桜木花道
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桜木 花道(さくらぎ はなみち、4月1日 - )は、井上雄彦の漫画作品およびそれを原作とするアニメ『SLAM DUNK(スラムダンク)』に登場する架空の人物。アニメでの声優は草尾毅。
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[編集] プロフィール
[編集] 人物
本編の主人公。中学時代50人の女性に告白したが全てフラれ、湘北高に入学した時に晴子に一目惚れし、バスケ部へ入る。和光中学出身の元不良で、喧嘩では無敵というほど、めっぽう強い。桜木軍団のメンバーは勿論桜木・水戸洋平・高宮望・大楠雄二・野間忠一郎の5人である(別名:和光中OB5人衆)。髪が真っ赤で、初期は逆立てたリーゼントだったが、海南戦で自分のパスミスで負けた事を悔やんで坊主頭になる。驚異的な身体能力の持ち主で、垂直飛びの高さは目測で1m以上。最高到達点は赤木をも凌ぎ、魚住のダンクを赤木の上からブロックするほど。さらに連続して最高到達点にジャンプ可能で、リバウンドを取りまくる(劇場版の津久武戦では県大会タイ記録となる22リバウンドを記録した)。その能力は王者・山王工業高校相手にも通用し、流れを湘北に傾けた。底なしの潜在能力や素質は一流選手が一目見れば分かるもので監督・安西や、他校の仙道彰、河田雅史も一目置く。
過去のバスケ経験はなし。プレイスタイルは荒削りもいいところで、素人丸出しである。しかし集中力が増した時の桜木のプレイは「本当に常軌を逸して」おり、「素人」と決めてかかった者は手痛いしっぺ返しを食らっている。成長スピードにも目に見張るものがあり、言わば「未完の大器」である。IH(インターハイ)予選で4試合連続退場を記録した後は、県内一の高さを誇る翔陽相手にリバウンダーの才能を開花させ、続く海南戦ではこれまで自分が目立つプレイばかりを求めてきた桜木が「誰かのためにプレイをする」ということを覚え始め、また「抱えたボールを下から掬うように投げる」という特異なフリースローフォームを編み出した(作中では「往年のNBAの名選手であるリック・バリーのフォームと偶然一致した」と説明されている)。さらにこの予選期間中にシュートの特訓も積み、ゴール下のシュートをマスターし攻撃にも参加するようになる。そして全国大会直前にも2万本のシュート練習を完遂させ、ミドルシュートも習得した。そのかいもあって、山王戦では安西監督に「湘北の武器」と言わしめた。山王戦のラスト、流川からのパスで逆転のブザービーターを決めた。スタミナは十分すぎる程あるが、退場や怪我などのため、公式戦で40分フル出場の経験は一度もない。山王戦で背中を負傷してしまい、IHの後療養中(陵南戦では一度、魚住を吹っ飛ばした時にも背中を痛めた描写がある。これが後の(つまり山王戦での背中の負傷に陥る)伏線とも考えられる。山王戦では沢北の行動を読み、対抗策を赤木に指示するなど、頭は悪いながらもIQの高い部分を表した。しかし、上記の5試合連続退場(翔陽戦も終了間際に退場している)、決勝リーグの陵南戦では自殺点を取るなど珍プレーも目立った桜木だったが、最終山王戦では(あくまで公表されておらず、原作の描写にしたがった話だが)流川より多く得点を取っており、これにより流川より目立ち、得点を取るという当初からの目標は達成していることになる。また仙道曰く勝負したくなる気にさせるタイプで海南戦ではラスト20秒で牧が桜木を止めようとして痛恨のファールをもらい、逆転のチャンスを作り出した。また性格や外見などのせいか(そういうタイプに見えないせいか)福田や清田はおろか高砂(この時は宮城や牧ですらも予測できなかった)や野辺に対してもフェイクを決める(河田雅史にも決めたが、これはダブルドリブルだった)。
[編集] 性格
自信家および自意識過剰で、非常に生意気。口癖は「天才」。また、「天才・桜木」をはじめ様々な肩書き(自称の名が大半を占める)を持つ。礼儀知らずで傍若無人な振る舞いをする(そのため度々、赤木に鉄拳制裁を受ける)。年上や教師が相手でもタメ口で話すが、女の前ではとても弱くなり、彼女らの前では敬語を使う。初対面の相手にその特徴を突いた失礼なあだ名をつけるのが得意(ただし仙道や桜木軍団など、ライバルや親友にはあだ名で呼ばない)。清田に「黙って試合できねーのか」と言われるほど試合中によく突っかかる(その清田も流川に「つくづくよくしゃべる」といわれているのだが)。男気が強い面を持ち、赤木と流川が怪我した時や陵南戦前の木暮の言葉に胸を熱くする一面も持ち合わせている。喧嘩は作中でも最強クラスであり、必殺技は頭突き。
貧乏なのか金銭感覚がおかしいのか、チエコスポーツの店長からバスケットシューズを2度買った(?)ことがあるが、その時払った金額は30円と100円。また、500円しか持っていないのに牧、清田と共に新幹線で名古屋に行こうとしたことがある(結局、清田からお金を借りたのだが、その際「3倍にして返してやるよ」と言ったが返したのかは不明)。
晴子が流川に片思いだと知り、それ以来から流川を強烈にライバル扱い(または嫉視・敵視)する。一方で表面には決して出さないが、物語の後半では徐々に流川の実力を認めるようになった。その為、友情を垣間見せる時がある。山王の最後の逆転シュートの際にハンドタッチをするなど、連帯感を出している。
学業の成績は悪く、一学期終了時に赤点が7つあった(本作中に詳細な理由は明記されていないが、湘北高校では赤点4つ以上取るとIHに行けなくなる)。その後、赤木宅にて死にもの狂いで勉強し、何とか追試をギリギリで合格した。同じ学校の生徒達や桜木軍団には「バカ」呼ばわりされていたが、新聞で県大会の翔陽戦の花道がダンクを決めた(直後退場となるが)記事を見て、「コイツ、タダのバカじゃないんだ」と言われた。
また忘れられがちだが桜木軍団は桜木の性格について「赤い髪してるくせに内向的」と言っており、感情を外へ発散せず自身の中へ溜め思いつめる一面もある。実は努力家であり、自信家で生意気で傍若無人かと思えば非常に緊張する事に弱く(しかし徐々に克服したものと思われる)精神的に繊細さを見せることもあった。
[編集] 家族構成
中学時代、自宅に戻ると父親が発作のような状態で倒れている描写があったが、家族構成や家庭の状況などは不明。父親が助かったのかも明確に描かれていないが、その前後の描写からその際、亡くなってしまった可能性が高い。