武装神姫
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武装神姫(ぶそうしんき)は、コナミデジタルエンタテインメントから発売されているフィギュアシリーズ、およびそれに連動したオンラインゲームサービスである。
目次 |
[編集] フィギュアの概要と特徴
[編集] 概要
フィギュアの素体原型製作は浅井真紀(ボディ本体のみ)。発売する弾ごとにキャラクターデザインを担当するデザイナーが変わる方式をとっていて、公式でのまとめ方も第○弾となっている。 商品形態は、完成済みMMS素体+武装がセットになったフルセット[1]。(定価¥3500~¥3800)とMMS頭部パーツと武装パーツがセットになったEXウェポンセット(定価¥1700~¥2600)とオンライン専売のMMS素体単体販売(白・黒・肌色。肌色はさらに三色ある)(定価¥1800)の三形態がある。 なお、フルセットとEXウェポンセットにはフィギュアと同じモデルが各種オンラインサービスでも使用できるようになるアクセスコードが同梱されている。
[編集] 特徴
MMS素体の大きさは約15cm程度で頭部、首、肩、上腕(回転軸)、肘、手首、胸部、股関節、大腿(回転軸)、膝、足首が可動する。下腹部のプロポーション重視のため普通のアクションフィギュアに有るような腰関節は無いが、股関節が片持ち引き出し型になってる事でカバーしていて無改造で体育座りが出来るようになっている。また上腕、手首、大腿の部分はスペーサーが入っていて、拡張ジョイント付きのスペーサーに換装する事が出来る。
[編集] タイプ
[編集] フルセット
各弾とも2種類づつ存在し、モチーフが天使と悪魔といった具合に対になっているものが選ばれている。 ファンタジーメカ路線を基本としているが、3弾のみ、その路線から外れている。
- 天使型MMS アーンヴァル
- 悪魔型MMS ストラーフ
- キャラクターデザイン:島田フミカネ
- 通称第1弾。メカ娘を手がけた島田がデザインを担当。最初期のシリーズだが武装の出来もあいまって人気は非常に高く、幾度も再販がかけられながら発売から半年を経た現在でも入手が困難である。特にストラーフはオークションで定価の数倍の値段が付く事がザラである。さらなる再販が望まれているシリーズ。
※2006年末に武装神姫 電撃ホビーマガジンオリジナルカラーVer.として黒いアーンヴァルと白いストラーフの二種を予約販売した[2]。
- 犬型MMS ハウリン
- 猫型MMS マオチャオ
- キャラクターデザイン:BLADE
- 通称第2弾。このシリーズのみ素体のサイズが他のシリーズと違う[3]。生産数、流通数も多いため安定供給もされているが、消化率もそれなりに良い為、極端な値上がりも値下がりも無い優等生シリーズ。ただ惜しむらくは肝心の武装がMMSフィギュアの可動を殺しすぎてしまうため、武装抜きで素体のみで遊ぶ遊び方が流行ってしまう原因となったある意味罪作りなシリーズともいえる。
- 騎士型MMS サイフォス
- 侍型MMS 紅緒
- キャラクターデザイン:篠房六郎
- 通称第3弾。リアル路線を掲げて、騎士・侍をチョイス。が、第1弾、第2弾と比べてフィギュアそのものの出来があまりにも悪かったためか、売れ行きはお世辞にも良いとはいえなかった[4]。この頃の武装神姫スタッフの迷走が見て取れるシリーズ。4弾以降のフルセットシリーズがファンタジーメカ路線に逆戻りするきっかけを作ったともいえる。
- 種型MMS ジュビジー
- 花型MMS ジルダリア
- キャラクターデザイン:okama
- 通称第4弾。3弾の反省からファンタジーメカに先祖返りしたが、武装及び頭部のデザインがokama氏独特の奇抜なデザインだったために賛否が分かれた。ただ、組み換えトイとしてのプレイバリューは第一弾を凌ぐほどであり、特にジュビジーの武装はジョイントの集合体という大胆な構成であった。
[編集] EXウェポンセット
フルセットと違いEXのシリーズはミリタリーメカ路線を基本としている。 3弾(EX2弾)のツガルだけはファンタジーメカである。 実験的なコンセプトが盛り込まれている模様。
- 兎型MMS ヴァッフェバニー
- キャラクターデザイン:カサハラテツロー
- 装着できる部位が限られて、セットそのもののまとまりの良さを追及した第3弾のような構成であるが、どの神姫にも程よくマッチする汎用性の高いデザイン[5]により順調な売れ行きを見せた。
- サンタ型MMS ツガル
- キャラクターデザイン:GOLI
- 元はbeatmania IIDXの登場キャラクターで、イラストカレンダー用にデザインされた武装をフィギュア化したもの。
- 武装そのものが合体し戦闘機のような形態になるのが大きな特徴。
- 砲台型MMS フォートブラッグ
- キャラクターデザイン:柳瀬敬之
- メカ娘を髣髴とさせるメカ脚部がついたバックパックが特長。メカ脚部は神姫の脚部と交換することも可能で、プレイバリューの大きさから良好な売れ行きを示した。
※EXウェポンセットにMMS素体は付属していない。
[編集] MMS NAKED素体
- 現在コナミスタイルで専売されている、MMSの素体。全て単色でカラーリングされているのが特徴で、台座及びパッケージは簡易型が採用されていて、標準よりも大きい胸パーツVer.2が付属している。初期は白、黒、Flesh(アーンヴァル・ハウリンに近い肌色)の三色だったが、2007年6月の再販でFlesh Ver.2(ジルダリア・ジュビジーに近い肌色)、Flesh Ver.3(ストラーフ・マオチャオに近い肌色)が追加された。
- なお、この製品にはオンライン用のアクセスコードは入っていない。
[編集] 今後の商品展開
[編集] 第5弾
フルセット
- セイレーン型MMS エウクランテ
- マーメイド型MMS イーアネイラ
- キャラクターデザイン:間垣亮太
- 1弾以来の正統派メカ娘路線で期待が高いが、初期イーアネイラの顔がかなりの不安材料であった。[6]後に開催されたワンダーフェスティバル2007冬のコナミブースで修正版が公開され、不安はぬぐわれた模様。
EXウェポンセット
- イルカ型MMS ヴァッフェドルフィン
- キャラクターデザイン:カサハラテツロー
2007年5月末頃発売予定
[編集] 第6弾
フルセット
- 寅型MMS ティグリース
- 丑型MMS ウィトゥルース
- キャラクターデザイン:清水栄一+下口智裕
- 今までのシリーズになかった合体による2形態変化(ロボorバイク)を前面に打ち出したシリーズ、何となく同社のクロスバイザーを思い出させてくれる。
- また、デザイナーが鉄のラインバレルのコンビであるため、メカ、キャラクター双方において高い造形レベルが期待されている。
EXウェポンセット
- 建機型MMS グラップラップ
- キャラクターデザイン:鬼頭栄作
2007年夏頃発売予定
[編集] 他メディアへの展開
- デジタルコミック 武装神姫 Forget-me-not
- 4月20日(金) 連載開始。
- 漫画 電撃ホビーマガジン
- 4月25日発売の6月号よりBLADE氏による誌上連載開始。
- インターネットラジオ 武装神姫RADIO RONDO
- ポータルサイト「i-revo」にて2007年4月26日から、
- またインターネットラジオステーション<音泉>にて2007年5月3日から(1週遅れ)毎週木曜日配信予定。
[編集] オンライン
現在、オンラインサービス「神姫NET」において、3Dのジオラマを自由に作ることのできる「ジオラマスタジオ」が正式サービス中。 基本利用料金無料で、コナミIDと3Dゲームがコンスタントに遊べる程度のPCスペックさえあれば誰でも利用することが可能。MMS素体及び武装アイテムはフィギュアに同梱されているアクセスコードを打ち込むか、オンラインの神姫ショップにて神姫ポイントを購入し、それを使用する事で増やす事が出来る。 ユーザーの盛り上がりはイマイチの印象を拭えずにいるのが現状である。詳しくは後述のオンラインの問題点を参照。
また、バトルサービス(育成シミュレーションバトル)「武装神姫BATTLE RONDO」が2007年4月23日よりサービスが開始される予定である。 こちらも神姫ショップで購入したりアクセスコードを打ち込むことで入手したアイテムを利用することが可能。ジオラマスタジオで購入、登録したパーツはこちらでも利用できる。
[編集] オンライン限定MMS素体
- 忍者型MMS フブキ
- オンラインのジオラマスタジオに標準搭載されているMMS。フィギュアは未発売。
- 現在専用装備が手裏剣と忍者刀の二つあるが、どちらもイベント限定のプロモーションアイテムである。特に忍者刀は入手機会が限られていたために、半ばレアアイテムと化している。
[編集] オンラインの問題点
前述もしたがオンラインのジオラマスタジオはお世辞にも盛り上がっているとは言いがたいのが現状である。ポーズ決めてSSを撮るという事だけで、フィギュアと違って他の玩具と組み合わせて遊び方を広げるという事が出来ないためであると思われる。 また一部のキャラクターのオンラインの3Dキャラとフィギュアとのギャップが激しく[7]、遊んでいるうちに違和感を覚えてしまうのが最大の原因ではないだろうか。
[編集] 著作権、版権について
知的財産権管理が非常に厳しいことで知られるコナミであるが、武装神姫に関してはフィギュア、オンライン双方においてほとんど敷居を設けないオープンな姿勢をとっている。[8]これによって生まれた波及効果は多岐にわたり、[9]たとえば今後のワンダーフェスティバル等の立体物イベントではアマチュアによるオリジナルパーツが多く発表されるであろうと見られている。
[編集] 世界観設定について
フィギュアそのものが原作的立場である武装神姫には明確な世界観設定は無く、あったとして武装の名称やバトルロンドのイントロダクションなど最低限のものである。それはすなわち、組み替えて自分だけの神姫を作れるフィギュア同様、世界観もユーザーの想像次第で自分だけの武装神姫世界を構築できることを表している。 それはストーリー性の強い二次創作物において多彩な作品が生み出されている現象として現れているが、同時に「何をもって武装神姫(の作品)とするのか」という明確な線引きがあいまいであるということでもあり、設定の穴を埋めるために生まれたオリジナル設定に忌避感を抱くファンも少なくない。
[編集] 脚注
- ^ 公式では神姫ショップ限定の用語だが、EXウェポンセットと区別するために本項ではこう表記する。
- ^ 現在は予約受付を終了している。
- ^ 胸部と胴体を繋ぐジョイントの長さと、脛から下の長さが若干短い。
- ^ 特に侍型MMS紅緒の売れ残り具合は凄まじく、赤い壁や雛壇などと揶揄される程であった。
- ^ 特に脚部パーツのデザインは秀逸でこの武装脚の為に買った人もかなり居た。
- ^ おでこが広すぎるのと、顔が全体的に細身になりすぎて、「まるで馬のようだ」と非難された。
- ^ 特に紅緒は完璧に別キャラと化している。
- ^ アマチュア立体物イベントの当日版権申請条件や、スクリーンショット掲載規定など、最低限の規定さえ行えばよいという非常に緩やかなものである。
- ^ 電撃プレイステーションに掲載されたインタビューにおけるメインスタッフの弁。主に同人誌やオリジナル漫画・小説、改造、装備の自作、野外撮影、スケールの合うミニチュア玩具の売れ行き増進などであると思われる。
[編集] 外部リンク
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