田中啓文
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田中 啓文(たなか ひろふみ、1962年11月9日 - )は日本の作家、SF作家。大阪府生まれ。1986年神戸大学経済学部卒業。
上方落語の愛好者。地口(駄洒落)を作品構成の主要部分とし、グロテスクな描写を執拗に繰り返す点に特徴がある。規定枚数以上に原稿を書いてしまい、後から削ることが多いという。
また、テナーサックス奏者でTHE UNITED JAZZ ORCHESTRAのバンドマスターを務める。
関西在住作家の小林泰三、牧野修、田中哲弥と合わせて「まんがカルテット」と呼ばれる。ミステリー作家の我孫子武丸を加えて「まんがクインテット」と呼ばれることもある。これは、いわゆるクリエーターユニットではなく、京都SFフェスティバルでなんとなく盛り上がったメンバーだっただけのグループ。
目次 |
[編集] 略歴
- 小学五年生で4コマ漫画が『小学五年生』に掲載される。(本人談)
- 1993年短編「落下する緑」が「鮎川哲也の本格推理」に入選。(e-NOVELSで入手可能。)
- 1993年『凶の剣士』で第二回ファンタジーロマン大賞に入賞。ヤングアダルト系作家としてデビュー。
- 1998年『水霊 ミズチ』でホラー作家として名を売る。
- 2000年初の短編集『異形家の食卓』刊行。筒井康隆が絶賛。
- 2001年初のSF作品集『銀河帝国の弘法も筆の誤り』刊行。森奈津子とまんがクインテットのメンバーが寄稿。
- 2002年短編「銀河帝国の弘法も筆の誤り」で星雲賞短編賞受賞。
- 2004年短編集『蹴りたい田中』刊行。茶川賞受賞という紛らわしい帯広告と小松藤茂のカバーイラストで評判になる。
[編集] 作品について
田中啓文は地口小説を書く作家として知られている。「落下する緑」、「ふたつのホテル ―黄昏ホテル」を読めば分かるように普通の小説も巧い。豊富なジャズ演奏経験に裏付けられたリズム感のある文体、優れた情景描写に特徴がある。
ここでは、地口を小道具に使う作品と、そうでない作品とは分けて考えることにする。
[編集] ヤングアダルト小説
本格推理で世に出たものの、彼はヤングアダルト小説家として作家活動を始めることになる。
[編集] ミステリ小説
「落下する緑」(『本格推理(2)―文庫の雑誌』所収)で本格推理の新人として世に出た。
[編集] 地口ミステリ小説
- 赤い家
[編集] 伝奇小説
[編集] 地口伝奇小説
- UMAハンター馬子
[編集] ホラー小説
- 「取りかえっ子」
[編集] 伝奇ホラー小説
[編集] 地口ホラー小説
初の短編集『異形家の食卓』はまさに「地口ホラー」の傑作である。
[編集] 地口怪獣ホラー小説
怪獣愛好家としての嗜好が反映された作品群である。
- 怪獣ジウス
- 地球最大の決戦 終末怪獣エビラビラ登場
- トリフィドの日
[編集] 地口伝奇ホラー小説
[編集] SF小説
- 「黄泉津鳥舟(よもつとりぶね)」
[編集] 地口SF小説
- 『蹴りたい田中』
[編集] 人類圏シリーズ
- 初のSF短編集『銀河帝国の弘法も筆の誤り』
- 「怨臭の彼方に」
[編集] 落語ミステリ
- 「笑酔亭梅寿謎解噺(しょうすいていばいじゅ なぞときばなし)」
[編集] 創作落語
RAKUGO THE FUTUREで創作落語を発表している。
[編集] エッセイ
- RAKUGO THE FUTURE
- ベストヒットUMA(e-NOVELS 読み物)
- あいうえ音座録(e-NOVELS 読み物)
- ちりぬる音座録(e-NOVELS 読み物)
- まみむめモンスター千一夜(e-NOVELS 読み物)
[編集] 音楽評論
[編集] ジャズ奏者
バンドマスターを務めるTHE UNITED JAZZ ORCHESTRAのCD 「NEW CINEMA PARADISE」(CASBA RECORD)
[編集] 長編
[編集] 集英社スーパーファンタジー文庫
- 凶の剣士グラート
- 背徳のレクイエム ~凶の剣士グラート~(デビュー作品)
- 青い触手の神 ~凶の剣士グラート2~
- 十兵衛錆刃剣
- 十兵衛錆刃剣 SHADOWS in the SHADOW ~陰に棲む影たち~
- 十兵衛錆刃剣 DANCING in the SHADOW ~喉を鳴らす神々~
- 十兵衛錆刃剣 FIRE in the SHADOW ~爛熟の娼獣~
- 神の子ジェノス
- 神の子ジェノス 神の子はみな踊る
- 神の子ジェノス 神の子は来たりて歌う
- 蒼き鎖のジェラ 緊縛の救世主
- XXX(トリプルエックス)
- 蒼白の城XXX
- 慟哭の城XXX
[編集] UMAハンター馬子
- e-NOVELS
- UMAハンター馬子 第一話 湖の秘密
- UMAハンター馬子 第二話 魔の山へ飛べ
- UMAハンター馬子 第三話 あなたはだあれ
- UMAハンター馬子 第四話 恐怖の超猿人
- UMAハンター馬子 第五話 闇に光る目
- UMAハンター馬子 第六話 水中からの挑戦
- 書籍
- UMAハンター馬子(1)湖の秘密
- UMAハンター馬子 闇に光る目
[編集] 私立伝奇学園高等学校民俗学研究会
- 蓬莱洞の研究
- 邪馬台洞の研究
- 天岩屋戸の研究
[編集] 単発
- 水霊 ミズチ
- 星の国のアリス
- ベルゼブブ
- 忘却の船に流れは光
- 陰陽師九郎判官
[編集] 短編集
- 異形家の食卓(初の短編集)
- にこやかな男
- 新鮮なニグ・ジュギペ・グァのソテー。キウイソース掛け
- 異形家の食卓1 大根
- オヤジノウミ
- 邦夫のことを
- 異形家の食卓2 試食品
- 三人
- 怪獣ジウス
- 俊一と俊二
- 異形家の食卓3 げてもの
- 塵泉(ごみ)の王
- 銀河帝国の弘法も筆の誤り(初のSF作品集)
- 脳光速―サイモン・ライト二世号、最後の航海
- 銀河帝国の弘法も筆の誤り
- 火星のナンシー・ゴードン
- 嘔吐した宇宙飛行士
- 銀河を駆ける呪詛―あるいは味噌汁とカレーライスについて
- 禍記(マガツフミ)
- 禍記 一
- 取りかえっ子
- 天使蝶
- 禍記 二
- 怖い目
- 妄執の獣
- 黄泉津鳥舟(よもつとりぶね)
- 禍記 三
- 伝奇原理主義宣言 あとがきに代えて
- ネコノメノヨウニ
- 猫の眼のように…1
- 二度目の降霊術
- 火盗り蛾
- 影の病
- 滅びの夏
- 切れた弦
- 卵
- 猫の眼のように…2
- 鬼の探偵小説
- 鬼と呼ばれた男
- 女神が殺した
- 蜘蛛の絨毯
- 犬の首
- 蹴りたい田中
- 地球最大の決戦 終末怪獣エビラビラ登場
- トリフィドの日
- トリフィド時代
- やまだ道 耶麻霊サキの青春
- 赤い家
- 地獄八景獣人戯(じごくはっけいけものびとのたわむれ)
- 怨臭の彼方に
- 蹴りたい田中
- 吐仏花ン惑星 永遠の森田健作
- 笑酔亭梅寿謎解噺
- たちきり線香
- らくだ
- 時うどん
- 平林
- 住吉駕籠
- 子は鎹
- 千両みかん
[編集] e-NOVELSで販売している短編(UMAハンター馬子以外)
- 落下する緑
- 取りかえっ子
- 地球最大の決戦 終末怪獣エビラビラ登場
- ふたつのホテル ―黄昏ホテル
[編集] 書籍未収録短編
[編集] 落語
- 創作落語
- 宇宙臣蔵(RAKUGO THE FUTURE #12)
- 次郎長三国志(RAKUGO THE FUTURE #20)
- 三題噺(RAKUGO THE FUTURE #46)
- 遅刻(RAKUGO THE FUTURE #47)
- 時たまご(RAKUGO THE FUTURE #67)
- 小ネタ・中ネタ
- さらば20世紀特別企画・小ネタ集(RAKUGO THE FUTURE #31)
- こんにちは21世紀特別企画・小ネタ集(RAKUGO THE FUTURE #32)
- 苦しまぎれの中ネタ特集(RAKUGO THE FUTURE #33)
- さらば2001年大感謝セール(RAKUGO THE FUTURE #43)
- 小さいネタ見ーつけた(RAKUGO THE FUTURE #48)
- 急場しのぎの小ネタ集(RAKUGO THE FUTURE #63)
- 久しぶりの小ネタ特集(RAKUGO THE FUTURE #69)
- 超シリアス企画・月亭八天さんインタビュー(RAKUGO THE FUTURE #55,#60)
[編集] ゲーム
[編集] エッセイ
[編集] 音楽評論
[編集] 外部リンク
[編集] オンラインエッセイ
- ガイナックス
[編集] ファンサイト
- ふえたこ観測所
- 最新の作家活動情報が充実
[編集] インタビュー
- 立命館大学推理小説研究会 牧野修×田中啓文講演会
- Anima Solaris 著者インタビュー 『忘却の船に流れは光』,『銀河帝国の弘法も筆の誤り』