湘南爆走族
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ウィキポータル |
日本の漫画作品 |
日本の漫画家 |
漫画原作者 |
漫画雑誌 |
カテゴリ |
漫画作品 |
漫画 - 漫画家 |
プロジェクト |
漫画作品 - 漫画家 |
『湘南爆走族』(しょうなんばくそうぞく)は、吉田聡を代表する漫画作品、及びそれを原作とした映画とアニメ。「少年KING」(少年画報社刊)に1982年から1988年まで連載されていた。略称「湘爆」。
目次 |
[編集] 概要
神奈川県の湘南海岸を舞台とし、2代目リーダーの江口洋助をはじめとする暴走族「湘南爆走族」メンバー5人と、地獄の軍団など他の暴走族などの登場人物やグループを中心に友情や恋愛などを描いた漫画。ギャグの割合が多いものの、喧嘩やバイクバトル等の描写、グループ間の抗争などシリアスなストーリーも見られる。不良・ヤンキー・暴走族漫画の原点とも言える作品で、後々の同ジャンルの漫画に、現在に至るまで多大な影響を与え続いている。
主人公である江口の一人舞台になる事は少なく、他のメンバーやライバル達も各々の個性を確立せさ、それぞれのキャラをクローズアップしたストーリーが見られるのも本作の特徴。連載ではギャグメインで一話毎に単発で完結するのが基本だが、 江口と権田のタイマン勝負、ボクシングに打ち込む権田のエピソード、族同士の抗争編など、シリアスな展開の数話に渡る長編もある。
1982年3月、「少年KING3号」で読み切りとして登場した。その後、同年12月、正式に連載が開始された。 単行本は16巻。別巻が1冊。湘南爆走族を中心とした「月刊·湘南爆走族」も発刊されている。
1987年に江口洋介主演で、実写映画化され、それに平行してOVAも12作製作されている。 補足として、時折「江口洋介の芸名は湘南爆走族の江口洋助から取った」と誤解している人がいるが、「江口洋介」は本名であり、本作における役名との一致は偶然の産物である。
スピンオフ作品として、江口達と同じ時期に高校生だった5人組の活動を描いた、「湘南グラフティ」が1998年から1999年に掲載された。
ヤングキングに連載された「荒くれknight」は、本作のリメイク的要素の強い、いわばセルフカバー作品。
[編集] 登場人物
カッコ内はOVAの出演者
- 江口洋助(第1作:翔。2作目以降:塩沢兼人。)パチンコ版:緑川光
- 湘南爆走族2代目リーダー。紫色のリーゼントパーマ(通称スーパーリーゼント)が特徴。手芸の腕はプロ級で、波打際高校第25代目総番にして、第25代目手芸部部長でもある。通称「手芸のえっちゃん」。喧嘩の強さやバイクの腕前は常軌を逸しており、バイクに乗らせば関東一。中学時代から喧嘩は強かったが、いたって真面目で不良とは遠い存在であった。手芸店へ買い物に行く途中、彼の自転車の運転技術が後継者を探していた桃山マコの目に止まり、2代目リーダーを襲名する事になる。字が下手で、手芸部に入部する際に書いた入部届の名前を、先代の部長は「ミエロシ ヒツジスケ」と読んでいる。愛車はGS400改ファイアパターン仕様とパッソル。ヤナギヤポマード愛用。
- 石川晃(第1作:塩沢兼人。2作目以降:山口健)
- 湘南爆走族親衛隊長。太い眉毛に3色メッシュが特徴。元·赤潮中学の番格。血の気が多く短気、中学時代は先生生徒見境無く暴力を振るい孤立、友達も居なかったためギターで寂しさを紛らわす一面も・・・。しかし波打際高校に入学後、一匹狼である彼が唯一憧れ、参加を夢見ていた初代湘爆が解散し、無名の江口洋助が2代目を継いだ事に納得がいかず、(一方的に)リーダーの座を賭けてタイマンを張り敗北。その後、江口に心酔し2代目湘南爆走族に参加。通称「弾丸小僧」。愛車はCB400T改。実家は八百屋。ケイバポマードを愛用。趣味は人生ゲーム。機械音痴らしく、家電品を触るとなぜか壊してしまう。
- 丸川角児(佐藤正治)
- 湘南爆走族特攻隊長。モヒカン頭が最大の特徴。元·師用中学の番格。普段はひょうきんな性格で、中学時代の後輩や友人からの信頼も厚い。通称「踊るケンカ屋」。その反面、女関係では良い目にあった事がない為、何度か女の子を紹介してもらっているが、上手くいかない(だが、なぜか違うクラスの女の子から年賀状を毎年貰っていて、他のメンバーから冷やかされている)。愛車はKH400改ロケットカウル仕様。モヒカンは初代特攻隊長譲りで、モヒカン頭は誰よりも目立つゆえ、標的にされやすい。喧嘩するのなら俺から狙えという、特攻隊長としての決意表明であり、ヘルメットまでもモヒカン仕様である。オレンジポマードを愛用。
- 原沢良美(郷里大輔)
- 湘南爆走族リーダー補佐。体格の大きさ(原作の設定では182cm)が特徴。元·近遠中学の番格。実家の商売が工務店のせいか、怪力無双のパワーを持つ。通称「怒涛の怪腕」。メンバーの中で最もオッサン臭く、桜井信二の父親と間違われたことも・・・。江口洋助と初対面した時、ケンカを売って蹴り一発で倒される。親父がうるさいため免許は持たず、いつも桜井信二の後ろに乗り旗持ちをしている。褌愛好者。渚と言う可愛い彼女がいて、長距離恋愛中。バイタリスヘアリキッド愛用。
- 桜井信二(第1作:山口健。2作目以降:目黒光祐)
- 湘南爆走族·その他。角刈り頭と防塵マスク、細い目が特徴。元·近遠中学の番格。メンバーの中で最も目立たないが本人いわくチームの隠し味。やさしそうな顔とは裏腹に喧嘩は強い。実家は新聞屋。愛車はGT380。
- 津山よし子(鶴ひろみ)
- 波打際高校手芸部副部長。真面目な性格で、部長でありながら部に出てこない江口洋助を常にサポートしている影の部長である。江口洋助とはお互いに意識しあう微妙な関係だったが卒業目前にして淡い恋を実らせた。
- 三好民子(富沢美智恵)
- 波打際高校手芸部員。石川晃の恋人。積極的な性格で、喧嘩している石川晃を止めようとすることも度々ある。通称「タミー」晃は「民さん」と呼ぶ。手芸部では、少ない運営費の中、部を切り盛りしている凄腕会計。
- 茂岡義重(玄田哲章)
- 湘南爆走族OB。湘爆初代親衛隊長であり、元波打際高校総番。今はラーメン屋「じぇんとる麺」の店主。湘南爆走族メンバー5人の溜まり場がじぇんとる麺になっているせいか、最も登場頻度が高いOB。メンバーの悪乗りに巻き込まれる事も多い。本人が全く知らない所で、店が周辺の不良達の聖地のような存在になってしまっていて、この店でラーメンを食べる事が一種のステータスとなっている。
- 権田二毛作(屋良有作)
- 地獄の軍団·総長。園都成高校生徒会長兼ボクシング部の主将で校内ではかなりの人気者である。岸本葵という恋人がいる。
- 湘南にその名を轟かすほどのツッパリであるが、生真面目でバイトが趣味と意外な一面もあり、彼の人生はタイムカードで刻まれてるともっぱらの噂である。
- 江口洋助と会うと、いつも喧嘩になるが、お互いに一目置いており良きライバル関係である。
- 湘爆を倒し湘南No.1チームに踊り出るが悲願であるが、残念ながら連戦連敗でNo.2チームに甘んじている。
- 上記の通り江口とのサシの勝負も連戦連敗だが、本気を出した場合の実力は拮抗している。
- 愛車はRZ350(初期型)だったが、江口とのタイマンレースで大破し、必死になって稼いだバイト料でGPZ400Fに買い換える。バルカンポマード愛用
- 瀬島渉(大塚芳忠)
- 地獄の軍団·副総長。常に「呪」のマスクをかけている。園都成高校の生徒では無いが、常に園都成高に来ていて権田二毛作の身の回りの世話をしている。総長の権田がワンマンであるため、理不尽な命令が多く苦労が絶えない。
- 向田正平(田中和実)
- 波打際高校の教師。生活指導主任。江口洋助他湘爆メンバーとの衝突が絶えず、二代目湘爆の天敵である。連載中の荒くれKNIGHTにもゲスト出演している。
- 徳竹俊二(風間信彦)
- 波打際高校の教師。江口洋助の担任。真面目な性格であり江口洋助が苦手。避難訓練では生徒そっちのけで熱くなっていた。
- 大仏(川津泰彦)
- 名前通り大仏そっくりの体育会系教師。ちなみに「おさらぎ」と読む。かなりの武闘派らしく、お礼参り返り討ちの連勝記録を作っている。
- 桃山マコ(藤巻恵理子)
- 湘南爆走族初代リーダー。抜群のライダーテクニックを持ち「バイクに乗らせりゃ関東一」は江口以前は彼女の代名詞であった。茂岡の作ったチームに自らリーダー希望で勝負を挑む、自信があった茂岡をいとも簡単にブッチぎり、湘爆初代リーダーを襲名。引退後は短大を卒業し東京でOLをしていた、その後湘南に戻り茂岡と結婚。
- 桃山勘吉(戸谷公次)
- 交通機動隊に所属する警官。暴走族が大嫌い。初期は殆どサイボーグだったが、途中からマトモな人間になっている。通称「モモカン」「鬼の桃山」。桃山マコの父親。マコに引退をさせるため、泣く泣く江口の2代目襲名の後見人になった。
- 江口啓助(田中亮一)
- 江口洋助の兄。普通のサラリーマンだが、喧嘩が強く、洋助はいつも泣かされている。
- 無敵の洋助が全く勝てない強さから察するに原作最強キャラと推測される。
[編集] 登場グループ
- 湘南爆走族
- 茂岡義重らが中心になり結成したグループ。初代リーダーは桃山マコ。「湘爆」と略されることが多い。初代の構成メンバーは、湘南近辺で他の暴走族が頭を下げて入団を頼んでも無視する程の猛者達や、横浜で小規模ながら気合の入った走りをしていた暴走族達であるが、茂岡の顔と桃山マコの魅力の下に湘爆を結成。
- 結成当時の時代背景として、単車のチームは暴力全盛を極めており、喧嘩で名を上げた猛者達が女リーダーの下「走り専門」の看板を掲げる異色のチームだった。
- 2代目の構成メンバーは、江口洋助に心酔した湘南地区の中学校の元番格達で、メンバーは5人と少ないが、湘南で第1勢力を誇り、初代に勝るとも劣らない。
- 『湘爆だー!当たると痛ぇぞー!!』というセリフと、同じコマ内に大きく強調される一つ星が象徴的で、初代から2代目にかけて作中で幾度となく使用されている。走りがメインのチームで自分達から喧嘩を売ることは殆ど無いが、いざ勝負事になったらバイクでも喧嘩でも負ける事はないという、シンプルながら絶対の自信を表した一言。初代では茂岡、2代目では原沢や晃など、リーダー以外のメンバーが主に発する。
- 最終回にシルエットだけだが、3代目リーダーが登場している。だが、構成メンバー等は不明。
- 地獄の軍団
- 前身は「地獄の番人」。暴力全盛の時代に暴力でのし上がって来たケンカーチームの名門中の名門であり湘南の第2勢力。
- 初代湘爆が結成されるまでは、第1勢力を誇っていたと思われるが、湘爆結成式での妨害に失敗以来第2勢力に甘んじている。初代総長は釘咲で結成当初から目の上のタンコブである大の赤星(湘爆)嫌いである。
- 2代目総長は権田二毛作。
- 非故烈斗(ピコレット)
- 初期に度々登場する湘南の暴走族だが、江口洋助や権田二毛作にやられっ放し。地獄の軍団の対抗チーム。旗には『暴走革命非故烈斗』とある。
- 参保悪流(サンポール)
- 初期に度々登場する湘南の暴走族だが、非故烈斗と同じく江口洋助や権田二毛作にやられっ放し。非故烈斗と敵対してる。
- 壱軸冠蝶(いちじくかんちょう)
- 後期に度々登場する湘南の暴走族。権田二毛作が事故を起こして入院した時、「壱軸新聞」なるものを作って町中に貼って回り、権田二毛作が入院した事を広めたりした事がある。そのため、このグループの総長は結構根が暗いと言えよう。
- 斜輪乱(シャワラン)
- 2度登場した湘南の暴走族。他の暴走族に比べ規模も小さく、江口や権田に対して敬語で挨拶するなど、存在感は非常に薄い。
- ハッスルジェット
- 横須賀の暴走族。「仲間」を重視したチーム。二輪180台、四輪20台の大所帯。湘南から見て東の要であり、東からの勢力を食い止めるような位置付けだったが、総長がアメリカに旅立った事で解散。
- 武羅帝卑異流(ブラディヒール)
- 横浜の暴走族。「走り」を重視し、横須賀ハッスルジェットと仲が良かったが、ブラディヒール総長の入院を最期に、現在の副総長である火影彫二により「ケンカチーム」となり、湘南の統一・「南部連合」創立を目指した。喧嘩では手段を選ばぬ残虐な姿勢と人海戦術で、湘南の暴走族を次々と連覇、地獄の軍団までも潰したが、ついには湘爆に叩きのめされ解散。しかし火影は江口とのタイマンで不気味なほどの驚異的打たれ強さを発揮した。
[編集] 実写版キャスト
- 江口洋助 江口洋介
- 石川晃 織田裕二
- 津山よし子 清水美砂
- 三好民子 杉浦幸
- 丸川角児 村沢寿彦
- 原沢良美 我王銀次
- 桜井信二 佐藤健
- 茂岡義重 須藤正裕
- 桃山マコ 杉本彩
- 権田二毛作 翔
- その他の出演者
- 竹内力
- 小沢和義
- 国広富之(友情出演)
- 松崎しげる(友情出演)
[編集] 実写版映画のテーマ曲
織田裕二がバンド演奏をしながら歌ったテーマ曲「Boom Boom Boom」があった。この曲でミュージックステーションにも出演している。
[編集] パチンコ台
2006年秋に大一商会よりリリース、全国のパチンコ店に設置された。ゲーム性が話題となったものの、後に爆走編にて回転体の特定の位置でのベロ入賞を狙った攻略法が問題となり、撤去したもしくは学園編に差し替えた店が続出してしまった。