民族紛争
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民族紛争(みんぞくふんそう、Ethnic war、ethnic conflict)とは、民族が異なるとする人々の間で起こる紛争のことをいう。複数の民族間の武力抗争、少数民族の政治化した紛争、複数国家に分離させられた民族間の対立などがある。
民族間対立が引き金となって起こるとされるが、その発生要因には民族間における宗教や政治、歴史、経済的な対立などの多様な背景があり、本来は同じ民族であるが、対立する組織を味方の組織と区別するために、民族という区別を持って紛争を遂行することもある。
冷戦中から東西陣営の代理戦争も含めて世界各地で発生していたが、冷戦終結後も頻発している。通常の国家間の戦争以上にジェノサイドなどの戦争犯罪につながる可能性が高い。武力衝突やテロリズムにまで至らない対立した状態のこともいう場合がある。
[編集] 世界の主な民族紛争
- 北アイルランド紛争:アイルランド人とイギリス人の対立
- アフガニスタン紛争:パシュトゥン人、タジク人、ハザラ人、ウズベク人の対立とイスラム教シーア派・スンニ派の対立
- アルジェリア紛争:政府系イスラム教徒と反政府系イスラム教徒の対立
- キプロス紛争:ギリシャ人とトルコ人の対立
- クルド人問題:トルコ、イラク、イランにおける少数派クルド人と各国の多数派住民の対立
- スリランカ問題:少数派タミル人の組織タミル・イーラム解放のトラ(LTTE)と多数派シンハラ人の多い政府の対立
- ソマリア内戦:氏族と呼ばれる権力者間の対立
- チェチェン独立紛争:チェチェン人とロシア人の対立
- バスク問題:スペイン北西部のバスク人(ETA)とスペイン本国の対立
- 旧ユーゴスラビア紛争:連邦からの独立に伴う紛争と連邦分解後の多数派住民と少数派住民の対立
- ルワンダ内戦:フツ族とツチ族の対立