漂流・漂着ごみ
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漂流・漂着ごみ(ひょうりゅう・ひょうちゃくごみ、Marine Litter)とは、海洋を漂流しているごみ及び海岸に漂着したごみの総称のことである。
[編集] 概要
正確な実態の把握はなされていないものの海洋には無数のごみが漂流していると考えられており、それらの一部は海岸に漂着して沿岸地域への被害をもたらしている。これら漂着ごみの構成は多岐にわたっているが、主に漁業活動から発生するごみ(発泡プラスチック製の浮きや魚網など)や、側溝や河川などを経由して海に流れ出た生活系のごみ(主にペットボトルなどの使い捨て包装容器)などから成っている。
近年日本海沿岸では、簡体字やハングル、ロシア語で商品名等が標記された中国や韓国、ロシアなどから排出されたと推察されるごみの漂着が増加している。特に長崎県対馬市には、非常に大量のごみが漂着しており、国内における、漂着ごみ被害のもっとも深刻な地域の一つとなっている。
一方、ハワイやアメリカ西海岸には、日本から排出されたと推察される空き容器等が以前より漂着している。いずれの国においても、「ポイ捨て」などと軽々しく呼ばれることも多い不法投棄が横行しており、これが重大な社会問題へと発展しつつある。
近年この問題が顕在化したことを受け、日本、韓国、中国およびロシアの政府により会合が持たれ、対策が検討されはじめている。