女クラのおきて
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『女クラのおきて』(じょくらのおきて)は、師走冬子の4コマ漫画作品。芳文社の雑誌『まんがタイムラブリー』(月刊)で2000年3月号から2006年8月号まで連載された。
目次 |
[編集] 作品概要
大福高校2年A組は、女クラ(共学校で、女子生徒しかいないクラス)である。新任の教師である香鳥螢助は、このクラスの担任になることになった。しかし、このクラスには、非常に個性的な生徒ばかりが揃っており、それによって引き起こされる様々な問題が、螢助を待ち構えていた…。“女クラ”という語から一般に抱かれるイメージとは正反対のクラスでの、(螢助以外にとっては)楽しい日常が描かれる。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] 主な登場人物
- 香鳥螢助(かとり けいすけ)
- 大福高校2年A組担任。新任。国語科担当。
- 新任早々、女クラの担任になってしまい、非常に個性的な生徒達と校長に、日々翻弄されている。第1話で早くも耐え兼ね、辞表を提出しようとしたが、受理されないまま現在に至っている。
- 家出して1人暮らししていたため、螢とはずっと会っていなかった。
- 連載途中から、呪い部の顧問となる。
- 詩を自作していたり、小動物の写真集を持っていたりなどの趣味もある。
- 桃栗小巻(ももくり こまき)
- 大福高校2年A組の女子生徒。活発で元気な性格。
- 家が貧乏なため、制服は紙製のものを着てくることも。自慢の体力を生かして、修理屋や郵便配達、道路工事などをはじめ、クリオネを泳いで取ってくる仕事や、マグロ漁の漁船の乗組員、何か得体の知れない仕事など、様々なアルバイトをしているほか、校内でも便利屋的な活動をしている。弓道部に所属しており、狩りで食糧を得ることも。飛んでいる雀も箸でつまめる。学校で花見が行われた際には自ら出店(でみせ)を出した。
- 一方、テストでは20点以上取ったことが無かったが、美紅が懸賞金を掛けて勉強させたところ合格点を取れた。金が絡むことに関して特に強いといえる。
- 女性によくモテる。数多くのファンにより「桃栗ファンクラブ」が結成されている。
- 桜小路美紅(さくらこうじ みく)
- 大福高校2年A組の女子生徒。おっとりした性格。
- 桜小路財閥の娘で、非常に裕福。1億円の小切手を無くしても「はした金」と表現したり、草津温泉の湯をニースの別荘まで引いたりと、その財産の規模は常人の想像が及ばない。家庭教師を多数雇っており、スワヒリ語やアラビア語も話せる。いわゆる“重役出勤”のため、遅刻常習犯。
- 金銭感覚と美的感覚が欠如している。藤葉より佐鉄のほうが100億倍素敵らしい。
- 香鳥螢(かとり ほたる)
- 大福高校2年A組の女子生徒。香鳥螢助の実妹。
- 科学部と生物部を掛け持ち、その両方で部長を務めている。趣味は遺伝子操作で、食肉植物を作ったり、ハブの命を助けるために猫に変化させたり、ツチノコを作って学校の裏山に放したりしている。山の動物のボス的立場にあるらしい。成績は学年トップ。
- 兄である螢助とは、さほど仲が良いわけではない(ように振舞っている)が、螢助が右腕を骨折した際に、弁当をピンセットで食べさせてあげるなど、兄思いのところもある…というより、事実上のブラコンである。幼い頃の誕生日に螢助から贈られた財布は、現在もなお使い続けている。
- 校長先生
- 大福高校の校長(名前不明)。白髪の独身女性。本作品は、毎回必ず校長と螢助との会話から話が始まっている。
- マイペースな性格だが、螢助の給与を払うのをやめようとしたり、螢助のロッカーに自分の銅像を仕込んで怪我をさせたり、螢助を罠に嵌めて自分と結婚させようとしたりなど、螢助をひどい目に遭わせ続けている。
- マングースに万作と名付けて買っている。
- 剣持藤葉(けんもち ふじは)
- 美紅の婚約者。高校2年。美男子。美紅と同様に非常に裕福。
- 婚約は美紅の父親が決めてしまったため、美紅本人は同意していない。藤葉は美紅に3年間会えなかったため、家出して大福高校に転入した。佐鉄とともに螢助の家に居候することになる。
- 金銭感覚と美的感覚が欠如している。家庭科部の部長を務めているが、自分で作った奇妙な人形を10億円で売れると判断したり、など。美紅のことが好きなのは、骨格が可愛いから。
- 高価なものを食べると腹を壊してしまう。
- 佐鉄(さてつ)
- 藤葉の付き人。高校2年(と思われる)。頭髪は3本しかなく、本作品で最も簡略化された姿で描かれている。藤葉と一緒に大福高校に転入し、螢助の家に居候することになる。
- まるで落書きのような外観に反し、美月を振ったりなど女性にはモテるらしい。
- 美月(みつき)先生
- 大福高校の女性保健医。野球部顧問。
- 本作品の女性登場人物では最も普通の性格と思われるが、治療は非常に下手で、料理もまた同様。バレンタインデーには、他の教師には市販のチョコレートを配ったが、螢助にだけ(善意で)手作りチョコレートを渡した。
- 保健室は火曜が定休日となっている(後に水曜日に変更)。
- 春野(はるの)先生
- 大福高校の女性教師。家庭科担当、家庭科部顧問。
- 美形と金持ち以外は人間ではないと考えている。バレンタインデーにはチョコレートを有料(3万円)で螢助や他の教師に買わせた。和服は喪服しか持っておらず、初詣にも喪服で行こうとした。
- いわゆる“裏の世界”(政治界など)にも繋がりがあるかのように描かれているが、真相ははっきりしていない。
- 篠原千夏(しのはら ちなつ)
- 大福高校2年B組(女クラの隣のクラス)の女子生徒。クラス委員長を務めている。
- 桃栗をライバル視し、球技大会で怪しい弁当を差し入れしようとしたり、肝試しで不意打ちを喰らわせたり、マラソン大会では脚を引っ掛けて転ばせようとしたりしているが、殆どうまくいかない上、桃栗には名前さえ記憶されていない。桃栗とは幼稚園から高校までずっと同じ学校に通っているが、桃栗はそのことさえ気付いていなかった。
- ベラっちの登場以降、隣のクラスであるにもかかわらず常に懐かれている。
- 皿屋敷菊乃(さらやしき きくの)
- 大福高校2年生(クラス不明)の女子生徒。
- 呪い部の部長。千夏からの桃栗への呪いの依頼を請け負ったが、桃栗の純真さに触れて改心し、呪い部を廃部として「恋の呪文部」にした。(後に、いつの間にか「呪い部」に戻っている。)
- 峰川(みねかわ)先生
- 大福高校の男性司書教諭。手芸部顧問。
- 熊の縫いぐるみである真奈美(まなみ)を常に携えており、真奈美のことを何よりも大切にしている。真奈美の着替えタイムは1日6回。山に行けば、真奈美が本物の熊と間違えられないか心配で抱きしめたりなど、想いの深さを窺わせる描写も多い。本人によれば、真奈美に命を助けられたこともあるという。司書教諭になったのも真奈美に強く勧められたため。(勿論、真奈美は縫いぐるみであるため、作中では真奈美が何らかの意思表示(発言など)をする姿は全く描かれていない。)
- ベラドンナ・クリストファー
- 大福高校2年A組に転入してきた留学生。金髪の白人だが、アフリカ生まれのアフリカ育ち(両親はアメリカ人)。
- 日本語は(多少変な言葉遣いながらも)普通に喋ることができる。転入時の自己紹介で、自らを「ベラっち」と略して呼ぶように促した。後に、クラス委員長にも就任する。
- ナンパされそうになったところを千夏に助けられて以来、千夏を「はらちー」と呼んで懐いている。
[編集] 書誌情報
- 単行本 - 芳文社より「まんがタイムコミックス」として刊行されている。なお、各巻のカバー裏(カバーを外した状態の表紙・裏表紙)では、本作品の登場人物全員の性別を逆転させた『男クラのおきて』と題する短編作品が描き下ろされている。
- 第1巻(2004年1月22日発行) ISBN 4-8322-6319-6
- 第2巻(2004年10月19日発行) ISBN 4-8322-6358-7
- 第3巻(2005年4月19日発行) ISBN 4-8322-6387-0
- 第4巻(2006年11月7日発行) ISBN 4-8322-6502-4
[編集] その他
- 単行本第1巻巻末には、青磁ビブロス社(後のビブロス)の雑誌「Do! ぴーかん」に連載された、著者の『大高 女クラ物語』がすべて掲載されている。「Do! ぴーかん」は1999年10月・11月に各1回発売されたのみで廃刊となったため、『大高 女クラ物語』も必然的に2回のみで終了した。その後、著者がこの作品の設定を再構成して始めたのが、本作品『女クラのおきて』である。
本記事は、単行本第3巻までの内容のみを典拠として作成されています。本記事を引用したり、最新の状況に修正や加筆をされる場合は、この点にご注意ください。