昼間点灯
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昼間点灯(ちゅうかんてんとう)とは、文字の通り昼間の明るい内から前照灯を点灯させていることで、英語ではDaytime Running Lamps(略してDRL。Daylight Running LampsやDaytime Running Lightsと表記することもある)と呼ばれている。デイライト、デーライトともいう。主に事業用自動車や鉄道に見られる。
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[編集] 歴史
鉄道では、1989年3月11日にJR西日本で列車の視認性と安全性、また運転保安度の向上などを目的に本格実施を開始したのを皮切りに、JR全社と大半の私鉄(大手私鉄では1990年の名古屋鉄道が最初)において実施されている。
1995年に長崎県の佐川急便が、事故防止の為に昼間に配達用トラックの点灯を始めたのが自動車では最も早い例。現在は全国各地で、昼間点灯の自動車を見かけるようになった。
デイライトと名付けたのは、福岡県の物流会社ランテックである。協力車両へのステッカーの配布やマスコミへの取材協力を行うなど、普及に尽力した。
[編集] 目的
自動車においては、昼間という通常は点灯を必要としない時間帯に前照灯を点灯することにより、自らが運転する車を目立たせることで早期に対向車や歩行者など周辺の人々に己の存在を気付かせることと、周囲よりも目立っていることを運転者が意識する心理を利用することで、事故の発生を抑えようという目的がある。この運動には自治体や自動車学校、トラックやバスを用いる大手企業などが中心に参加している。
[編集] 問題点とそれに伴う改善点
- ヘッドライトを常時点灯したままにするとバッテリーを消費する。
- 昼間は明るいために、運転を終えた後ヘッドライトを消灯し忘れてしまい、バッテリーがあがってしまう恐れがある。
- ライトへの電力はエンジンから供給されるため、燃費が悪くなる。また、夜間など通常の使用に比べ早い期間でバルブが寿命を迎えるため、不経済である。
- 昼間にハイマウントストップランプのない車種では後部のブレーキランプの視認性が落ちる。
- 車内のメーター類のライトが点灯して見づらい場合がある。
- 常時点灯が義務化されてるオートバイが目立たなくなるとの指摘がある(この他にも自動車に常時点灯を行う運送事業者も存在する)。但し、夜間は全車両が点灯することを考慮すると、この意見が不適切とする物もある。
しかし、最近では省電力のLEDの昼間点灯用ライトが発売されてこれらの問題点は改善されつつある。この昼間点灯用ライトは「その他の灯火」になり青色でも違反にならない。ただし、前方に赤色は違反になる。
[編集] 関連項目
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