実教出版
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
実教出版株式会社(じっきょうしゅっぱんかぶしきがいしゃ、英名JIKKYO SHUPPAN CO., LTD)は、高等学校の教科書を中心に出版している出版社である。特に、工業、商業、農業などの実業高校の分野に強い。数学、理科、社会などの分野も出版しているが、理解しやすい平易な内容の教科書の編修を得意としている。近年、IT社会の到来を受けて、普通科高校で新教科「情報」がスタートしたが、実業高校ですでに「情報」分野の教科書・教材を出版していた実績から、同分野で強みをみせている。
その他、不動産事業として市ヶ谷女子学生ハイツ、eラーニング事業としてじっきょうWeb通信教育スクールを運営している。
目次 |
[編集] 本社
[編集] 沿革
- 1941年 「實業教科書株式會社」として設立
- 実業科目(農業・工業・商業・水産)の教科書を独占発行
- 1948年 教科書「新しい憲法のはなし」を発行し、教科書史上最高部数である350万冊を記録。
- 教科書の検定制度発足に伴い、高校用教科書全科目の発行開始。
- 1949年 専門図書の発行開始。
- 1950年 社名を「実教出版株式会社」に改称
- 1971年 理工学関係図書の発行開始
- 1974年 経済・経営関係図書の発行開始
[編集] その他
- 2006年のセンター試験直後、実教出版の『政治・経済』の教科書で、経済統計のグラフの国名の米国と英国を逆にする誤りがあったことが指摘され、出版社がお詫び・訂正を行い、また教科書検定を行った文部科学省も、誤りを見逃したことを謝罪するに至った。センター試験に出題されたグラフとほぼ同一のものが教科書に記載されていることに気づいた受験生が、誤りを指摘して、ミスが発覚したものである(参考1、参考2)。
[編集] 問題点を指摘された教科書記述
2007年度の教科書において、問題の指摘された記述を産経新聞に批判されている。
- 日本史Bにおいて、即位の礼や大嘗祭を「天皇代替わり儀式」と表記している。
- 日本政府は慰安婦問題において、「政府が発見した資料の中には、軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示す記述は見当たらなかった」とする答弁書を閣議決定しているが、「日本軍兵士の性の相手として連行された」として「軍の強制」を示す書き方を行っている。さらに、裁判の過程が問題視されている「女性国際戦犯法廷」を取り上げている。
- 朝鮮戦争での北朝鮮の韓国侵攻を侵略ではなく「急進撃」と記述している。