日産・スタンザ
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スタンザ(STANZA)は日産自動車で生産されていた自動車で、バイオレットとオースターの姉妹車である。
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[編集] 歴史
[編集] 初代(A10/11型・1977年-1981年)
- 1977年8月8日登場。キャッチコピーは「男と女と薔薇とスタンザ」。3ヶ月前に登場した姉妹車のバイオレットがファミリーカー、オースターがスポーティな若者向けの車という位置づけだったのに対して、扱い店舗であるサニー店の旗艦という意味合いもあり、小さな高級車として位置づけられた。330セドリック/グロリアのハードトップと共通の角型ライトが特徴。ボディは4ドアセダンのみで、先発の姉妹車に設定していたハッチバッククーペやライトバンは用意されなかった。エンジンは当初1600ccのみ。B110~210サニーに設定されていたエクセレントを発展させたモデルでもある。
- 1978年5月 53年排出ガス規制適合でE-A11型へ。エンジンはZ16・Z16Eに変更。
- 1978年11月 1800cc車登場。型式はE-RA11。エンジンはZ18・Z18E
- 1979年6月 マイナーチェンジ。1600ラグジャリーを除く全車にフロントグリル埋め込みフォグランプを採用。/姉妹車で唯一パワーウィンドを装備した1800マキシマX-Eを追加。
- 1979年 5ドアハッチバックの「スタンザ・リゾート」が追加された。
米国では510型ブルーバード(Datsun 510)の後継モデルとして輸出された。
[編集] 2代目(T11型・1981-1986年)
- 1981年9月に登場した。姉妹車のバイオレット/オースター同様FF化され、4ドアセダンと5ドアハッチバックが設定された。正式車名は「スタンザFX」と変更。エンジンは新開発のCA型を搭載し、排気量は1600ccと1800cc。「日産の最新FF」「FFはいま高級車へ」との触れ込みでFFであることを前面に押し出した広告展開を行い、また空力に優れたモダンなデザインのフロントマスクであったが、競合車種が多いクラスでサニーとブルーバードの中間を狙う中途半端さや、FFのメリットを生かしきれていないパッケージング、古いFF的ハンドリング等でライバル車に販売面で苦戦する。
- 1983年6月の大幅マイナーチェンジでサブネームの「FX」がカタログ上などで非常に小さな表記となり、CMなどでも「スタンザ」のみの呼称となった。また5ドアハッチバックを廃止し、代わりに3ドアハッチバックを追加。ただしこの3ドアハッチバックは元々オースターに設定されているものと同じである。またオースターとはグリルやテールレンズの違い程度のみとなってしまい、またブルーバードもFF化されたこともあり、不人気に拍車をかけた。これにより、T11型がモデル末期まで販売面で大苦戦を強いられた日産は、不人気車種を整理する路線に方向転換していく。
[編集] 3代目(T12型・1986-1990年)
- 1986年6月登場。またサブネームの「FX」が取れ正式車名が「スタンザ」に戻った。ボディはハッチバックがなくなり、4ドアセダンのみとなった。兄弟車である3代目(T12型)オースターとの相違点はフロントノーズの造形が逆スラント形状、リアデッキの造形が非スポイラー形状となっており、トランクリッドの開口部がバンパーレベルからでなく、アッパーレベルからになっている。エンジンは、1600ccSOHC(CA16S・「1.6スプレモ」)と1800ccがあり、後者にはSOHC(CA18i・「1.8スプレモ」)、SOHCターボ(CA18ET・「1.8スプレモ・ターボ」)、DOHC16バルブターボ(CA18DET・「1.8スプレモ・ツインカムターボ」)が設定された。SOHCエンジン全車にツインプラグを採用する。キャッチコピーは「クラッシー・スタンザ」。
- 1987年2月 10周年記念特別仕様車「エクストラサルーン」を発売。
- 1988年1月 マイナーチェンジ。CA18ET型エンジンが廃止された代わりにノンターボDOHC16バルブのCA18DE型エンジンが加わる。グレード名は「1.8スプレモ・ツインカム」。
- 1990年6月 実質的な後継車としてプレセアが誕生した。
[編集] 車名の由来
スタンザとはイタリア語で「部屋」という意味である。