捨て仮名
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五十音 | ||||||||||||
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ん | わ | ら | や | ま | は | な | た | さ | か | あ | ||
っ | ゐ | り | み | ひ | に | ち | し | き | い | |||
ヴ | る | ゆ | む | ふ | ぬ | つ | す | く | う | |||
ヶ | ゑ | れ | め | へ | ね | て | せ | け | え | |||
ー | を | ろ | よ | も | ほ | の | と | そ | こ | お |
捨て仮名(すてがな)は、日本語の表記において、「あ」に対する「ぁ」のように小字で表される仮名を指す印刷用語。「小書き文字」「小文字」などとも言う。主に拗音と促音(俗に長音)を表現する場合と、送りがな・添え仮名であることを明示する場合に用いられるが、現在では後者は一般的でなくなりつつある。
「捨て仮名」という語は、「小書きの仮名」が「ボディサイズを小さく取った仮名書体」という別のものを指し、「小文字」は欧文と混同しやすいことから、それらを回避するためもあって使用されている。
一般に、その前の文字の右下に連なるように書くため、縦書きでは右に寄り、さらに升目がある場合には上に寄せる。また横書きでは下に寄せ、升目がある場合には左に寄せる。専用の活字(コンピューターでは文字コード)が用いられるのは、「ぁ ぃ ぅ ぇ ぉ っ ゃ ゅ ょ ゎ ㇰ ㇱ ㇲ ㇳ ㇴ ㇵ ㇶ ㇷ ㇸ ㇹ ㇷ゚ ㇺ ㇻ ㇼ ㇽ ㇾ ㇿ」(片仮名を含む)である。
なお、印刷において、ふりがなには捨て仮名を使わないのが本来であるが、ワードプロセッサやコンピューター組版では捨て仮名を使うことが多くなっている。
[編集] 用途
- 単独でモーラを構成しないもの
- 「ぁ ぃ ぅ ぇ ぉ ゃ ゅ ょ ゎ」は、拗音またはそれに類するものの、第2字として用いられる。
- 単独でモーラを構成するもの
- アイヌ語の表記のみで使用されるもの
- 「ㇰ ㇱ ㇲ ㇳ ㇴ ㇵ ㇶ ㇷ ㇸ ㇹ ㇷ゚ ㇺ ㇻ ㇼ ㇽ ㇾ ㇿ」はアイヌ語を仮名で表記するときに用いられる。