常時点灯
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常時点灯(じょうじてんとう)とは、他車からの視認性向上を目的にオートバイおよび自動車のライトを昼間でも点灯させておくことである。日本で市販されているオートバイは2006年現在、エンジンを掛けた時点でライトが自動点灯するため、常時点灯は常識化しているが、これはわずか10年程度の間に普及したに過ぎない。
[編集] オートバイ
日本では1980年代後半より、一部のオートバイメーカーが欧米の一部で行われている事故防止のためのライト常時点灯を紹介、ライダーの一部が率先して行い始めた。しかし当時は「眩しい」「紛らわしい」という否定的な意見も多く、わざわざ警官に停車を求められたという事例もオートバイ雑誌に掲載されるなど理解が得られなかった様子がうかがえる。
1993年よりメーカーの自主規制により、一部新車のライトスイッチが廃されたことにより本格的な普及が始まり、1998年には国産・輸入車問わず新車時点で常時点灯させることが保安基準(道路運送車両の保安基準の細目を定める告示(第143条6項12))として制定される(この年より道路運送車両法が改正されたことに拠るもの)。この年日本自動車工業会ではポスターやCMにより「バイクは昼間もライトオン」のキャッチフレーズの下、キャンペーンを展開し認知度が高まった。なお、同会のポスターによれば、当時の常時点灯率は6割であったという。
しかしオートバイでの常時点灯はバッテリーへの負荷が少なくないため、常時点灯に抵抗するライダーも一部には存在し、彼らの中には逆輸入車に付けられているライトスイッチをわざわざ取り付ける者もいる。ただしこのライトスイッチを装着した車両は、保安基準より車検を通すことが出来ないので注意が必要である。なお過去に販売された時点で当初からライトスイッチが装着されている車両については道路運送車両法の適用外である。
[編集] 自動車
オートバイにより常時点灯の安全性が確認されたため、現在では自動車でも自主的に常時点灯を行なおうという趣旨の運動も起こっている。既に一部の国では法制化されているが、日本では「眩しい」という理由だけでなく、既に常時点灯となっているオートバイのライダーから「自動車も点灯させるとオートバイが目立たなくなり危険になる」という声が上がっていることから、法制化までには至ってない。
自動車については車体の大きさから、オートバイのように前照灯を点灯するのではなく、別体式の照明(一般的に「デイマーカーライト」と呼ばれる)を後付けで装着する事業用車両などが増えてきているが、これは「その他の灯火器」にあたる保安基準さえ満たしていれば問題ない。ただしこれを車体の中央に設置している車両もあるが、車体への被視認性を良くするためには、できるだけ車体の外側位置に設置したほうが良い。
[編集] 関連項目
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