株券
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株券(かぶけん)は株式会社の株主が持つ株式を表章する有価証券のことである。
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[編集] 実体としての株券
株券の作成方法としては、証券印刷会社に委託して作成する方法と、市販の株券用紙にチェックライター等で株数その他の必要的記載事項を記載する方法がある。大企業では前者の方法を採るが、小さな企業ではコスト面から後者を選択することも多い。さらに、実際は株券不所持制度を利用し、実体としての株券を発行しないことがほとんどである。また、株式の譲渡を定款で制限しているような会社については違法を承知で株券自体を発行しないこともあったいわれる。
証券取引所において株式が取引される、即ち上場の条件として、偽造変造防止の観点から、発行される株券(但し、証券取引所における流通単位である1株券または1単元株券のみ)が、各証券取引所において十分な管理組織を有していると確認された印刷会社において印刷され、かつ各取引所において定める様式に適合する株券(適合株券)であることを要する。そのため、例えば東京証券取引所においては、大日本印刷(株)、凸版印刷(株)、共同印刷(株)、プロネクサス(株)、瀬味証券印刷(株)、昌栄印刷(株)、図書印刷(株)、サンメッセ(株)及び国立印刷局とされるように、高度な印刷技術と厳しい管理体制を有する一部の印刷会社においてのみ、上場株券の印刷が可能となっている。
[編集] 会社法での株券
[編集] 商法下における株式の譲渡
株主権の移転(株式の譲渡)は株券の交付のみにより、株券の占有者は適法の所持人と推定される(同条第2項)。会社は、株券を提示され名義書き換えを求められた場合、正当な理由のない限り、これを拒否することはできない。また、株券を紛失または盗取され、それが第三者に善意取得される可能性があり(旧商法229条)、善意取得されると、株主名簿の記載有無にかかわらず当該株券記載の権利を失うこととなる。即ち、株券は、有価証券法理の支配する証券流通の領域では完全な無記名証券である(竹内昭夫「会社法講義」参照)。
[編集] 株主名簿と保管振替制度
株券を購入したり譲り受けたりしただけでは、株主権を行使するにおいて発行会社に対抗することはできない。名義書換の手続きを行い、発行会社の株主名簿に氏名、住所、持ち株数を記載する必要がある。この手続きを忘れていた株式は失念株と呼ばれ、旧株主と新株主の間で、新たに割り当てわれた新株の所有権等をめぐってトラブルになることがある。ただし証券会社を通じて購入した場合には、通常、保護預かり制度および株券保管振替制度を利用することになり、株式を購入した段階で自動的に株主名簿に購入者の氏名等が記載される。株券保管振替制度のために作られた株式会社証券保管振替機構(通称:ほふり)は、この制度に沿って株券を一括して管理する機構である。
[編集] 株券不発行制度と株券不発行の原則化
2003年9月、法制審議会で全面的な「株券不発行制度」を導入するための商法等の改正案の要綱がまとめられた。2004年6月には、商法や「株式等の取引に係る決済の合理化を図るための社債等の振替に関する法律等の一部を改正する法律」などの改正が成立し、証券取引所に上場している株式会社については、2009年6月までに「株券不発行制度」に移行することとなった(株券の電子化と呼ばれる)。
「ほふり」に登録された株券についてはそのまま新しい振替制度に移行されるが、株券の現物を持っている場合は、証券会社に開設した「証券特定口座」に2004年いっぱいに移管しないと、納税手続きが複雑になったりしたり、名義が書き換えられていない場合には所有権を失ったりする。このため、証券会社が営業を強化していた。
2005年に成立した会社法においては、すべての株式会社につき、定款で株券を発行する旨の記載がない限り、株券を発行しなくてもよいこととされた(会社法214条)。株券を発行すると定款で定めている株式会社のことを特に株券発行会社とよぶ。
[編集] 株券発行会社
[編集] 有価証券としての株券
株券を証券という観点から見た場合、「物的証券」・「利潤証券」・「支配証券」という三つの異なる側面を持つと言える。
- 物的証券
- 株主の持つ残余財産分配請求権に着目した場合、株式は会社の資産を分割したものであるから物的証券であると考えられる。
- 利潤証券
- 株主の持つ利益配当請求権に着目した場合、株式は配当という利潤を生む証券であるから利潤証券であると考えられる。このため理論株価には、将来にわたって期待できる(利率を考慮した)配当の総額が含まれる。
- 支配証券
- 株主の持つ経営参加権に着目した場合、株式は議決権を行使して会社を支配するものであるから支配証券であると考えられる。
[編集] 株券の記載事項
株券の番号、発行年月日、株数、株主の氏名、取締役の署名、会社の商号、会社の成立年月日、株式の内容(普通株式か、種類株式であるか)、などを記載することが要求される。
[編集] 株券喪失登録制度
商法施行来、株券を紛失または盗取された株主は他の有価証券の権利者と同様、非訟事件手続法に定められた公示催告手続の下、除権判決により権利の回復を図らざるをえなかったが、善意取得を阻止できないなどその実効性が薄かったため、2002年(平成14年)改正商法において、株券失効制度が導入された。しかしながら、株券失効制度によっても、①株主が確定的に権利を回復するまで1年を要する ②株券の移転による善意取得を阻止することが困難である、等の不備は、株式の譲渡を株券による限り回避しえず、抜本的な解決策が求められた。2005年に成立した会社法においては株券喪失登録簿制度が新たに導入されている(会社法221条~232条)。
[編集] 外部リンク
- 亜細亜証券印刷株式会社
- 日本法令の既製品株券手書きでオーケー。少量印刷も可能。
- 法制審議会による株券不発行制度の導入に関する要綱の答申
- 株券の電子化について(証券決済制度推進センター)
- 株式制度の改正と実務(あずさ監査法人)
- 株券のペーパーレス化 タンス株 ご用心(読売新聞)