機動戦士Ζガンダム・ホットスクランブル
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『機動戦士Ζガンダム・ホットスクランブル』は1986年にバンダイから発売されたファミリーコンピュータのゲームソフト。販売本数は約40万本。メインのゲームデザインは遠藤雅伸。
ファミリーコンピュータ初のガンダムシリーズを原作とするゲームである。ちなみに初のコンシューマゲームではない。先行作はアルカディアの『機動戦士ガンダム』。
後に携帯電話用(i、EZ(BREW)、S!)のアプリとして移植され更に『機動戦士ガンダム 戦士達の軌跡』のキャンペーンで、ファミコンミニ版として復刻され、抽選でプレゼントされた。
[編集] 概要
原作の『機動戦士Ζガンダム』についてはアニメの項目を参照の事。
本作は主役機であるΖガンダムを操作して、ティターンズの部隊と戦闘する。ゲームは大きく二つのシーンに分かれており、それぞれを繰り返す。シューティング面は現在で言うFPSに近いコックピット視点のゲームである。画面内を移動するモビルスーツに照準を合わせビームライフルで狙撃する。もう一つは要塞面と言われる横スクロールのアクションシューティングで、迷路構造の通路内を移動して要塞コアの破壊を目指す。
[編集] 経緯と評価
本作はキャラクターゲームとしては魅力に乏しいためか、長らくクソゲーとの評価を受けてきた。シューティング面はコックピット視点である関係上、Ζガンダムが画面に登場しないし、要塞面はそもそも原作にそぐわないためΖガンダムを主役にする根拠に乏しい。いわゆるダメなキャラゲーである。またデザイナー遠藤雅伸の名声を著しく傷つける事となった問題作でもある。当時の低評価層は「Ζガンダム被害者の会」なる集まりを結成している。
ところが近年、純粋にゲームとして本作を楽しんでいた世代により再評価が行われるようになってきた。これに関連して遠藤へのインタビュー[1][2]が行われ、本作開発の経緯が明らかになった。
以下はその要約である。
- 遠藤が開発に参加したのは依頼を受けたからではなく、企画自体が遠藤側からの持ち込みであった(良いガンダムゲームが欲しかった)。
- 遠藤が提案したのはシューティング面のみのバージョンである。戦略性を持って動く敵モビルスーツチームに対して、その動きをいわばニュータイプ的に先読み、索敵して狙撃を行なうゲームだった。「意志を持った敵チーム」という概念は遠藤の『ゼビウス』などを想像すればよいだろう。
- 当時の小学生を対象にテストを行なった所、その面白さが理解されず、当時流行していた『グーニーズ』を取り入れる事に決まる。これが要塞面である。シューティング面も全体に簡素化された。これは遠藤によると「商品Ζ」
- 遠藤は要塞面にはタッチしていない。
- 当初のオリジナルシューティングは後に「ファイナル版」という形で限定販売される。こちらは「作品Ζ」と呼ぶ。発売数が少なかった事から、数万円以上のプレミアが付いている。
- インタビューの文面から推察する限り、遠藤がナムコを辞めフリーになったのは本作を作りたかったからと読み取れる。
余談だが、当時富野由悠季も本作について好意的な評価を寄せている。無論リップサービスの部分はあるだろうが、富野監督が作品を褒める事は滅多に無いため、大筋では本当に評価していたのだと思われる。