安田浩
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安田浩(やすだ ひろし)は、日本の情報工学者。東京都出身。東京大学国際・産学共同研究センター教授。工学博士。画像処理、画像符号化などの分野に携わり、JPEG、MPEG規格標準化での功績により1996年エミー賞を受賞。
知的財産権保護技術などの研究を経て、人間の五感にマッチングした映像制作・配信のための感性工学を研究。次いでインターネットセキュリティ技術にも活動を広げ、ユビキタス社会におけるセキュリティの一つの枠組みとして、本人認証を基盤としたSecurePrivateCosm(SPC)を唱えている。
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[編集] 経歴
- 1972年 東京大学大学院工学系研究科電子工学専攻博士課程修了
- 同年 日本電信電話公社入社、武蔵野中研にて画像情報通信技術の研究開発を行う
- 1978年 米国カリフォルニア州パサデナ市ジェット推進研究所客員研究員
- 1987年 NTTヒューマンインターフェース研究所画像メディア研究部長
- 1991年 ISO/IEC JTC 1/SC 29(AV&マルチメディア符号化)議長(1998年まで)
- 1992年 NTT企業通信システム本部開発部長
- 1995年 NTT理事、情報通信研究所所長
- 1997年 東京大学教授(先端科学技術研究センター)
- 2003年 東京大学国際・産学共同研究センター長(2005年3月任期終了)
- 2007年 3月をもって定年退官。2月20日に最終講義が行われた。
[編集] 受賞等
- 昭和50年度米澤記念学術奨励賞(電子情報通信学会)
- 昭和61年度高柳記念奨励賞(高柳記念財団)
- 平成8年度丹羽高柳賞業績賞(テレビジョン学会)
- 1995-1996年米国テレビジョンアカデミーエミー賞技術開発部門
- IEEE the 2000 IEEE Charles Proteus Steinmetz Award
- 平成14年度情報通信月間総務大臣表彰
- 映像情報メディア学会平成16年度丹羽高柳賞功労賞(映像フレーム間符号化方式の先導的研究、ISO担当グループ議長としてMPEG標準規格のとりまとめに対して)
[編集] 委員等
- 特許庁産業構造審議会知的財産政策部会委員
- 総務省情報通信審議会専門委員
- 総務省住民基本台帳ネットワークシステム調査委員会座長
- 文化庁文化遺産情報推進戦略会議委員
- 安心・安全インターネット推進協議会会長
- 情報処理推進機構応用ソフトウェア審議委員会委員長
- 情報処理推進機構技術委員会委員
- Digital Media Projectボードメンバー
- コンテンツIDフォーラム会長
- (元) DAVIC(画像サービス関連業界標準化国際組織)プレジデント
[編集] 著書
- 『マルチメディア符号化の国際標準』丸善 1991年
- 『画像符号化技術−DCTとその国際標準』オーム社 1992年
- 『MPEG/マルチメディア符号化の国際標準』丸善 1994年
- 『ディジタル画像圧縮の基礎』日経BP社 1996年
- 『標準インターネット教科書』アスキー出版 1996年
- 『新世紀ディジタル講義』新潮社 2000年
- 『ブロードバンド+モバイル標準MPEG教科書』アスキー出版 2003年
- 『コンテンツ流通教科書』アスキー出版 2003年
[編集] 関連項目
- MPEG(Moving Picture Experts Group)
- JPEG(Joint Photographic Experts Group)