法華三部経
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基本教義 |
縁起、四諦、八正道 |
三法印、四法印 |
諸行無常、諸法無我 |
涅槃寂静、一切皆苦 |
人物 |
釈迦、十大弟子、龍樹 |
如来・菩薩 |
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部派・宗派 |
原始仏教、上座部、大乗 |
地域別仏教 |
インドの仏教、日本の仏教 |
韓国の仏教 |
経典 |
聖地 |
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ウィキポータル |
法華三部経(ほっけさんぶきょう)は、大乗仏教の経典群である。法華経十巻、妙法蓮華経並開結(みょうほうれんげきょうならびにかいけつ)とも称される。
この三経を以て一体の経とするのは天台智顗の所説に由来しているとされ、日本の天台宗や、日蓮宗・日蓮正宗等の法華宗各派においては、三経一体説を教義とし、所依の経典としている。その説とは、
- 鳩摩羅什による漢訳の妙法蓮華経は、「釈尊が最終的に開示した最高の教えである法華経」の主題部として構成的に訳出されており、一経だけで完結した内容とはなっていない。すなわち無量義経一巻を開経とし、妙法蓮華経八巻二十八品を根幹部分とし、仏説観普賢菩薩行法経一巻を結経とする三部をもって、羅什訳の法華三部経は完結する
ということである。
しかし、近年の研究によると『無量義経』に関しては、その成立は『法華経』の成立よりも後であるとされている。また内容的にも法華経序品には、単に以下のくだりがあるだけである。
- 「諸の菩薩の為に、大乗経の無量義、教菩薩法、仏所護念と名づくるを説けり。仏、此の経を説き已りて、結加趺坐し、無量義処三昧に於て入り、身心動ぜず。」
観世音菩薩普門品は独立経典であった可能性を説く学者もおり、法華経に編入される折、妙音菩薩品と対で納められたという説もある。陀羅尼品の解釈をめぐっては、諸説あり、密教的解釈をする説もある。陀羅尼は事実上、真言であり密教典に通ずるともいわれている。また、羅什は『無量義経』の翻訳はしていないことを考え合わせると、その時代には三部経は存在しなかったのかもしれない。
- 法 華 三 部 経
- 序文 【開経】 無量義経徳行品第一
- 正宗文 無量義経説法品第二
- 流通文 無量義経十功徳品第三
- 一経三段 二門六段 【本経】 妙法蓮華経 一部八巻二十八品 (法華七喩)
- 序文 迹門の序文 ・序品第一 一巻
- 正宗文 迹門の正宗文 ・方便品第二
- │ ・譬喩品第三 二巻 (三車火宅喩)
- │ ・信解品第四 (長者窮児喩)
- │ ・薬草喩品第五 三巻 (三草二木喩)
- │ ・授記品第六 真読 訓読 るふ ※
- │ ・化城喩品第七 (化城宝処喩)
- │ ・五百弟子受記品第八 四巻 (衣裏繋珠喩)
- │ ・授学無学人記品第九
- 迹門の流通文 ・法師品第十
- │ ・見宝塔品第十一
- │ ・提婆達多品第十二 五巻
- │ ・勧持品第十三
- │ ・安楽行品第十四 (髻中明珠喩)
- 本門の序文(後半から) ・従地涌出品第十五
- 本門の正宗文(一品二半) ・如来寿量品第十六 六巻 (良医治子喩)
- 本門の流通文(後半から) ・分別功徳品第十七
- │ ・随喜功徳品第十八
- │ ・法師功徳品第十九
- │ ・常不軽菩薩品第二十 七巻
- │ ・如来神力品第二十一
- │ ・嘱累品第二十二
- │ ・薬王菩薩本事品第二十三
- │ ・妙音菩薩品第二十四
- │ ・観世音菩薩普門品第二十五 八巻
- │ ・陀羅尼品第二十六
- │ ・妙荘厳王本事品第二十七
- │ ・普賢菩薩勧発品第二十八
- 【結経】 仏説観普賢菩薩行法経