日体大長距離記録会
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
日体大長距離記録会(にったいだいちょうきょりきろくかい)は日本体育大学で開催される陸上競技の記録会である。
横浜市青葉区の同大学にある健志台キャンパスには大学付設の陸上競技場があり、ここで年に約10回ほど行われる。名前の通り長距離走のみを行う記録会で、主に5000メートル走、10000メートル走が中心となる。なお春先に行われる記録会は関東学生陸上競技対校選手権大会の参加標準記録突破の意味合いもあり、1500メートル走、3000メートル障害なども行われる。
高校生は5000メートル、学生や社会人は10000メートルに出場する傾向が多い。これは高校生が全国高等学校陸上競技対校選手権大会(インターハイ)や国民体育大会陸上競技会、全国高等学校駅伝競走大会を、学生や社会人は箱根駅伝や全日本実業団駅伝、或いはハーフマラソンやマラソンへの調整として適切な距離を選択する為と考えられる。
通常エントリーした時の選手個人の自己記録、或いは目標とする記録をもとに組み分けが行われる。当然後ろの組になればなるほど速い組になり、レベルも上がる。エントリーが非常に多い場合には10000メートルを土曜日に、5000メートルを日曜日に分けて行う。それでも朝9時頃から夜9時頃まで、丸1日かかることも決して珍しくはない。当然組数も20組前後になることも多い。
特に駅伝の全国大会が目白押しで、気候的にも記録が出やすい11月や12月の記録会ほど大規模なものになる。この記録会を駅伝メンバーの選考と位置づけているチームも多く、エントリーも必然的に増えるものと考えられる。5000メートルや10000メートルの高校記録がこの記録会から誕生するなど(2006年11月現在)、全国の強豪校の高校生達が集まってくる。ただ、箱根駅伝を控えた学生に関してはこの時期の参加は一時期よりも減少傾向にある。20キロを超える箱根駅伝を目前に、10000メートルを走ってもあまりメリットがなく、むしろ距離の近いハーフマラソンを走ることが望ましいという考えがチーム関係者の間に広がっている為である。また、メンバー選考会ゆえに選手がこの記録会で燃え尽きて、肝心の本番でだめだったというケースもあり、無理をさせたくないという本音も垣間見えるだろう。
この記録会を運営するのは日本体育大学の学生である。約400人を数える大所帯だが、長距離ブロックだけでなく、各種目の選手も競技役員や補助役員として運営に協力している。これは関東学生陸上競技連盟が創設以来学生主体の原則を守っている一例でもある。