清風南海中学校・高等学校
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
清風南海中学校・高等学校(せいふうなんかいちゅうがっこう・こうとうがっこう)は学校法人清風南海学園が運営する男女共学の私立の中高一貫校である。
目次 |
[編集] 概要
元々は南海電気鉄道により創設された南海高等学校を母体とするが、1963年に清風学園に経営移譲され、現在の形態となる。大阪府高石市綾園に位置する男女共学の進学校で、元々は男子校であったが、1999年度より中学校が、そして2002年度より高等学校も共学となった。
創立以来、平成の初め頃までは、大阪府立高校の、各学区のいわゆる「トップ校」の「滑り止め」の地位に甘んじていたが、最近10数年の大学進学実績の伸びはめざましく、府立のトップ高校(北野高校・三国丘高校・天王寺高校など)を凌駕し、大阪を代表する進学校となった。近年では東京大学、京都大学をはじめとする主要大学に多数の合格者を出し、(2006年東京大学、京都大学合格者数では)大阪星光学院に次ぐ、大阪府下第2位であり、その大阪星光学院も抜かさんとする勢いである。事実上医学部に進学しない文系クラスにおいても5~10名在籍するなど、比較的、医師の子弟が多い。
名前からもわかるように、清風学園(清風中学校・清風高等学校)の姉妹校・清風明育社(清風情報工科学院(専修学校))の系列校でもある。創立者は平岡宕峯(本名平岡静人、故人)、現在の学校長は世襲息子の平岡正巳。そのため、教育方針、行事など、清風学園と重なる部分が多い。仏教の戒律の精神に基づく厳格な学則は、つとに有名である。
また、近年の社会事情に反して、中学校からの内部進学者では理系希望者が全体の約4分の3と非常に多いのも特徴である。
[編集] 建学の精神
『徳・健・財、三拍子そろった姿でルールを守り、世の中のために尽くす人間となるために、勤勉努力する理想的な人材を育成する。』
[編集] 構成
- スーパー特進コース
東大理III、理I、文I、京大医学部、理学部など難関国公立大学超難関学部現役合格を目指すコースで、1学年あたり約40名(中学)。
- 特進コース
東大、京大、阪大、神大など難関国公立大学現役合格を目指すコースで、1学年あたり約190名。
[編集] 概要
(以下、括弧内は公式HPより。)
- 六年一貫教育
『中・高の6年間を一つの流れとしてとらえた一貫した独自のカリキュラムを実践します。教育内容の密度の高さや効率のよさが、志望大学合格に向け、じっくりと取り組むことのできる環境を作り出しています。 』
- 男女共学
『平成11年度より中学校は男女共学を実施しています。これからの社会では男女ともに優秀なリーダーとして活躍してゆかなくてはなりません。実施以来、男女それぞれが自分自身の可能性を探り、お互いの学ぶ姿に刺激を受け、新しい活気が広がっています。なお、高校は平成14年度より男女共学に移行しています。』
- 「授業第一主義」の学習指導
『中高共に60分授業で、一日6時限(土曜日は3時限)の週33時間授業を基本とした授業第一主義を徹底しています。一人一人の生徒の潜在能力とその無二の能力を生かすカリキュラムこそ教育の根幹と考え、個々の生徒の個性を大切にし、学力が大きな創造力を生み出す学習指導を行います。さらに少人数制の個別教育、教師と生徒のコミュニケーションから生まれるきめ細やかな個人指導や特別補習、放課後のマンツーマン指導も充実しています。 』
- 生活指導の徹底
『将来の指導者としてふさわしい人間育成のための厳格な訓育を実践しています。品位のある粘り強い精神を育みます。また、ホームルームでは心のふれあいを大切にし、一人一人を尊重する心を養います。 』
- 心の教育と体力向上のための学校行事
『幅広い人間性やリーダーシップを育んだり、仲間作りができたり、教室内の学習と違った学習の機会も大切にしています。学校行事を通しての体験学習は、心と身体を鍛えることはもちろん協調性やふれあい、ボランティア精神など、リーダーとして必要な要素の育成に役立ちます。 』
- 大学進学指導(高校)
『過去の実績と豊富な大学進学資料をベースに、難関国公立大学現役合格を目標にした学力アップのための授業時間をしっかりと確保し、学習内容の先取りによる、ゆとりのあるシステムと進路指導の徹底をはかっています。 -高2から、進路の希望により文系・理系のコースを選択し、学力、希望等による指導を導入します。 - 定期考査、実力テスト(1・2年)、模擬試験の結果を分析し、日常の学習の取り組みに関する個別指導をおこないます。 - 夏期休暇中における勉強合宿を実施します。 』
- 勤労体験学習(中学校)
『約1,000㎡の畑で、農耕作業を通して勤労の尊さと収穫の喜びを体験させ、植物を育てることを通して、生命を大切にする心を育てます。』
- 生きた国際性の育成
『留学希望者に対し、海外留学制度(短期交換留学約40日)を設置し、これからの時代を見据えた国際感覚を養います。また、外国人教師による英会話指導の充実をはかり、英語によるコミュニケーション能力をつけます。 』
[編集] その他
- 卒業式では、校長の父平岡宕峯(静人)の生前の声が流される。
- 入学式、卒業式では、生徒に君が代の起立、斉唱を義務付けている。
- 学園祭は許可されていない。
- 「PTA」を創設をしようとしても、当該団体を学校側が「PTA」とは認めない。
- 野球部の創設は許されていない。
- 生徒会の創設は許されていない。
[編集] 著名人
- 貴志祐介 - 作家。「黒い家」で、第四回日本ホラー小説大賞受賞。京都大学経済学部卒。)
- 阪口伸六 - 高石市長。堺市との合併反対を表明して立候補し、当選。議会と対立し辞任するも、その後行われた市長選で対立候補が出ず、無投票で再選。
- 山田隆道 - 作家(放送作家)、コラムニスト、脚本家、プロデューサー、漫画原作者など。
[編集] 関連項目
- 平岡正巳 - 清風南海学園校長。
- 平岡英信 - 清風学園・清風南海学園理事長。
- 南海電気鉄道 - 学園の創立に深く関わるも、1980年代後半に学園経営から撤退。
- 大阪府高等学校一覧
- 清風学園 - 姉妹校
- シーズマリン -関連企業