泰安
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山東省内の泰安の位置(オレンジ色) |
泰安(たいあん、タイアン、簡体字:泰安、ピンイン:Tài'ān)は、中華人民共和国山東省の西部に位置する地級市である。封禅の儀式が行われる山で五岳のひとつ・泰山が位置し、道教・仏教の中心としても多くの文化人や参拝客を集めてきた。人口は549万9,000人(2004年調査)、中心部の市街地・泰山区の人口は61.3万人(2002年末)。人口の98.7%が漢族で、他は1.02%が回族など。
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[編集] 地理
面積 7,762 平方km。東経116度02分から117度59分、北緯35度38分から36度28分にかけて広がる。東西176km、南北93kmの市域は全体に山がちで、中央に泰山が位置する。
北は省都・済南、北東に莱蕪、東に淄博、東南に臨沂、南に済寧と接する。西は聊城市、および黄河に接し、その向こうは河南省である。
泰安は大陸性気候で、モンスーンの影響を受ける。平均気温は、最低が -2.6度(1月)、最高が26.4度(7月)、年平均降水量は697mmである。
[編集] 歴史
泰安は新石器時代の大汶口文化に属する出土品が見つかっている。春秋時代と戦国時代には斉や魯が支配した。秦は博陽と名づけ、泰山のあるこの地を重要視した。
唐は乾封県を、北宋は奉符県を、金は泰安軍を、明は泰安州を置き後に泰安県とした。
1958年に泰安市となり、1963年に一旦県になったが、1985年に地級市・泰安市が設置された。
泰山の宗教的・政治的重要性については、泰山を参照。
[編集] 経済
機械製造、鉱業、冶金、化学工業、建材製造などが主な工業活動。山東省の重要な炭鉱地区・鉄鋼業地域である。鉱業資源は、石膏、天然硫黄、石炭、石灰石、石綿など。石膏・硫黄は中国でも生産高が首位である。
また、農業も盛ん。肥城の桃(佛桃)、泰山の赤鱗魚・赤霊芝・板栗(栗の一種)などは有名。また漢方薬の原料も採取される(四大名薬:何首烏、紫草、黄精、四葉參)。
[編集] 交通
泰安の泰山駅は、北京・上海を結ぶ京滬鉄路上にある。また辛泰鉄路、泰肥鉄路がここで交差している。道路は泰莱高速(泰安 - 莱蕪)のほか、北京・上海間の京滬高速、北京・福州間の京福高速などが交差する。120km北には済南空港がある。
[編集] 行政区画
2区、2市、2県を統轄する。
- 区
- 泰山区・岱岳区(岱嶽区)
- 市(県級市)
- 新泰市・肥城市
- 県
- 寧陽県・東平県