日本軽金属
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日本軽金属株式会社(にっぽんけいきんぞく、英文名称:Nippon Light Metal Company, Ltd.)は、東京都品川区東品川、天王洲アイルに本社を置く非鉄金属企業。現在の代表取締役社長(CEO)は佐藤薫郷である。
設立当初は、古河財閥と関わりが深かった(現在もみずほグループの一員)。後にカナダの世界的アルミニウムメーカーであるアルキャン社と提携し、現在もアルキャングループのアジアでの拠点となっている。
日本で唯一アルミニウムの精錬工場(蒲原製造所(静岡市清水区))を国内に持つアルミニウムの一貫生産のメーカーとして有名。富士川水系の静岡県内及び山梨県内合計6カ所に水力発電所を保有し自家発電を行っているため、電力価格の高騰により国内他社がアルミニウム精錬から撤退する中、価格競争力を維持し精錬事業の継続が可能となっている。山梨県南巨摩郡早川町には堤高80.5mを誇る雨畑ダム(アーチ式)を、山梨県南巨摩郡南部町に堤高40.5mを誇る柿元ダム(重力式)を有する。どちらも竣工から約40年の年月が過ぎ、近年では堆砂が進んでいる。
また、静岡市の清水港にボーキサイト輸入用の岸壁を保有している。
東京証券取引所、大阪証券取引所、札幌証券取引所、名古屋証券取引所、福岡証券取引所の各一部に上場。東証には非鉄金属企業として最初に一部上場した。証券コードは5701
アルミニウム関連の子会社を多く擁する。代表的な子会社としては、日本フルハーフ、建材メーカーの新日軽、タバコ箱のアルミ箔製造のトップメーカーである東海アルミ箔(2005年11月に排除勧告を受けた)などがある。
なお、以前にはアルミ家庭用品(鍋、ケットル、脚立等)を製造・販売する日軽プロダクツ(旧:北陸軽金属=ホクセイ日軽、理研軽金属工業)もあったが、需要の低迷、ホームセンターでの安売り戦略に太刀打ちできず、2005年に解散している。
1955年に日本軽金属清水工場から産業廃棄物として排出された砒素を含む第二燐酸ソーダが転売され、森永乳業徳島工場が乳質安定剤として使用してしまったため、缶入り粉ミルク「森永ドライミルク」を飲んだ1万数千名もの乳児が大量にヒ素中毒になり、死亡者も出た食中毒事件(森永ヒ素ミルク中毒事件)が発生した。なお現在も、脳性麻痺、知的発達障害、てんかん、脳波異常、精神障害等の重複障害に苦しんでいる被害者が多い。
1980年代にはアルミニウム市況の低迷により一時経営不振に陥るが、自社製品であるアルミニウムを活用した手動アイスクリーム製造機『どんびえ』や果実酒製造機『できごころ』といった家庭向けの製品が次々とヒットし、経営不振から立ち直ることとなった。ちなみに『どんびえ』のネーミングの由来は、アイスクリームの冷たさを表現するとともに、当時どん底にあった同社の経営状態を自虐的に表現したものとされており、発売当初同社の一部社員からは「不謹慎すぎるネーミング」との批判の声も上がっていた。
『歌のワイド90分!』(日本テレビ系)の放送開始以来、長い間日本テレビ・水曜日夜8時台のレギュラースポンサーとして活動していたが、1992年3月に降板(降板当時はクイズ世界はSHOWbyショーバイ!!)、一時撤退している。年に一度『富士登山駅伝』(テレビ静岡制作、フジテレビ系)の提供も行っている。
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