斜面崩壊
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斜面崩壊(しゃめんほうかい)とは、集中豪雨などによって斜面が不安定になり崩壊に至ることである。
このうち、地下数m~10mで連続したすべり面を形成し、比較的ゆっくり崩壊が進行するものを地すべりという。
斜面の安定性は地下水の影響を受けるが、詳しいメカニズムについては現在も研究中である。(なおこの研究(再現実験)時に、川崎ローム斜面崩壊実験事故が発生し、15名が生き埋めとなって死亡している。)
[編集] 海底斜面崩壊
海底地盤の傾斜は陸上に比べて非常に緩く、斜面崩壊など起こらないように見える。しかし現実には、地震などの外力が働くと、海水を巻き込んで流動性が増すため、非常に大規模な崩壊を起こしている。
原因としては、地震のほかに、豪雨などで土砂の堆積が急速に進んだことによって圧密が遅れ、強度が低くなることなどがあげられる。
事例として、ニース空港埋立地(フランス)、カナダのフレーザー川河口沖、ニューファンドランド島(カナダ)沖のグランドバンク などで発見されている。
海底斜面崩壊が生じたときに最も問題となるのは、海底に存在する電気、通信などのライフラインを引きちぎってしまうことと、海底油田、天然ガス、メタンハイドレートなどの海底資源を埋没させてしまうことである。