春日了
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春日 了(かすが りょう)は、東京都葛飾区立石にある浄土真宗大谷派の寺院、證願寺(しょうがんじ)の住職。また、声楽家、アマチュア天文家、奇術師としても知られるほか、一時期、テレビ朝日CNNデイウォッチで「宇宙時代のお坊さん」をキャッチフレーズにキャスターを務めたこともある。
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[編集] 略歴
東京都葛飾区に生まれる。東京都立墨田川高等学校を卒業後、2つの大学でインド哲学と仏教を学び、その後も将来を巡って儀式仏教の専門家であった父親と対立し、一端、寺を離れてサラリーマンやレストラン支配人などを経てイタリアとドイツに留学して声楽を学び、帰国後は声楽家、ニュースキャスターとして活動。親の死後、寺を判りやすく改革するという条件付きで、後を継いだ。 ドイツとイタリアに留学し数ケ国語を話し、海外の発想も身に付けているので一般の僧侶とは発想や考え方が相当違う。
[編集] 僧侶として
原始仏教を学んだ後、宗学(この場合は浄土真宗教学)を修得。
スリランカの寺院とも交流し、現地に幼稚園を建築・寄贈している。
[編集] 声楽家として
ドイツとイタリアに留学してテノール歌手として活動。歌手として国内でも演奏するが、特に欧州への演奏旅行を、かなり頻繁に行い、複数の賞を獲得。 イタリアやルーマニアなどの音楽祭で受賞している。 また、自分が歌うだけでなく、若手のことも考え、毎年、コンクールを主催。男女の歌手や高音と低音を出す歌手が一緒に審査されるのは不公平だとしてベルカント・ソプラノ・コンコルソという若いソプラノだけのコンクールを毎年開催。審査委員をイタリアから招聘するなど、本格的なものである。
[編集] 天文家として
アマチュアの天文家としても著名で、小惑星にも「KASUGA]と命名されている。
寺院内に私設の天文台を設置し、主として月や惑星等の天文現象がある度に、熱心な観測を行っている。
しし座流星群の流星雨の際には、墓地から肉眼で観測した。墓地の中は東京の街中としては比較的暗い為、2001年当時、群流星は多数見えたと言う。が、明るい月・惑星を除いて、天体観測は総じて、光害に悩まされたという。また、それを契機にエネルギー問題やナトリウムランプ普及などの運動を展。1991年から「東京都庁のライトアップ反対」をはじめかつしかシンフォニーヒルズのライトアップに苦情を呈したり、葛飾区のモデル照明区域を作らせるなど、光とエネルギーを空に逃がさないように光害問題をマスコミで多数アピールした。
2001年に寺院の壁に、スペースシャトル風の[X33]というNASAが打ち上げる計画であった、特殊ロケットの1/5モデルのモニュメントを設置したり、壁画としてビルの壁面に絵を描き、2004年には巨大恐竜カスモザウルス(トリケラトプスに似ている)の4.5mの野外モデルを設置し通る人に驚きを与え、2006年からは寺院裏側の通学路の40mの長い塀にプロの手による古代の恐竜の森の壁画も描き独特の風景を作り出した。
[編集] プラネタリウム設置
また、天文台の他に8mドームの傾斜が無い学習用タイプのプラネタリウム、プラネターリアム銀河座を1996年に設置した。
布教用として仏教解説に使用しているほか、天文学の一般向けの普及活動にも使用している。
現在、毎月2回、第1、第3土曜日の午後3時から投影を公開し、月2回の投影ながら毎月番組を替えて精力的に、科学的話題が中心のプラネタリウムを目指し、春日を中心としたボランティアによって運営されている。毎年取材や報道が多く独特なプラネタリウム館として活躍している。 春日は現在、日本プラネタリウム協議会・JPA正会員でもある。
[編集] 奇術師として
手品にも堪能で、学生の頃から、東京の多くのデパートやや東京近辺のデパートの奇術売り場で、実演販売員としてマジックを見せていた。1991年から社団法人日本奇術協会の参与、名誉会員でもある。協会機関誌ワン・ツ・スリーに記事を連載している。2006年の日本奇術協会主催マジック・コンペティション審査員。
[編集] 著作
[編集] 外部サイト
[http://www.gingaza.jp/ プラネターリアム銀河座サイト]