駄洒落
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駄洒落(だじゃれ)は同じあるいは非常に似通った音を持つ言葉をかけて遊ぶ一種の言葉遊び。雑俳の一つとしての「洒落」は言葉の一部分を母音とイントネーションが同じ語、母音が同じ語、同音異義語などを当てはめるものである。例「蝶々一本さらしに巻いて(包丁一本サラシに巻いて)」。言葉遊びの「洒落」は知識と教養を示す気の利いたものであったが、これに価値を認めることのないカウンターカルチャーからの揶揄を込めて「駄」の文字を冠した。洒落の文化が失われるにつれ、それを文化として持たない若者からはおやじギャグと称されるようにもなる。古くは地口とも。
判りやすい遊びの一種であるため、語彙が増えだす小学生などの低年齢の人がこれを用いてコミュニケーションの円滑化をはかることがある一方で、大人が条件反射的に特に若い世代に対して用いると逆にコミュニケーションの円滑化を損ねることになる場合もある。
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駄洒落の典型的な形態
同じ読みを持つ語を用いたもの
- 理想のものがありそう。
- アルミ缶の上にある蜜柑
- 「1点の差」って…何いってんのさ!
- 韓国への勧告
- コンクラーヴェは根競べ
- コンドルがめりこんどる
- 睡魔に負けてすいません
- スキーが好きです。
- 電話には出んわ
- 土管がドカンと音がした!
- 副部長の鼻血を拭く部長
- フリーは不利
- 僕さぁ、ボクサー
- 「隣の家に塀が出来たね」「へぇ~」(落語家が修行で初めてやらされる題目の一つ)
- そのステッキ、素敵です
似たような音を持つ語を用いたもの
- 塩がなくてしょうがない。
- 布団が吹っ飛んだ。
- 八街でやっちまった。
- シチズンの時計がしちずん(7時)をお知らせします。
- ロシアの殺し屋(ころしや)は恐ろしや
- スーパー銭湯に行く人は数パーセントくらいだ。
- だじゃればかり言っているのはだれじゃ。
二つの語を融合したもの
- 「布団がお山の方まで吹っ飛んだ!」「おやまぁ。」
- 猫がロンドンで寝ころんどん?
- いたずらは嫌ずら
複数の意味を持つ1つの文章、または似た様な文章
- 倒産か、辛かったな(父さんカツラ買ったな)
- 無罪放免(臭い放便)
- 汚職事件(お食事券)
- お取りになった(囮になった)
- パン作ったことある?(パンツ食ったことある?)
- 理科、ちゃんと勉強してる?(リカちゃんと勉強してる?)
- 鯛焼きって食ったことある?(タイヤ切って食ったことある?)
- ねえ、ちゃんと風呂入ってる?(姉ちゃんと風呂入ってる?)
- ねえ、ちゃんと恋してる?(姉ちゃんと恋してる?)
- 渡しといて下さい(私と居て下さい)
- いい肉買った(言いにくかった)
- 今日、麩の味噌汁(恐怖の味噌汁)
日本語を英語に置き換えたもの
- 本がブックブックと沈む(副詞ぶくぶくと、本を英語に直したときのbookを掛けている)
- 日本が沈んだ、ジャパン!(「日本」を表す「ジャパン」(Japan)と物が沈むときの音を掛けている)
ある単語に似た別の単語を無理やり当てはめたもの
この場合、言葉の意味は無視し、音の響き、そのナンセンスを楽しむ。
- センタッキー・フライドチキン(「ケンタッキー・フライドチキン」に「洗濯機」(せんたっき)を無理矢理当てはめる)