弥富金魚
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弥富金魚(やとみきんぎょ)とは、愛知県弥富市を中心に養殖されている金魚のブランド名。
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[編集] 概況
- 日本国内の金魚の産地としては、奈良県大和郡山市等と並び、日本有数の規模を誇る。弥富金魚としての産地は、弥富市(旧海部郡弥富町、十四山村)を中心に、津島市、愛西市(旧海部郡佐織町)、海部郡飛島村に広がる。現在の組合員は約160名。金魚の競り市は市内3ヶ所にある。
- 弥富市周辺は木曽川下流に位置し、良質な水が豊富であることと、土が粘土質で金魚の発色が良くなること、名古屋市に近く交通の便が良いことから、この地域で金魚養殖が盛んになった。
- 生産する金魚の種類は25種。これは現在日本国内で生産されている金魚の全種類という。養殖池の面積は約100ha、生産数は約50,000,000匹を誇る。生産数は大和郡山市を下回るが、種類、養殖池面積、売り上げは日本一という。
- 1975年頃が最盛期であったが、海外からの輸入の増加やペットの多様化により減少傾向である。
[編集] 歴史
- 江戸時代の文久年間(1861年~1864年)、大和国郡山(現奈良県大和郡山市)の金魚商人が東海道熱田宿へ向かう途中、前ヶ須(現弥富市)に宿泊する。この際、金魚を休ませる為に池を作り金魚を放つ。この金魚を見た権十郎という人物がこの金魚を気に入り、購入し育てのが始まりという。
- 1868年(明治元年)、佐藤宗三郎が金魚の採卵、孵化に成功。本格的な養殖を開始する。これをきっかけに農家の副業として広まる。
- 1994年(平成6年)7月9日~23日、向井千秋宇宙飛行士がスペースシャトルコロンビア号で行なった実験の一つとして、弥富金魚を用いた宇宙酔いの実験を行なう(この金魚は通称、宇宙金魚という)。
- 1997年(平成8年)、旧弥富町で改良していた江戸錦とランチュウの交配種が「桜錦」として新種登録される。
- 2005年(平成17年)愛・地球博にて、宇宙金魚の子孫が配布される。
[編集] その他
- 宇宙金魚としてスペースシャトルコロンビア号で宇宙酔いの実験を行なったのは、フナ尾の紅白和金、6匹である。これは人工授精で生まれたフナ尾の和金と三ツ尾のササラ和金、約20万匹から5,000匹を選別。さらにその中から厳選した6匹である。又、紅白和金とし、模様が日の丸に見える金魚をこだわったという。