演奏所
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演奏所(えんそうじょ)とは、放送局において、放送番組を制作しプログラム(番組表)に沿って電気信号として順次送信所に出力(送出)する所のことである。
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[編集] 演奏所の機能
演奏所の機能には次のようなものがある(なお、通常の会社運営のための機能、たとえば人事・法務・財務などの業務の解説は割愛する)。
[編集] 番組編成
- 各日のどの時間帯でどのような番組を放送するかを決める。日単位、週単位、あるいはそれ以上など様々な周期で編成を改訂している。事件・事故の際に特別番組に切り換えることなども編成担当部門の業務である。
[編集] 番組制作
- 今日ではドラマなどは番組制作自体を外部に委託する放送局が多い。
- ニュース/ニュースショーやワイドショーのようなリアルタイムで放送する(生放送)番組は放送局自身が制作することが多い。
- 番組編集の技術については映像編集を参照。
- 生放送のための設備はテレビ放送局の場合、撮影スタジオとこれに付随する副調整室(サブ)である。これらのスタジオ制作番組は、副調整室においてスタジオカメラの切替えやテープ素材の挿入、外部からの中継映像挿入、音楽・音響効果付加などを行って、番組放送時間中にリアルタイムで制作し、映像信号を主調整室に送る。
- ニュースなどで行われる外部からの中継は専用の受信設備で受けた映像・音声をサブに取り込み、局内制作の映像・音声と合成あるいは切り替える。
- ラジオ放送局の場合は出演者やアナウンサーの語りを収録するスタジオと、オーディオミキサや録音・再生装置などを備えたサブを用いて、番組の収録あるいは生放送を行う。聴取者の電話による参加の機会が多いため、電話設備とのインターフェースを重視しているのも特徴である。
[編集] 番組送出
- 編成部門が作成した編成表データに従って制作済みの各番組を送信所に順次送り出す機能(送出)である。放送局の要となる機能であり、主調整室(マスター)で行われる。
- 生番組は上記のように副調整室の出力を送出する。
- ドラマや映画、その他事前に録画した番組はVTRや番組バンクシステムに記録しておき、これを放送時間がきたら再生して送出する。
[編集] CM送出
- 民間放送では事前に営業活動を通じてCMの放送を受注し、番組編成を考慮してCM放送タイミングを決定しておく。これによりCMバンクシステムにおいて素材の登録や送出制御データの準備をしておく。実際に放送時間(CM枠の時間)になると主調整室でCMバンクの出力に切り替え、同時にCMバンクが決められたCMを順次再生して送出する。
[編集] 素材管理
- 放送に用いる素材(映像・音声など)は特定のための放送用に制作したものだけではなく、資料映像として保管してある素材も用いる。また、過去に放送した番組の全部または一部を再度放送することもある。こうした放送素材を組織的に保管しておくのも重要な機能である。近年では大規模な記録媒体を用いたアーカイブシステムの導入が盛んである。