欽定訳聖書
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
欽定訳聖書(きんていやくせいしょ)は、国王の命令によって翻訳された聖書である。複数あるが、単に「欽定訳」と言った場合は、とくに「ジェイムズ王訳」(King James VersionあるいはAuthorized Version)として名高い、1611年刊行の英訳聖書を指す。
イングランド王ジェームズ1世が英国国教会の典礼で用いるための聖書の標準訳を求め、王の命令で翻訳されたためにこの名がある。欽定訳は19世紀末に至るまで英国国教会で用いられた唯一の公式英訳聖書である。また、日本における文語訳聖書のように、荘厳で格調高い文体から、口語訳の普及した現在も多くの愛読者を持ち続けている。
ヘブライ語およびギリシア語原典から訳したと序文にはあるが、実際にはウィリアム・ティンダルら先行する英語翻訳にかなりの部分で依拠していることが指摘されている。
尚、現在欽定訳聖書として市場に出回っているものの多くは1769年に綴りなどが修正されたもので、オリジナルではない。
[編集] 関連項目
[編集] 関連書籍
- 橋本 功 (1996)、『聖書の英語』 英潮社 ISBN 4268002545
[編集] 外部リンク
- 電子版欽定訳聖書(英)