岩田中学校・高等学校
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岩田中学校・高等学校 | |
過去の名称 | 岩田実科高等女学校 大分裁縫伝習所など |
国公私立の別 | 私立学校 |
設置者 | 岩田学園 |
設立年月日 | 1948年5月1日 |
創立者 | 岩田英子 |
共学・別学 | 男女共学 |
中高一貫教育 | 併設型 |
課程 | 全日制課程 |
単位制・学年制 | 単位制 |
所在地 | 〒870-0936 |
大分県大分市岩田町1丁目1番1号 | |
電話番号 | 097-558-3007 |
FAX番号 | 097-556-8937 |
外部リンク | 公式サイト |
岩田中学校・高等学校(いわたちゅうがっこう・こうとうがっこう)は大分県にある私立の中高一貫校。中学校と高等学校を総称して、岩田学園とも呼ばれる。
大分県下では、上野丘高等学校についで二番目の歴史の長さを誇る。医大を目指す生徒が多く集まり、それに向けた教育が特徴的で、週刊朝日などの高校のランキングでは常に上位にランクインしている。大分県下では常にトップである。
2006年に当時の高校二年生に対して、「情報」を履修させず、「情報」という時限に他の教科を履修させていたことが判明した。それをうけ、学校側は謝罪し、補修や長期休暇を利用して履修させていくという旨のコメントをした。
目次 |
[編集] 概要
多くの私立の学校がそうであるように、校風は自由である、といっていいだろう。しかし、平成13年に男女共学になってからは、かつてほどの自由は無くなった、というのが生徒の意見であるようだ。学校行事に関しては、一年に一度だけ、二学期に行われる「学園祭」に特に力を入れる傾向があり、この「学園祭」に関しては、生徒・教師の壁無く、一致団結して成功に導く姿勢である。また部活動はまだまだといったところだが、生徒個人の活動では、フェンシング、陸上、囲碁など広くの分野で活躍している生徒がいる。
学園の敷地内は樹林が数多く植えられており、四季折々、さまざまな景色を楽しませてくれる。
[編集] 服装・所持品など
男子の学生服は典型的な、いわゆる「学ラン」。女子はELLEの黒を基調としたブレザーとスカートに夏のみベストを着用する。それに4色から自由に選べるシャツを下に着るのが基本的な服装。
服装に関しては厳しい規制は無いが、短い丈のスカートや太いズボンに関しては教師たちが各自注意するといったような対策が取られている。 携帯電話は申し込みをした上で持ち込みが可能、となっている。敷地内での使用は禁止で、見つかった場合は一回目は一週間の没収で、二回目以降は保護者呼び出しの上で解約となる。また。申し込みをしていない生徒は一回目であっても解約となる。
[編集] 沿革
[編集] 経緯
岩田中学校・高等学校は明治33年7月に大分裁縫伝習所として設立された。その後、明治44年4月岩田実科高等女学校の認可をうけ、高等女学校、専修科、研究科を併設。昭和14年4月岩田高等女学校に改称。第二次世界大戦中の大分空襲により校舎が全焼、それをうけ現在地に移転。第二次世界大戦後、昭和23年5月新学令により岩田高等学校、岩田中学校に改める。昭和26年3月学校法人岩田学園に組織変更の認可をうける。その後、文化専門学校などを設立するが、すぐに閉鎖する。昭和58年4月中高一貫6年制男子校として 岩田中学校・高等学校開校。平成13年4月男子校から男女共学校に移行した。
[編集] 年表
- 1900年7月 - 大分裁縫伝習所として設立される
- 1911年4月 - 岩田実科高等女学校の認可を受ける
- 1939年4月 - 岩田高等女学校に改称
- 1945年7月 - 空襲により校舎全焼
- 1946年4月 - 現在地に移行する
- 1983年4月 - 男子校の中高一貫校として、岩田中学校・高等学校として開校
- 2001年4月 - 男女共学へ
[編集] 教育方針
平成18年度より校長が変わり、「岩田ニューディールプラン」という教育方針が決定した。「自主性を持つ能動的な生徒」の教育を目標としている。が、このプランにより「未履修」問題が引き起こされたことは紛れも無い事実である。
[編集] 進学状況
おもに、目立つ傾向としては各大学の医学部への合格実績が他の高校を圧倒している点が挙げられる。また、早稲田大等多くの名門私立校の推薦枠を獲得している点も特徴に挙げられる。
[編集] 学校行事
- 4月
- 入学式
- 芸術鑑賞会
- 岩田学園の近くにある大分県立大分芸術会館にて、毎年一回おこなわれ、毎回趣旨のことなる「芸術」を鑑賞するのが目的であるが、「芸術」の捉え方は幅広く、最近では「演劇」・「音楽」といったもののほかに、「落語」なども行われた。
- 歓迎遠足
- 新中学1年生を歓迎するための遠足で2006年度より始まった。
- 5月
- 創立記念日(5月1日)
- 7月
- 夏季クラスマッチ(球技大会)
- 夏季訓練
- 夏季訓練は一学期終業式の翌日から始まる精神や身体の強化のための合宿である。各学年で行き先は異なる。なお、中学生3年生は修学旅行が別日程であるため、夏季訓練は無い。高校二年生は夏季訓練が存在しない。高校三年生は受験に向けての勉強合宿が強化合宿のかわりに存在する。
- 9月
- 学園祭
- 九月の下旬に6日間行われる校内最大の行事である。特筆すべき項目なので、後述。
- 1月
- 前期入試
- 2月
- 後期入試
- 3月
- 春季クラスマッチ
- 卒業式
[編集] 生徒会活動・部活動など
[編集] 生徒会
生徒会は執行部を中心に、文化・美化・体育・広報・図書がある。2007年度の生徒会より、県の障害者によるボランティアの団体に収集した空き缶を届けてボランティアに貢献する「空き缶収集委員会」が新設された。 しかし生徒会は二学期に開催される学園祭の準備に忙殺され、学園内の自治は後回しにされることが多い。
[編集] 部活動
各種部活動はあるが、どれもそれほどの実績を勝ち得ていないのが実情。しかしながら、前述のとおり、部活動から外れる、「囲碁」、「フェンシング」、「陸上」ではいずれもすばらしい成績を残している生徒がおり、「囲碁」では県内最年少の本因坊を産んだ。また、「フェンシング」ではジュニアオリンピックの日本代表を輩出している。
[編集] 学園祭
学園祭は、2学期の前半に行われる岩田学園の最大イベントである。全六日間にわたって行われる点から見ても、県下最大の文化祭・体育祭と言えるだろう。各日程についてを述べる。
- 第一日目 オープニングセレモニー
第一日目には、学園祭の開会式といってもよい、「オープニングセレモニー」が行われる。毎年、執行部が10分ほどの小芝居とともに、学園祭のテーマを発表する、というのが通例。その後に、「のどぢまん」という生徒や教師による歌唱の大会が開かれ、これについても毎年趣向を凝らした衣装や振り付けで参加する人が多い。さらにその後、中学一年生全員と希望者を対象とした「茶席」が開催される。
- 第二日目 体育祭予行
第二日目は、第三日に行われる体育祭の予行が行われる。
- 第三日目 体育祭
第三日目に「体育祭」が行われる。なんといっても見逃せないのが応援団による応援合戦。南北両軍、2ヶ月ほどの練習をつみ、中3から高2までの体格のよい男子生徒が学ランをきて演舞を行う。岩田学園の応援団の演舞は県下の演舞の手本となっており、頻繁に他校から模擬される。
岩田学園の体育祭の名物競技は校内三周と棒倒し。校内三周は学園内の決められたコースを三周走るという非常に過酷な競技であるが、マラソンを趣味とするような一般参加者もよく参加する。小学生などが参加する微笑ましい光景もよく見受けられる。一転、棒倒しは毎回、けが人続出の危険な競技。高1,2年が参加し、南北両軍が互いの陣地にある巨大な丸太の頂上にある旗を奪い合う競技である。その戦を模したような光景に毎年、圧巻される観客が多い。
- 第四日目 イベントステージ
第四日目には体育館と中庭に設置された「イベントステージ」でイベントが行われる。午前中は体育館のイベントステージにおける「のどぢまん」と「岩田Live」が催される。岩田Liveは文字どおりの「ライブ」で白熱した演奏が毎年おこなわれる。「のどぢまん」も初日と変わらぬほどの盛り上がりを見せる。
午後は中庭のイベントステージにて毎年、バラエティーにあふれた企画が催され、「クイズ」や「体力自慢」といったような企画が行われる。また、午後はイベントステージの前の通路に模擬店が開店され、イベントを楽しむ生徒のおなかを満たす。毎年、ポテトやポップコーン、アイスクリーム、カキ氷、ジュースなどが販売されている。
- 第五日目 学園発表 & 文化祭 一日目
第五日目には「学園発表」と二日間にわたって行われる文化祭の第一日目のパートが行われる。学園発表というのは、クラスごとのコント大会というとわかりやすい。厳しい予選を勝ち残ったクラスが体育館のイベントステージでコントを繰り広げる。毎年、トリは五年が務め、質の高いお笑いを披露してくれる。
その後、場所を大分県立大分芸術会館に変えて文化祭が始まる。毎年、時間配分が変わるのだが、文化祭一日目にはまず予選を勝ち残ったクラスによる「文芸発表」が行われる。学園発表と異なるのは「笑い」ではなく「文化」や「芸術」を追い求めている点。毎年、ダンスや演劇、そして研究発表が行われる。また、文芸発表には部活発表や個人発表も含まれ、毎年ギター部やESS部、歴史研究部が演奏や演劇、研究発表を披露する。また、文化祭の名物企画「岩田生の主張」も初日、もしくは二日目に行われる。企画の趣旨としてはほぼ弁論大会と言っていい。自分の日頃思うことや日常の疑問を全校生徒の前で発表する。中学生から高校生まで参加するが、中学生の発表する意外に高レベルな発表に高校生が負けることもしばしばある。
- 最終日 文化祭 二日目 & 閉会式
第六日目には「文化祭」の第二日目のパートが行われる。大体の場合は、初日に発表しなかった残りの文芸発表が行われる。そしてその後には、学園祭執行学年である高校二年生による文化祭、延いては学園祭の大トリとも言える「演劇」が行われる(分類としては5年の文芸発表)。この演劇は1時間30分にわたって発表されるかなり本格的なものと言える。 練習は約3ヶ月にわたり、照明や音響などの裏方までも生徒の手によって行われる。そのため、毎年「演劇」を志望する高2は多い。しかし、出演者を決定するためのオーディションにおいて監督と交友が深い人物が優先的に合格するという事もあり、問題点は多い。 そして、演劇が終わると閉会式がおこなわれる。まず、各発表の表彰が行われ、その後、校長、理事長によるコメントがある。それに続き、学園祭の実行委員長である生徒会長によるコメントが行われる。 以上で学園祭の全日程が終了する。
[編集] 交通
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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