戦国魔神ゴーショーグン
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『戦国魔神ゴーショーグン』(せんごくまじんゴーショーグン)は、葦プロダクションが製作し、1981年(昭和56年)7月3日から同年12月28日までテレビ東京系で毎週金曜日17:00 - 17:30(3話まで、6~13話)、毎週土曜日9:30 - 10:00(4~5話)、毎週月曜日18:00 - 18:30(14話から)に全26話が放送されたロボットアニメ。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] ストーリー
2001年、国際社会に巧妙に根を下ろし、全世界を掌握せんとする悪の秘密結社ドクーガに、謎の男サバラスに率いられたグッドサンダー部隊が挑む。その面々が乗り込む「グッドサンダー」は謎のエネルギー「ビムラー」が動力源。最大1万kmの距離を瞬間移動する。だがドクーガも「ビムラー」を狙っていた。
[編集] キャラクター
ロボットアニメだが、メカアクションそのもの以上に軽妙洒脱なキャラクターたちに人気が集まった。特に、何事も自分自身の美学に行動原理を置き「美しい」「醜い」が口癖のブンドル、乱暴者でやたらと蹴る・殴るが愛妻家のケルナグール、すぐにカッとなるなど情緒不安定で精神安定剤が欠かせないカットナルのドクーガ三幹部のインパクトは絶大だった。また、最終決戦の後は主役よりも三幹部の方が出世してしまうなど、完全に主役達を食ってしまった感がある。
[編集] グッドサンダー
- 北条真吾(声優:鈴置洋孝)
- 戦闘機キングアローとゴーショーグンのメインパイロットを務めるチームリーダー。真面目だが、すぐに熱くなる熱血漢でもある。かつて、ドクーガ配下の組織が起こした爆弾テロで婚約者を失っており、ドクーガに復讐を誓っている。風呂場で浪花節を歌うのが趣味だが、かなりの音痴。戦いが終わった後は、周囲の期待がプレッシャ―となってアル中になってしまい、風呂場で転んで足を複雑骨折するなど散々な結末を迎えている。
- キリー・ギャグレー(声優:田中秀幸)
- 戦闘機ジャックナイトのパイロットで、真吾とはいい意味でのライバル。以前は「ブロンクスの狼」と呼ばれた札付きの悪漢で、刑務所から脱走してグッドサンダーに転がり込んだ。自叙伝を書き出すが筆はほとんど進まなかったようだ。戦いが終わった頃に完成させるがさっぱり売れず、ブロンクスの街中でホットドッグスタンドを経営する事で糊口を凌ぐ羽目になる。ちなみに、昔観た化け猫映画がトラウマで猫が苦手。名前設定の由来は『霧隠才蔵』から。
- レミー島田(声優:小山茉美)
- 戦闘機クイーンローズのパイロットで、チームの紅一点。戦闘機がトライスリーに合体した時はメインパイロットを務めた。名前の由来はお酒の「レミー・マルタン」から。グッドサンダーに来る前は腕利きの諜報員だったが、とある任務で失敗してしまい自殺を図ろうとした所をサバラスにスカウトされた。明るく気さくな性格だが男運は最悪で、ドクーガ三幹部のブンドルを筆頭に変な男にばかり言い寄られた。料理は得意ではなく、作るものはいつも黒コゲになってしまう。戦いが終わった後は野生動物保護官の仕事に就いた。ブンドルとは奇異な縁にあるがまだ明確な関係は確立されていない。
- 真田ケン太(声優:松岡洋子)
- 物語のキーキャラクター。全宇宙の意思=ソウルによって送られたビムラーの影響で機械と心を通わせる能力を身に着ける。最後は地球のソウルとして果てしない旅にゴーショーグンと共に旅立ってゆく。
- OVA(オバ)(声優:間嶋里美)
- ケン太の教育用ロボ。よくオバさんと“さん”付けでケン太にからかわれている。
- サバラス(声優:小林修)
- グッドサンダーチームのリーダー。寡黙で印象の薄い彼の人物像故にその出生の秘密はまさしく驚愕であった。
- 真田博士(声優:寺島幹夫)
- ケン太の父親。ビムラーを発見しグッドサンダーとゴーショーグンを密かに建造。ドクーガへの参加を強制されかかり自ら死を選ぶ。
- イザベル・クロンカイト(声優:松尾佳子)
- ジャーナリストであった父の意志を次ぎドクーガの存在を追うなかでグッドサンダーチームの存在に気づき、無理やりグッドサンダーチームを取材しようとする。戦いの終わったあとは、キリーとよい仲に。
- コンピューターファザー(声優:藤本譲)
- グッドサンダー内のメインコンピューター。かなり高性能でゴーショーグンを遠隔操縦できる。
[編集] ドクーガ
- レオナルド・メディチ・ブンドル情報局長(声優:塩沢兼人)
- ドクーガ三幹部の1人で主に情報収集を担当している。初登場した時は戦艦からヨハン・シュトラウス2世の『美しく青きドナウ』を大音量で流すなど、クラシック音楽を伴って現れる様は強烈な印象を与えた。独特の美意識を持っており、物事は常に美しくなければならないと考えている。ドクーガが崩壊した後に、自身の美意識に基づいた研究結果を著した本を出版し、一大センセーションを巻き起こす。その後は行方不明。最近のマイブームは東洋美学らしいのだが、自室に焼き鳥屋の堤燈や祭りの屋台を飾ったりそのセンスはかなり微妙な線にある。
- ヤッター・ラ・ケルナグール司令官(声優:郷里大輔)
- ドクーガ三幹部の1人で戦闘司令を勤めている。元プロボクシングの世界チャンピオンだが怒りっぽい性格で、八つ当たり用のロボット「ケルーナ」を傍に置いている。圧倒的な戦力を背景にした力押しの作戦を得意とするが、ゴーショーグンの偽者「ゴーナグール」をジッターに製作させるなど、彼なりにゴーショーグンの能力を研究していた。実は三幹部唯一の既婚者であり、絶世の美女を妻に持つ。また、単なる「悪の組織の幹部」ではなく、世界規模のチェーン店であるナグール・フライドチキン・チェーンのオーナーを勤め、こちらで莫大な収入を得ているなど意外な一面を見せた。ドクーガ崩壊後は今度は牛丼チェーンの展開も始めるなど商売に専念したようだ。
- スグーニ・カットナル将軍(声優:木原正二郎)
- ドクーガ三幹部の1人で現場での前線指揮官を担当している。父親はアメリア国の大統領だったが、カットナルが子供の時に彼の目の前で暗殺されてしまう。しかもこの暗殺テロの巻き添えで片目を失う。この事件がトラウマとなって情緒不安定な性格となり、精神安定剤が手放せなくなった。性格が似ているのと担当する部署が同じな為か、ケルナグールとは度々対立していたが、いざという時は息のあったコンビネーションを見せる。ドクーガが崩壊した後にアメリア国の大統領に就任した他、常用していた精神安定剤を「カットナライザー」という商品名で売り出して大ブレイクするなど、さえない結末を迎えた主役男性陣とは雲泥の差の結末となっている。
- ネオネロス皇帝(声優:藤本譲)
- 太古より地球を裏から支配してきたドクーガの黒幕。序盤は黒い影としての登場のみであったが終盤にその正体を現す。
- ジッター博士(声優:寺島幹夫)
- コンピューター・マザー(声優:間嶋里美)
[編集] スタッフ
[編集] 主題歌
- OP「ゴーショーグン発進せよ」
- 歌:藤井健、作詞:荒木とよひさ、作曲:あかのたちお
- ED「21Century~銀河を越えて~」
- 歌:藤井健、作詞:荒木とよひさ、作曲:あかのたちお
[編集] ゴーショーグン
真田博士が製作した全長52.5メートル、体重720.0トンの巨大ロボット。超シリコンカーバイド合金で作られており、動力は意思を持つエネルギー「ビムラー」。ビムラーの成長とともにパワーアップする。メインパイロットは北条真吾が務める。
キングアロー、ジャックナイト、クイーンローズの3機のマシンが機体の各部に収納され、ゴーショーグンのコクピットになる。なおこの3機は合体して、全長23.0m、体重135.0tの中型ロボ・トライスリーになる。
武装はコスモビームを始めとする各種内蔵型ビームの他、ゴースティック、スペースバズーカ等の武器をグッドサンダーから転送される事で使用する。ビムラーが第2段階に進化した時にゴーフラッシャーが、第3段階に進化した時に相手メカに戦闘を拒否させるという破天荒な攻撃、ゴーフラッシャー・スペシャルが使えるようになった。
[編集] グッドサンダー
真田博士が建造した巨大移動要塞。コンピューター・ファザーで完全管理されており、僅かな乗員でも運行出来るようになっている。動力源はビムラーで、空間跳躍を行う他、各種武器をゴーショーグンに転送する機能を持つ。
ただし空間跳躍は一度に5人の人間しか移動させる事が出来ず、また、一度跳躍を行うとエネルギーチャージに10日間もの時間がかかるなど、連続使用が出来ないのが欠点である。物語後半にビムラーが第3段階に進化した以降は、グッドサンダーの破壊が太陽系そのものの消滅に繋がりかねないとの判断から、ドクーガの攻撃目標から外された。
[編集] 放送リスト
- 1981.07.03(金) ゴーショーグン発進せよ
- 1981.07.10(金) 激闘トライスリー
- 1981.07.17(金) リトルファイターGO
- 1981.07.25(土) 危険ないたずら
- 1981.08.01(土) 地獄のファンタジーランド
- 1981.08.07(金) 光る眼の悪魔
- 1981.08.14(金) 隠し砦の仲間達
- 1981.08.21(金) ゴーショーグン帰還せず
- 1981.08.28(金) ダイヤモンドは燃えつきて
- 1981.09.04(金) 恐るべしビムラーの謎
- 1981.09.11(金) 花束を君に
- 1981.09.18(金) 別れのモンマルトル
- 1981.09.25(金) 暗黒街の激闘
- 1981.10.05(月) ひとりぼっちのOVA
- 1981.10.12(月) 熱砂の女王
- 1981.10.19(月) さらば青春の日々
- 1981.10.26(月) グッドサンダー危機一発
- 1981.11.02(月) ケン太ゴーショーグンに乗る
- 1981.11.09(月) 叩け! ロンドン秘密基地
- 1981.11.16(月) 宇宙中継これがドクーガだ
- 1981.11.23(月) 皇帝の陰謀
- 1981.11.30(月) 浮上、地底からの謎
- 1981.12.07(月) 暴走グッドサンダー
- 1981.12.14(月) 海の敵を叩け
- 1981.12.21(月) 決戦秒読み開始
- 1981.12.28(月) 果てしなき旅立ち
[編集] 次回予告
この作品では、次回予告に通常のナレーターでなく、登場人物がそのまま出演する。しかも時には複数人現れて、絶妙の掛け合いを見せるのだ。登場人物が次回予告に出演するのはこの作品が初めてではないが、以後そのスタイルの次回予告もチラホラ見受けられるようになったので、それはこの作品の影響の可能性もあるのかもしれない。
[編集] 劇場版
- 『戦国魔神ゴーショーグン (劇場版)』(1982年4月24日公開:第17話と第20話を中心に作製された番外編)
- 『戦国魔神ゴーショーグン 時の異邦人(エトランゼ)』(1985年4月27日公開)
[編集] 小説版
首藤剛志によるノベライズ版が、徳間書店よりアニメージュ文庫として出版された。
『戦国魔神ゴーショーグン』は、テレビシリーズのノベライズ。『戦国魔神ゴーショーグン 時の異邦人』は同名のOVAのノベライズ。それ以外は、後日談としてのオリジナルとなっている。
- 戦国魔神ゴーショーグン
- その後の戦国魔神ゴーショーグン
- またまた戦国魔神ゴーショーグン 狂気の檻
- 4度戦国魔神ゴーショーグン 覚醒する密林
- 戦国魔神ゴーショーグン 時の異邦人(エトランゼ)
- はるか海原の源へ
- 番外編 幕末豪将軍
- 番外編2 美しき黄昏のパバーヌ
[編集] 関連項目
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