一郎が担当。金曜ロードショーになってからでも体調不良時などは大谷育江、大木凡人らが担当していた。)
- 1997年4月以降は作品解説がなくなり、代わりに坂上みきがナビゲーターとして、また日本テレビのアナウンサーが劇中に放映される次回予告編のナレーションを務めている。
[編集] 歴代高視聴率獲得作品
- 1位 - 2003年1月24日放送(日本テレビ開局50年・金曜特別ロードショー)「千と千尋の神隠し」46.9%
- 2位 - 1981年9月30日放送「ジョーズ」37.7%
- 3位 - 1980年4月16日放送「幸福の黄色いハンカチ」37.3%
- 4位 - 1999年1月22日放送「もののけ姫」35.1%
(ビデオリサーチ調べ、関東地区)
[編集] オープ二ング映像
[編集] 水曜ロードショー時代
[編集] 金曜ロードショー
- 夕日と海とヨットハーバーの2代目(セル画作品 1985年10月~1997年3月。テーマ曲:ピエール・ポルト・オーケストラ(作曲&演奏)ドミニク・ドラース(tp)「フライデー・ナイト・ファンタジー」)
- ※提供クレジットの後の5秒のエンドパターンについては、1985年10月~1993年9月は静止画(設定は夜になるまでヨットが浮かんだままと言うもの。金曜ロードショーのロゴが上に表示し、下に「(旧ロゴ、後にロゴなし)日本テレビ END」と表示)で、1993年10月~1997年3月は動画(設定はヨットのバテン部分が潰れ、ヨットに乗っていたシルエットの人はカヌーに乗り換えると言うもの。金曜ロードショーのロゴの部分で下の「ロードショー」が上の「金曜」の隣に入り、下に「THE END」と表示。)によるものだった。
- ※このオープニング曲の原調はヘ短調であるが、葬送曲さながらの悲哀を漂わせる事で有名である。
- ※オープニングは、ピアノの出出しから始まるパターンとトランペットから始まるパターンがある。
- 画面上部に番組ロゴが表示、紳士が映写機を動かすアニメーションとなっている。画面の左右は映画フィルムの縁となっている。番組ロゴの後に提供クレジットを表示し、最後に映写機のレンズが拡大し、放送する映画名がフェードインで表示される。
[編集] 常連の映画
- 日本映画
- 幸福の黄色いハンカチ
- Shall we ダンス?(水野晴郎が担当した最後の回もこれだった)
- ジブリ各作品(千と千尋は歴代視聴率1位)
- ルパン三世(毎年夏)
- 洋画
など…
[編集] タレント吹き替え
- 山口百恵・三浦友和の「ある愛の詩」
- 野口五郎・桜田淳子の「グリース」
- 渡辺徹・大場久美子・松崎しげるの「スター・ウォーズ エピソードIV 新たなる希望」
- 船越英一郎の「ダイヤルM」
- 少年隊・錦織一清のトム・クルーズ
[編集] 提供スポンサー
[編集] 現在
- A枠
- B枠
- ※隔週、枠入れ替わり
- 注:2006年10月から同時ネットを開始したテレビ宮崎はスポンサーがサンゲツ,花王,大塚製薬,DAIHATSUを除き概ねローカル企業となっているが、UMKの前番組金曜エンタテイメント」の名残りからRinnaiが付いている。
- ※上記のスポンサーのうち、サンゲツ,花王,DAIHATSU,KIRIN,大塚製薬,JA共済は、水野晴郎氏が解説していた頃から現在も続いており、当番組の代表的なスポンサーである。
提供クレジットの出し方が違う時がある。
- 1.この放送は(ここからはorここまでは)、サンゲツ→花王とご覧のスポンサーの提供でお送りいたします。
- 2.この放送は(ここからはorここまでは)、花王→サンゲツとご覧のスポンサーの提供でお送りいたします。
この様に変則的に提供クレジットが出される場合がある。
[編集] 過去
※水曜ロードショー時代を含む
TOSHIBA、AGF、Nikon、GEKKEIKAN、大正製薬、ヤマト運輸、MIKI、DAIKYO、マンダム、ユニ・チャーム、三菱電機、東洋水産、☆SAPPORO、KDDI、マクドナルド、JR東日本、JR東海、MIKI HOUSE、原ヘルス工業、山本海苔店、明治乳業、PHILIP MORRIS、いすゞ、エトワール海渡、松下電器、HONDA、第一製薬(現・第一三共ヘルスケア)、三樂オーシヤン(現・メルシャン)、KOREAN AIR、オッペン化粧品、大沢商会(現・大沢商会グループ)、MIZUNO、アシックス、丸大食品、角川書店、TDK、武田薬品、郵便局の簡易保険、他
[編集] ネット局
放送対象地域 | 放送局 | 系列 | 放送曜日・放送時間 |
---|---|---|---|
関東広域圏 | 日本テレビ(NTV) 金曜ロードショー製作局 |
日本テレビ系列 | 金曜 21:00~22:54 (終了時間は作品によって異なる) |
北海道 | 札幌テレビ(STV) | ||
青森県 | 青森放送(RAB) | ||
岩手県 | テレビ岩手(TVI) | ||
宮城県 | ミヤギテレビ(MMT) | ||
秋田県 | 秋田放送(ABS) | ||
山形県 | 山形放送(YBC) | ||
福島県 | 福島中央テレビ(FCT) | ||
新潟県 | テレビ新潟(TeNY) | ||
富山県 | 北日本放送(KNB) | ||
石川県 | テレビ金沢(KTK) | ||
福井県 | 福井放送(FBC) | ||
山梨県 | 山梨放送(YBS) | ||
長野県 | テレビ信州(TSB) | ||
静岡県 | 静岡第一テレビ(SDT) | ||
中京広域圏 | 中京テレビ(CTV) | ||
近畿広域圏 | よみうりテレビ(ytv) | ||
鳥取県 島根県 |
日本海テレビ(NKT) | ||
岡山県 香川県 |
西日本放送(RNC) | ||
広島県 | 広島テレビ(HTV) | ||
山口県 | 山口放送(KRY) | ||
徳島県 | 四国放送(JRT) | ||
愛媛県 | 南海放送(RNB) | ||
高知県 | 高知放送(RKC) | ||
福岡県 佐賀県 |
福岡放送(FBS) | ||
長崎県 | 長崎国際テレビ(NIB) | ||
熊本県 | くまもと県民テレビ(KKT) | ||
宮崎県 | テレビ宮崎(UMK) |
日本テレビ系列・フジテレビ系列・テレビ朝日系列のトリプルネット局 | |
鹿児島県 | 鹿児島読売テレビ(KYT) | 日本テレビ系列 | |
沖縄県 | 琉球放送(RBC) | TBS系列 | 『土曜スペシャル』として 土曜日の昼に不定期 |
放送対象地域 | 放送局 | 系列 | ネットできない理由 |
---|---|---|---|
大分県 | テレビ大分(TOS) | 日本テレビ系列とフジテレビ系列のクロスネット局 | 同時間帯はフジテレビ系列「金曜プレステージ」を放送するため (同時間帯は「金曜プレステージ」をネット) 但しジブリ作品、人気作品などの時差放送を土曜日に放送する事がある。 |
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 金曜ロードショー・日本テレビ公式サイト
- 金曜ロードショー・懐かしのオープニング - このページで、金曜ロードショーの初代OPである「夕日と海とヨットハーバーの2代目」が紹介されている。
[編集] 前後番組の変遷
日本テレビ系 水曜日21:00~22:54枠 | ||
---|---|---|
前番組 | 水曜ロードショー | 次番組 |
21:00~21:30:特ダネ登場!?(~1974.3) 21:30~22:00:巨泉のチャレンジクイズ (よみうりテレビ制作、火曜日へ移動) 22:00~22:26:田宮二郎ショー プラザ47 22:26~22:30:ニューススポット 22:30~22:55:サラブレッドのふるさと (以上の3番組は~1972.3) |
21:00~21:54:ハーフポテトな俺たち 22:00~22:54:妻たちの課外授業 |
|
日本テレビ系 金曜日21:00~22:54枠 | ||
21:00~21:54:家族ジャングル 22:00~22:54:プロ野球BOXシート |
金曜ロードショー | ----- |
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