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ガンプラ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ガンプラは、アニメ作品の『機動戦士ガンダム』をはじめとする「ガンダムシリーズ」において、主に劇中に登場したロボットモビルスーツモビルアーマー等と呼ばれる)や艦船のプラモデルのこと。

ガンプラの製造・発売元は、作品制作元のサンライズの親会社であるバンダイのホビー事業部だが、「ガンプラ」という語自体はガンダムシリーズの版権管理を手がける創通エージェンシー登録商標である。

正確には「ガンダムのプラモデル」という言葉を略したものであるが本項では一般的な呼称である「ガンプラ」で記述する。

目次

[編集] ガンプラブーム

1980年7月発売の「1/144(144分の1)ガンダム」を初めとして、『機動戦士ガンダム』の放映後に発売され始めた「ガンプラ」は、最初は同時期の子供向けロボットプラモデルの中では特に目立つ商品では無かった。しかし原作アニメのそれまでにはないリアルな雰囲気を感じ取ったモデラーがミリタリーモデル(実在の兵器のモデル)的な発想で改造を施した作例が、模型雑誌「ホビージャパン」別冊の「How to build Gundam」に発表されると小・中学生を中心にブームが起こった。さらに1981年に創刊された「コミックボンボン」はガンプラを前面に押し出した誌面構成を行ないブームを加速させた。ガンプラとは無関係な「てれびくん」も、一時期ガンプラを掲載していた時期があった。

またガンプラの価格は1/144スケールで1個300円程度からと、男児向け玩具としては超合金シリーズ等と比べて手頃な値段であったため大人気となり、一時は模型店で品切れを起こす店が続出するほどで、 1982年1月24日には、千葉県ダイエー新松戸店でガンプラを購入しようと開店と同時にエスカレーターに殺到した小中学生250人による将棋倒し事故が起こるなど、社会現象にもなった。また、ガンプラの品薄状態に便乗して、名前やパッケージを似せた商品(代表するものに「ザ★アニメージ」・「モビルフォース ガンガル」がある)も多く出回った。このブームに合わせてバンダイも次々と『機動戦士ガンダム』に登場した兵器等をキット化、遂にほぼ全ての種類が出尽くしたために本編未登場の兵器までもがキット化され(アッグシリーズも参照)、『モビルスーツバリエーション (MSV)』 の展開へと繋がった。これらの一部は、後に製作された機動戦士Ζガンダム機動戦士ガンダムΖΖに追登場した。

『機動戦士ガンダム』初回放送は途中で玩具会社クローバースポンサーから降りたため打ち切りとなったが、高年齢層ファンの間での作品の評価にガンプラブームが相まって再放送が重ねられるようになった。現在のガンダムシリーズの人気はガンプラによるものが大きいとも言える。

その後も後続の作品群・ガンダムシリーズの展開に合わせて数多くのキットが発売される一方で、旧作のキットも連綿と再生産が重ねられており、ガンプラの出荷数は国内外の累計で3億7600万個を突破している(2006年3月時点)。

[編集] ガンプラの種類

通常プラモデルはプラスチック用接着剤でパーツを接着し、塗料で塗装して組み立てるが、ガンプラは1988年以降、接着や塗装をしないで組み立てても、設定色に彩られた完成イメージになるような方向で開発されており、接着剤を用いずに組み立てられる「スナップフィット」や、パーツの色分けに工夫が凝らしてある「いろプラ」などの配慮がなされている。こうしたことでプラモデルの組み立てに慣れていないユーザーや若年層への浸透を図り、古くからのファンにはMG等の高価格帯の製品を用意する販売戦略をとっている。高価格帯モデルにもスナップフィット・いろプラは採用されており、接着剤や塗料などを利用してより高度な仕上げを行うことも可能である。また、逆襲のシャア以降のシリーズでは一部関節に、ビスを使って固定するという方式が採用された。各キットごとに必要な調色を施した「ガンダムカラー」や、低年齢層向けのペン型「ガンダムマーカー」といった塗料がGSIクレオスより発売されている。

ガンプラの主な縮尺とそれぞれの頭頂高として、ガンダム(設定上の頭頂高は18.0m)の例を挙げておく。

  • 1/144……約12.5cm
  • 1/100……約18cm
  • 1/60……約30cm

このうち、最初に登場した1/144の縮尺は、パッケージに合わせて計算したら偶然にも国際スケールと合致していたため採用されたという経緯がある。『機動戦士ガンダム』当時のアニメモデルは、パッケージの大きさに合わせてスケールが前後し統一されていなかったため、リアリティを追及するユーザーには不満であったが、スケールの統一はガンプラのヒットの要因の一つとなった。またこれらのサイズの分類にはその後それぞれ、HG、MG、PGシリーズという高価格バージョンも商品化されることとなった。

なお、以下の分類は『機動戦艦ナデシコ』『聖戦士ダンバイン』『重戦機エルガイム』『機動警察パトレイバー』『新世紀エヴァンゲリオン』『戦闘妖精・雪風』など、ガンダムシリーズ以外の作品にも応用されている。これらの作品は設定での全高などはまちまちであるためスケールは作品によって異なる。ただし、これらの分類はガンプラと同様の棲み分けがされており、主なガンプラにおける1/144に相当する約12.5cmサイズのものが一般に多く商品化され、ガンプラにおける1/100に相当する約18cmサイズのものでは可動や内部構造の再現度が向上している。HGの名称はガシャポンにも流用され、「ガシャポンHGシリーズ」として多数の商品が発売されている。

[編集] 作品別シリーズ

それぞれの番組放送前後に発売されたキット。基本的に作品名を冠したシリーズ名が付けられている。後述の高価格版が発売されるとグレード無し、もしくは無印と呼称されることもある(但し下記の旧キットの場合はこれに該当しない)。内容はシリーズにもよるが、テレビシリーズの場合は1/144の普及価格帯のキット(300円~600円前後)と、1/100や1/60といった付加価値を高めたキット(700円~3,000円前後)が発売される。OVAシリーズの場合は1/144縮尺のキットのみ発売され、価格帯は500円~1,000円前後。アニメーション作品に登場した機体以外にも、『モビルスーツバリエーション (MSV)』 や『ガンダム・センチネル』シリーズ等、豊富なバリエーションがある。また、前述の通り、基本的に番組と並行して商品化されるために主人公機がクローズアップされやすく、反面番組終盤に出てきた機体については商品化しない、もしくは広く商品展開をしない傾向がある。

機動戦士ガンダム』のモビルスーツ等については、バンダイの『ベストメカ・コレクション』という複数の作品のメカ類を扱うシリーズの一部として発売された。1/144ガンダムは同シリーズNo.4である。元祖ガンプラともいえるこれらは初登場以来四半世紀を経てなお再生産が重ねられている。

[編集] 旧キット

これらのうち、1990年代前半ごろまでに発売され、後述するHGやHGUC等に該当しないものは便宜上旧キットと呼ばれている。当時の一般的なプラモデル(というか現在のキャラクターモデルがプラモデル全体では異質ともいえるが)の規格で作られており、システムインジェクション(いろプラ)技術が導入される前のキットはパーツ分割に設定の色分けがほとんど考慮されておらず、3色に色分けされたガンダムの胴体も白単色で成型されていたりなどしたため、設定色のイメージに近づけるのであれば塗装が必須であった。また、スナップフィット技術が導入されていない1980年代半ばまでのキットは、組み立てに接着剤を必要とする。1/100ガンダムでは腹部の装甲が無く、股関節と足首が可動しない(つまり、脚で可動するのは膝のみ)、1/144ザクは足首が可動しない、肩のスパイクアーマーが一体など、後のHGやMGと比べると可動部位が少なく可動範囲も狭い。一部の旧キットであらかじめ必要な塗装を施したフルカラーモデルというシリーズも存在した(ガンプラ生産10周年記念に作られた限定モデルもこの仕様で販売された)。

[編集] FG(ファーストグレード)

後述するような新シリーズの開発によりガンプラが高価格化し、比較的低価格な旧キットは金型の消耗等で生産量をしぼらざるを得ないなか、低価格なキットの供給が不足ぎみになり、入門としての役割を果たすべく開発された低価格キット。単色で構成されたキットであるため、「ファースト」といっても全くの初心者向きではない。接着や塗装などの基本的な(スナップフィットやいろプラが標準的となった中にあっては、より高度な)プラモデル製作技術を学ぶ素材としての意味合いもある。基本的にファンサービスとして低価格でガンプラとしてはマストアイテムにも関わらず当時HGUCで商品化されていなかったガンダムとザクを商品化した節もあり、後続商品の開発は未定である。1999年から2000年にかけて、ガンダムシャア専用ザクII量産型ザクIIが販売されている。デザインはPGのものを流用している。縮尺は1/144。価格は税込みで315円。

[編集] HG(ハイグレード)

ガンプラ10周年記念企画として登場。多色成型によってパーツが色分けされており、塗装が少なくてすむのが特徴のキット。旧キットに比べると可動性やディテールが向上している。発売当初はガンダムガンダムMk-IIΖガンダムΖΖガンダムを、当時の技術水準でリニューアルした、1/144の縮尺のものが発売された。価格帯は1,000円~1,500円。このうちHGのガンダムは多色成形のための特殊金型が劣化したため、2001年5月のHGUCガンダムの発売にあわせ、通常ラインナップとしてはガンプラ史上初の絶版キットとなった。

その後『機動戦士Vガンダム』~『機動新世紀ガンダムX』の1/100キットや『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』の1/144キットにこの名称が用いられている。主な価格帯は1,500円~2,000円。

[編集] HGUC(ハイグレード・ユニバーサルセンチュリー

リニューアル企画としてのHGは主役機(4機のガンダム)のみの展開で終わったのに対し、宇宙世紀(ユニバーサルセンチュリー)作品群のモビルスーツなどを主役・脇役を問わず最新の技術でリニューアルし、組み立て・塗装にかかる負担を減らしてある。価格に関してはキットのボリュームによりまちまちであり、旧来の1/144サイズの製品より基本的に高額ではあるが、比較的安価な普及品を供給しようというコンセプトで展開されているシリーズである。コンセプトデザインはカトキハジメが担当。リニューアルだけでなく、このシリーズで初めてキット化された機体も多い。スナップフィットによって接着剤を使わずに組み立てることが可能で多色成形のパーツとシールにより塗装をしなくても完成する手軽さも売りの一つになっている。1/144の縮図で統一し、コレクション性を重視したシリーズ展開を行い、大型の機体も立体化されている。2004年より、台座を付属させたことが好評となり、台座に対応させたモデルを展開している(ただし一部には、別キットに付属の台座を使用する様に説明書に記載されたアイテムもある)。

本シリーズの企画は「HGグフカスタム」が好調なセールスを記録した事が発端になっている。企画段階ではデザインを全面的にリファインした物を発売するという内容だったがカトキハジメから出されたシリーズ第一弾・ガンキャノンのそれは劇中のイメージを重視した物であった為、シリーズの方向性を現在の形に修正出来たという。初期のシリーズでは「メモリアルアクション」と呼ばれる、差し替えにより劇中のポーズを再現可能なパーツが付属していた。これはシリーズが進むにつれ自然消滅してしまったが、その後は関節そのものの機構や可動範囲拡大による劇中イメージの再現を目指しており、その思想が完全に絶えた訳ではないと思われる(実質OVAに登場した、画面に出ただけの機体や映像媒体以外の機体においては不可能である事も自然消滅の一因だと思われる)。
今後の展開の中には、ゲーム用に描き起されたデザインをU.C.世界に組込み展開させるプロジェクト「ハーモニー・オブ・ガンダム」からの機体もラインナップに加わり、かつての『MSV』的なアイテムが発売される。

  • 機動戦士ガンダムΖΖ』や『ガンダム・センチネル』までの(設定上の)時代の機種がキット化されており、『逆襲のシャア』以降の作品のモビルスーツは未発売である。特に『機動戦士ガンダムF91』と『機動戦士Vガンダム』の時代のモビルスーツは設定上の全高約15mと小型化が進んだという設定から、1/144スケールでのキット化が難しいからではないかともされる。また、シリーズ名で「UC(ユニバーサルセンチュリー)」と謳っているためか、MGやPGで発売されている宇宙世紀作品以外の機体もラインナップに加えられていない。
  • 価格帯は標準的なキットで1,000~1,800円前後。設定上の大きさからより高額なキットもあり、「HGUC1/144サイコガンダム」は全高28cmと巨大で価格は税込みで5,250円、「HGUC1/144ガンダム試作3号機デンドロビウム」は砲身を含めた全長が1m近くにも達し、価格も税込みで29,400円もするガンプラ最大級のキットである。

[編集] HGメカニクス(エイチジーメカニクス)

1/144や1/100の大きさでは完成品が(プラモデルとしては)巨大になってしまうモビルアーマー等を、1/550で商品化したシリーズ。2001年から2002年にかけて「ガンダム試作3号機デンドロビウム」、「ノイエ・ジール」、「ヴァル・ヴァロ」の3種が商品化されている。

[編集] SEED HG

機動戦士ガンダムSEED』のC.E.(コズミック・イラ)世界のMSの1/144高価格キットにもこの名称が用いられている。低価格キット(コレクションシリーズ)と比べ「肩の引き出し機構」等による可動部拡大や変形の再現、クリアエフェクトパーツ、シリーズ共通規格のスタンドが使用可能などといった差別化が図られている。『機動戦士ガンダムSEED』から始まりOVAの『SEED STARGAZER』まで、ラインナップが現在も続いている。シリーズナンバーも49を超えており、HGUCと並んで人気のあるシリーズである。価格帯は1,000円~1,600円前後。

[編集] MG(マスターグレード

  • ガンプラ15周年記念企画として登場。ホビージャパン誌・MAX渡辺氏らが企画協力。縮尺が1/100で、より詳細なディテールをいれ、内部メカもプラスチックパーツにて再現されている。プラモデルキット作成のための金型を流用することで機体のバリエーション展開が行われることが多く、「ジム・クゥエル」のようにほとんど映像作品に登場しない、金型流用でなければ商品化などあり得ない機体が商品化されることもある。HGUCが普及品の位置づけとすれば、こだわった高級品というコンセプトのシリーズである。当初は「究極のガンプラを作る!」というコンセプトの元、最高グレードの位置づけだったが、後にPGの登場により変更され、多くの機種がラインナップされる事となった。また、カトキハジメ独自リファインバージョンのキット「Ver.Ka」や、ゲーム『機動戦士ガンダム 一年戦争』とのタイアップ、かつての人気プラモ漫画『プラモ狂四郎』オリジナルの「パーフェクトガンダム」、さらには『機動武闘伝Gガンダム』に登場したモビルファイターをアクション性を重視しキット化した「FIGHTING ACTION」シリーズや、PGの技術などをフィードバックして初期製品を再度リファインした「ガンダム Ver.1.5」「ガンダムMk-II / Zガンダム Ver.2.0」といったバージョンアップモデルなどといった、ほかのシリーズには見られない商品展開も見られる。そして遂に『機動戦士ガンダムF91』の主役機「ガンダムF91」がリリースされ、こちらは15m級MSのフレームを再現する為に関節にポリキャップを使用せずABS樹脂のみで構成されたフレームやビームシールドや放熱フィンにPET材を用いる等今までにないパーツ構成のキットが販売された。
  • 価格帯は標準的なキットで3,000円~5,000円、一番安いモデルは「ボール Ver.Ka」の2,000円、最高値はMG最大級の「パーフェクトジオング」で10,000円。対象年齢15歳以上。
  • 可変MSについては変形ギミック再現が原則となっており、ガンダム史上最も複雑な変形機構を持つ故に、完全変形でのキット化は(主に価格の問題から)絶望視されていたSガンダム(およびEx-Sガンダム)も完全変形を実現、ファンを驚かせた。
  • 各種イベントにおいて、限定版として「クリアバージョン」「メッキバージョン」が発売されている。
  • MSにゆかりのあるキャラクターを1/20未塗装フィギュアとして同梱することもある。
  • 初期に発売されたMGはAFV的なディテールアップパーツなど、ミリタリー的な傾向があったが、現在ではそのようなパーツは付属しなくなっている。
  • MGのRX-78ガンダムは、Ver.1.0、Ver.1.5、Ver.Ka、ゲーム『一年戦争』版、パーフェクトガンダム未装甲版の5種が存在する(成形色替え・メッキ版は除く)。特にパーフェクトガンダムの装甲を外した未装甲版はアニメ版に一番近い形状を持つ隠れた佳作である。
  • Ver.Kaは現在RX-78ガンダム、ウイングガンダム、ボール、クロスボーン・ガンダムX1の4種が発売されている。クロスボーンガンダムX1については(リアル等身では)初プラモデル化であるが、元々カトキがデザインしたモビルスーツであり、カトキ以外の人物によるデザインのモデルが存在しないので、Ver.Kaを冠する事を疑問を呈する者もいる。これは「機動戦士クロスボーンガンダム」がもともと漫画主体の企画で、サンライズが公式設定に含んでいないため、この様な措置になったと考えられる。Sガンダムも映像化されていないカトキのデザインによるガンダムであるにもかかわらずVer.Kaを冠していないが、こちらは「ガンダム・センチネル」が元々バンダイ主導で始まった企画のためであると考えられる。
  • ボックスアート(箱絵)はCGで製作されているが、設計用の3D形状データをそのままレンダリングしたと思われる質感に乏しい物もあれば、天神英貴らが手掛けたリアルタッチの物もあるなどアイテムにより出来不出来の差が激しい。
  • ゲルググについては、発売当初なかったモールドが追加された為、厳密に言えば2パターン存在する。またズゴックではシャア専用機発売時に一部関節が改良されるなど、意欲的に改良・バージョンアップが行われており、本シリーズがガンプラ、ひいてはバンダイの最新技術を反映した看板製品である事が伺える。ただその最新技術を反映させてマスターグレードでの発売は難しいといわれていたガンダムF91がフレーム等に使用されているABSパーツが組み立て中に破損するという報告がネット掲示板などで多数出ており、品質面の更なる向上と信頼が望まれる。
  • いわゆるファーストガンダムに登場するMSはガンタンクゾックを除き、全て出揃っている。またMSV(モビルスーツバリエーション)はパーフェクトジオングを除いて水陸両用のMSを中心に多数未発売である。また、モビルアーマー(MA)はマスターグレードのラインナップから外れている。

[編集] PG(パーフェクトグレード)

ガンプラ20周年記念企画として登場。縮尺は1/60。ディテールや可動性にこだわった「究極のガンプラ」を目指したシリーズで、特に人気の高い主役機中心の展開になっている。但し、PG第一弾はエヴァンゲリオン初号機。MG以上に内部構造の再現にこだわっているほか、ダイカストなどによる金属部品や発光ダイオードによる電飾を多数用いており、ガンダムで600個超、Ζガンダムでは900個超、ガンダム試作1号機に至っては1200個超(GP-01Fbのパーツも含まれるため)とパーツ数も非常に多い。対象年齢15歳以上。価格帯はもっとも安いスカイグラスパー+エールストライカーセットで税込み5,250円、最高額はGP-01とΖガンダムの税込み21,000円。平均は15,000円。最新作は2005年8月発売のストライクルージュ+スカイグラスパーのセット。

[編集] BB戦士

武者頑駄無やSDサイズのMSといったいわゆるSDガンダムを対象としたノンスケールのガンプラシリーズ。SDということもあって小型のキットが多く、HGUCやMGに比べて低価格の傾向がある。名称の由来は当初スプリングを利用してBB弾を発射するギミックが存在していたため(ただし、弾は後に細長い通常のものに変更になったが)。超機動大将軍編以降はこの弾丸発射ギミックは搭載されてないキットが圧倒的に多くなった。標準的な価格は長らく500円(初期は300円)であったが、最近では600円が主流となっている。主力商品である武者ガンダムシリーズは、最新作の武者番長風雲録が大失敗し、シリーズ全体が風前の灯にさらされている。詳しくは 武者番長風雲録の項を参照。

[編集] そのほかのシリーズ

  • EXモデル(イーエックスモデル)
脇役としてプラモデルではあまり商品化されない戦車戦闘機・戦闘艦艇等を敢えて商品化したシリーズ。コンセプトは後述のLM(リミテッドモデル)と似ているが、通常の金型によるインジェクションキットなので、LMよりシャープな出来である。値段はガレージキットよりは安く、通常のプラモデルよりは高い。縮尺は1/144が主流だが、アルビオンアーガマホワイトベースといった戦闘艦の類やラビアンローズ1/1700で統一されている。機動警察パトレイバー戦闘妖精・雪風エースコンバットシリーズのものも発売された。
2002年より発売開始されたシリーズ。本シリーズにて製品化されているモビルスーツ製品素材はPVCであるため、これ自体はプラモデルではないが、1/400というモビルスーツ単体では最小のスケールによるコレクションのしやすさから、これに対応すべくホワイトベースムサイ軽巡洋艦ビグ・ザムなどが同一スケールにてプラモデル化されている。
これらはあくまでも上記シリーズの一商品であるが、完成させるためには組立を要すること・コンビニでは販売されていないこと等を考慮すると、通常のプラモデルの範疇に入れることが出来る。
  • U.C.ハードグラフ
2006年より発売開始されたシリーズ。ガンダム世界を装甲戦闘車両モデルの代表スケールである1/35で表現する物で、兵士フィギュアや火器・装備品、ワッパなどの車輌やMSの一部分など、ガンプラとしては異色のラインナップである。デザインもリアル指向のアレンジが施され、一部組み立てに接着剤が必要など、近年のガンプラとは違いスケールモデルに近いアプローチのシリーズといえる。
  • ガンプラコレクション
2006年より発売開始されたシリーズ。1/144旧キットを立体縮小技術を用いて1/2サイズ(1/288スケール)で再現している(ただし一部関節は省略されスナップフィット&ボールジョイント化されている)。生産国は中国。ブラインドボックス形態でコンビニ販売だが、素材はスチロール樹脂でパッケージにも「プラモデル」と明記されている。第一弾はガンダム・量産型ザク(ザクII)・武器セットなど10種で、このうち「作業用ザク」は旧キットでは企画のみで実現しなかったアイテムを再現した物である。第二弾はGM・ボール・シャア専用ザクなど10種。第三弾は「DX」と銘打たれジオング・ゾック・ガンタンクなどの大型アイテム9種(シークレットはシャア専用カラー仕様のザクIIマインレイヤーで、ガンプラコレクションとして初のシークレットアイテム)。部品注文サービスは行われていない(ブラインド販売である事とコスト的に非現実的であるためと思われる)。原状ではファースト世代向けの商品ともいえるが、当時出ていた森永の食玩の1/300のMSのプラモ(製造はバンダイ製)を彷彿とさせる商品である。

[編集] 絶版となったシリーズ

放映終了後も度々再販されることから「ガンプラに絶版なし」といわれるが、上記のHGガンダムの他にも、諸事情によりシリーズそのものが廃止された例が存在する。

  • いろプラ
色が異なるパーツごとにランナーを分け、組み立てるだけで塗装した状態に近い雰囲気を楽しめるようにしたもの。1枚のランナーに異なる色のパーツを隣接させるこの技術は、後に複数の素材を成型の段階で一体化させる技術「システムインジェクション」へ発展する。現在ではMGやHGUCなどで当たり前のように使われているが、初めて採用されたのがこのシリーズである。スケールは1/250。小スケールにありがちな関節の固定がされる事がなく、すべて動かすことができた。ガンダム、シャア専用ザク、量産型ザク、グフの4種類が発売された。
なお、同スケールでいろプラ仕様のGアーマーが存在するが、これは絶版ではない。MSVと同時期に発売されたスーパーシステムインジェクションという別シリーズ(ラインナップはGアーマーのみ)である。
  • キャラクターコレクション
初代シリーズの登場人物のフィギュア。スケールは1/20。アムロ、シャア、マチルダ、セイラ、カイ、フラウ・ボウ、ガルマ、イセリナ、ブライト、ララァの10種類が発売された。成型色を透明にして、10種類を一まとめで「ガンダムキャラコレボックス」として一度だけ再販されたことがある。当時、本製品をベースに今で言う魔改造を行ったモデラーも多く、後のキャラクターフィギュア人気のはしりとなった。なお最近のガンプラにも同スケールのキャラクターフィギュアが付属する事が多い。
  • バブルキャストモデル
プラスチックではなく発泡スチロールを使用したモデル。ラインナップは「1/30 高機動型ザクII(黒い三連星専用)」のみ。
  • モビルスーツ戦国伝
SDガンダムではなく、リアル体型(1/144スケール)の武者ガンダム。初期HGシリーズと同様のMSジョイントが使われた。武者頑駄無(ガンダム)・摩亜屈(ガンダムMkII)・仁宇(νガンダム)の3種類が発売された。
  • マイクロガンダム
いろプラで培われた多色成型技術を応用発展し、ランナーについた状態でほぼ組み立て済みであった小型モデル。ある意味プラモデル成型技術の頂点に達したモデルであったが、採算が取れないため絶版となった。当時珍しくファーストガンダムからガンダムとザクがVガンダムと共にラインナップされており、この商品にしか存在しない軽装タイプのフルアーマーガンダムというのもあった、ガンキャノンやグフ、サムソントレーラーの発売予定が雑誌広告に掲載されたが、シリーズ中断で未発売に終る。ファーストガンダムの機体の商品化としての企画は現在の商品群へ引き継がれた模様。
  • LM(リミテッドモデル)
大量需要の見込めない、金型の原価償却の難しいものを敢えて商品化した、簡易金型インジェクションキットのシリーズ。発泡剤を含ませた特殊なプラスチックのためパーツが分厚く、キットによっては事後変形による歪みが発生している。値段は通常のプラモデルと同じ程度であるが、製品の出来具合からすると割高感がある。また、単色成型であり、きれいに仕上げるためには自分で塗装しなければならない。エヴァンゲリオンなど他の作品のキットが多く、ガンプラとしては1996年から1997年にかけて第08MS小隊に登場したボール、ガンダムWガンダムXの登場機が1/144でモデル化された。

[編集] ガンプラにおけるデザイン

架空の存在であるモビルスーツには実物が存在しないため、デザイナーごとに部分ごとの解釈が異なるケースがある。多くの種類のキットが発売されているRX-78-2ガンダムの場合、通常発売されているキットだけでも:

  • 旧キット……1/144、1/100、1/60、1/72(メカニック)
  • FG
  • HG
  • HGUC
  • MG……Ver1.0、Ver1.5、Ver2.0(現段階ではZガンダム、ガンダムMkⅡのエゥーゴ・ティターンズの両バージョンの三体のみ)、Ver.Ka(カトキハジメによる再デザイン版)、Ver.ONE YEAR WAR 0079(ゲームソフト機動戦士ガンダム 一年戦争』に合わせたデザイン)、パーフェクトガンダム(装甲を外すと通常のガンダムが現れる)
  • PG

といった種類がある。旧キットはアニメ設定に準拠した物になっているが、MG以降はそれぞれに細部のデザインが異なっている。

特に差異の大きいのが股関節部分およびその周囲の装甲のデザインで、旧キットではほとんど動かない股関節を、HGUC・MG・PGでは周囲の装甲を分割しそれぞれ動かせるようにして股関節をボールジョイントで動かせるように改良している。他にも肘・膝などを複数の関節に分けることで、例えばMGでは背中のビームサーベルを直につかむポーズ付けが行えるようになっている。

もともとアニメの作画において、アニメーターはモビルスーツの関節をまるでゴムで出来た部品が柔軟に変形するようにデフォルメして描いていた。そのため、モデラーが名シーンのジオラマを作る際には、プラ板やパテなどを用いて関節部をアニメの描写に合わせて改造しポーズの固定を行う。しかしプラモデルを動かして遊ぶ上でそうもいかない場合もあり、まして3DCGを用いたゲームソフトにモビルスーツが登場するようになると、ポリゴンモデル化したモビルスーツが「金属で出来た機械として」自然に動くようにしなければならない。こういった事情によって、RX-78-2ガンダムなど初期の作品に登場したモビルスーツのデザインには、特に関節部に大幅なアレンジが施されるようになっている。MGアッガイのように、イラストの中だけであったいわゆる「体育座り」を実現させるために、立った状態を一見しただけではわからない様々な仕掛けを関節部に隠しているものもある。

Ζガンダムなどの可変モビルスーツのような複雑な構造を持った機体のプラモデル化も試行錯誤の連続である。精度や強度の問題から、アニメ中の設定とは異なる変形方法(例えばパーツ形状の変更や差し替え式の変形など)を採るケースも多い。高価格を利用して技術面での追及を行うPGからMGやHGUCへのフィードバックが行われることも多い。MGガンダムMk-IIVer2.0がPGストライクガンダムの装甲スライド機構を応用してアクション性を高めたような、シリーズを超えた技術転用がなされることもある。

[編集] ガンプラの素材

ポリスチレン(PS)が最も基本的な素材として用いられる。多くのキットでは関節部の受け側に柔軟性に優れたポリエチレン(PE)が用いられ、「ポリキャップ」と呼ばれる。塗装の代わりにシールなどで色や模様を付けることが多い。HGの一部やMG・PGでは関節部やフレームなど力がかかる部位にABS樹脂が用いられる。MG以上ではこれ以外にも、

さらには発光ダイオード(LED)なども使用される。プラモデルも参照。

[編集] ガンプラの金型

特にMGやPGにおいては、金型流用によるバリエーション展開が頻繁に行われる。例えばガンダムMk-IIエゥーゴティターンズ両カラーのキットや、兄妹機であるエールストライクガンダムとストライクルージュといった単純な色違いだけではなく、ウイングガンダムゼロエンドレスワルツ版)とウイングガンダムVer.Kaの様にランナー単位でパーツを差し替えると言う事まで行われている。

この理由のひとつに、金型の制作費用が非常に高価であることが挙げられる。ガンプラの場合、典型的なキットの金型を1キット分作るのに数千万円、大規模なキットになると億単位の費用がかかるという。木型から型を起こしていた旧キット時代と違ってCADによる設計・ラピッドプロトタイピング(光硬化性樹脂を用いて立体物を試作する装置)による試作などが取り入れられるようになったとはいえ、デザイナーと専門工の人件費等のコストと時間が非常にかかるものであることに変わりはない。

なお、金型の流用およびその理由はガンプラ特有のものではなく、他のジャンルでも見られることを補足しておく。

この金型の制作技術は、バンダイが1969年に今井科学の静岡工場と金型を買収して以来培ってきたものでもあり、他の玩具の生産拠点を中国など日本国外に移転するようになった後も、静岡工場を中心とした日本国内での生産にこだわっている。ガンプラが "MADE IN JAPAN" であるということは、プラモデル売り場のポスターなどでも強調されている。

バンダイの静岡工場は、2006年に静岡市清水区から静岡市葵区の新工場に移転し、「バンダイホビーセンター」として稼動を開始した。見学の受付も行われている。

[編集] ガンプラを扱った漫画作品

1981年創刊の児童向け漫画雑誌「コミックボンボン」はガンダムシリーズ、特にガンプラとのタイアップによって爆発的な人気を博した。これに連載された『プラモ狂四郎』は改造したガンプラで戦うという趣向の作品で、登場したパーフェクトガンダムやパーフェクトジオングは『モビルスーツバリエーション』と連動して後に商品化、さらにMG版も発売されている。

これらとは別に、以下のような作品でもガンプラが登場している。

  • ケロロ軍曹
    アニメや特撮のパロディにあふれた本作では、地球侵略を企んでいるはずの宇宙人がなぜかガンプラに没頭している。特にMGシリーズのキットを好んでいるが、作者がガンプラ好きであるがゆえに、あえてキット化されていない通好みの機体のMGを製作していることも多い(これは製作側の願望も込められているが、MGが基本的に1/100スケールであることを考えるとかなりの大型になるであろうガンダム試作3号機(デンドロビウム)グワジンまでも登場している)。なおグフは漫画でケロロが要望した後に、そしてボールアッガイギャンはアニメ登場後にそれぞれ実際にMGのラインナップに加わった。アニメ版はガンダムと同じサンライズが制作しているので作中でも堂々と登場している(ガンプラをネタにした話も放送される)。またバンダイから発売された1/6ちびケロ(ケロロの幼少期)のプラモデルには同縮尺のガンダムザクのプラモデルが付属している(ガンダムは外箱やランナーまで再現されており、これが後のガンプラコレクションに繋がったと見られる)。
  • げんしけん
    おたくサブカルチャーをテーマに据えた中において登場。 グフ制作が中心の話が掲載された。なおアニメ版では大人の事情で架空のロボットアニメのプラモデルに差し替えられた。
  • スクールランブル
    登場人物の1人である女子高生が趣味としている。
  • ハヤテのごとく!
    登場人物の1人である教師が暇さえあれば作っている。
  • 代紋TAKE2
    登場人物の1人である暴力団組長、江原真悟が暇つぶしに1/100MGガンダムを作っている。作品は1980年代が舞台であるため、当時流行した様々な文化や風俗が登場する。これもその一つで、ガンプラブームの時期であることを描こうとしたと思われる。当時は存在しないMGを使ったのは単に考証ミスなのか、見栄えを優先させたのかは不明。
  • バンビーノ!
    主人公バンビーノ(伴省吾)が暇つぶしと現実逃避のためにMGシャア専用ザクとMGグフを製作した。

[編集] ガンプラに造詣の深い著名人

[編集] 参考文献

猪俣謙次・加藤智共著、メディアワークス

ガンプラ発売前夜からガンプラブームまでを、バンダイ模型内部の視点から描いた開発秘話。

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク


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