生田川
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生田川(いくたがわ)は六甲山系の摩耶山と石南花山に水源を持ち、大阪湾の神戸港に流れ出る川である。流域は神戸市中央区のみである。
元々は現在のフラワーロードの位置を流れていたが、水害の被害が大きいため、1871年に加納宗七が現在の位置に付替え工事をした。そのため現在の生田川を新生田川と呼ぶこともある。また、旧生田川の河川敷は加納宗七に払い下げられたため加納町と言う名前になっている。
上流には布引の滝や、神戸ウォーターの採取地が有り、新幹線の新神戸駅がまたいでいる。 河川敷に有る生田川公園は桜の名所になっている。
[編集] 文学の中の生田川
生田川の名前は平安時代に編纂された大和物語に見られる。物語の中では2人の男が1人の女をめぐって争い、これに悩んだ女が「すみわびぬ わが身なげてむ 津の国の 生田の川は 名のみなりけり」と詠んで生田川に入水自殺するという話が登場する。これはもともと万葉集に登場する菟原処女(うないおとめ)の伝説をモチーフにしたものであるが、万葉集では生田川の地名は登場しない。 また明治43(1910)年には森鴎外が大和物語をもとにした戯曲「生田川」を発表している。