男坂
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『男坂』(おとこざか)は、集英社の漫画雑誌「週刊少年ジャンプ」に、1984年の第32号から1985年の第12号まで連載された、車田正美著の「未完」漫画。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] 登場人物
[編集] 日本(Japan)
[編集] 東日本(East Japan)
- 菊川仁義(きくかわ じんぎ)
- 黒田闘吉(くろだ とうきち)
- 99の中学を制圧し、千葉県の南西半分をその傘下に治める闘吉連合のヘッド。13歳。特攻服に身を包んだ非常に血の気の多い男。壊滅した闘吉連合の敵を討つべく仁義に海上で決闘を挑むが、嵐の中で荒れ狂う海を前にカナヅチの闘吉は死を覚悟する。しかし自分を背負って嵐の海を泳ぎきった仁義に深い感銘を受け、仁義と義兄弟の契りを結ぶ。
- ウルフ(うるふ)
- 総勢130人の上州、赤城のウルフ軍団を組織する。仁義の下につくべく九十九里に集結し、武島軍団の刺客に襲われる仁義を救った。
[編集] 昭和白虎隊
- 梓鸞丸(あずさ らんまる)
- 総勢300人、会津の昭和白虎隊総長。深い湖のように澄んで美しい瞳を持つ。卑劣な行為をした弟・蘭丸を破門にする。
- 梓蘭丸(あずさ らんまる)
- 昭和白虎隊副長。鸞丸の実弟。仁義を怒らせる為に部下に女を襲わせたり、放火をさせたりと、非常な卑劣漢。四節棍の使い手。
[編集] 奥羽連合
- 神威剣(かむい けん)
- 奥羽連合の13人のヘッドをまとめる男。奥羽以外にも北海道全土を手中に収め、日本の北を支配している。作中では名前とシルエットが出ただけで、実際に登場する前に連載が終了してしまった。
- 蛭田徳市(ひるた とくいち)
- 奥羽連合13人のヘッドのうちの一人。気仙沼を治める。
- 鬼子母弁(きしぼ べん)
- 奥羽連合13人のヘッドのうちの一人。一関を治める。
- 剛田五郎(ごうだ ごろう)
- 奥羽連合13人のヘッドのうちの一人。釜石を治める。
[編集] その他
- 喧嘩鬼(けんかおに)
- 九十九里の鬼山で昔からケンカの修行をしているとされる伝説の鬼。その正体は不明。将に敗れた仁義にケンカを教える。結局最後まで正体は明らかになることはなかった。
- 島村春奈(しまむら はるな)
- 東雲中学1年生。仁義の同級生。美少女。
- 雑誌ファンロードに同名の漫画家が当時既に「リングにまねろ」「風魔のセ小次郎」など車田漫画に忠実な絵柄のパロディギャグマンガを連載しており、彼女の登場は話題となった。
- なお打ち切りであるため、本作品の島村は呼び出しを受けて暴力をふるわれたらしい描写の、血が飛び散る絵が最後の出番?となってしまった。しかも生きているという解説がその後入っており、「結局どうなったのだろう」という中途半端な疑問が残る状態で終了している。ファンロードで車田正美の特集が組まれると、このことが未だに引き合いに出されることがある。
- 安岡(やすおか)
- 東雲中学の番長。
- 関根(せきね)
- 安岡の子分。九十九里の現れた武島一行に難癖をつけて最初に木刀で殴りかかった。
- キボウ(きぼう)
- 世界最高の名門・ケンブリッジ大学コスモポリタン・アカデミーの卒業課程を13歳にして修めた天才。自分の天才的頭脳を必要とする大きな人物に仕えるため祖国・日本に帰国する。
[編集] 西日本(West Japan)
- 武島将(たけしま しょう)
- 西日本最大の勢力を誇る武島軍団のドン。生まれながらに日本のドンとなるために勝者の教育を受けた男。菊川仁義の最大のライバル。
- 神代直人(じんだい なおと)
- 武島軍団三番隊隊長。九十九里がシカゴの侵攻を受けたとき、軍団千人を引き連れて援軍に現れた。
- 水無月征(みなづき せい)
- 武島軍団二番隊隊長。武島が日本のドンとなるのに障害となるであろう仁義を抹殺する為に刺客を九十九里に送り込む。
- 高倉(たかくら)
- 武島の日本時代の側近の一人。安岡を叩きのめした為に仁義の怒りを買い倒される。
- 室戸(むろと)
- 高倉同様、側近の一人。
[編集] JWC(Junior World Connection)
[編集] アメリカ・ニューヨーク(United States of America・New York)
- ドン:ジャーメィン(Jermaine)
- モデルはマイケル・ジャクソン。立ち回りから見て、JWCの中心的人物と見られる。
- アイン(Ein)
- 世界最高の名門・ケンブリッジ大学コスモポリタン・アカデミーの卒業課程を13歳にして修めた天才。ジャーメィンに仕えるべくアメリカに帰国する。キボウとタイで終わったウォーゲームの決着を何年後かにつけることを誓い合う。
[編集] アメリカ・シカゴ(United States of America・Chicago)
- ドン:フォアマン(Forman)
- ライオンの首を素手で引きちぎったことがある。傘下に治めるべく、ドンがいないと思われていた東日本に兵士を送り込む。また武島に勝負を挑んだが完敗した。
- フレイザー(Fraser)
- 東日本制圧作戦の実働部隊の隊長。友好を守る為に年に1回シカゴに百万ドルの支払いを仁義に対して求めるも袖にされる。侵攻部隊を仁義一人に壊滅状態とされ、1対1の対決を挑む。サウス・ブロンクス出身。
- ラトーヤ(Le Toya)
- 東日本制圧作戦の実働部隊の参謀。
- ティト(Tito)
- 東日本制圧作戦の実働部隊の兵士。仁義に何かを感じ、戦いを挑むも仁義の戦闘力の前に一蹴された。
- ノートン(Norton)
- 東日本制圧作戦の実働部隊の兵士。ティトの敵を討つべく仁義に襲いかかるが仁義の怪力になすすべも無く倒された。
[編集] イタリア・シシリー(Republic of Italy・Sicilia)
- ドン:バレンチノ(Valentino)
[編集] フランス・マルセイユ(French Republic・Marseille)
- ドン:マドモァゼル(Mademoiselle)
[編集] スペイン・マドリード(Spain・Madrid)
- ドン:サンホセ(San jose)
[編集] イギリス・リバプール(United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland・liverpool)
- ドン:シリトー(Sillitoe)
[編集] 西ドイツ・ブレーメン(Federal Republic of Germany・Bre-men)
- ドン:ロンメル(Rommel)
[編集] オランダ・アムステルダム(Kingdom of the Netherlands・Amsterdam)
- ドン:ルスカ(Ruska)
[編集] プエルトリコ・サンファン(Commonwealth of Puerto Rico・San Juan)
- ドン:ゴメス(Gomez)
[編集] イスラエル・エルサレム(State of Israel・Jerusalem)
- ドン:ダヤン(Dayan)
[編集] 逸話
- 車田正美が「この作品を描くために漫画屋になった」とまで言い切る程の意気込みで開始した本作だったが、作風がすでに時代遅れだったことと、最初から長期連載を目論んで数多くの伏線を張るあまり話が複雑で盛り上がりに欠けたこともあってか、30週で打ち切りにあってしまった。その最終ページにある大きな「未完」の文字が非常に印象的であったため、週刊少年ジャンプの歴代打ち切り漫画の中でも特に有名な存在である。
- 最終巻となった単行本3巻で作者は「読者の熱い支持を得られれば、すぐにでも連載を再開したい」とのコメントを書いていたが、未だその機会は訪れていない。この失敗を教訓とし、最初から読者受けするように設定を練った結果世界的な大ヒットとなったのが、次の連載作品である「聖闘士星矢」である。(とはいえ、連載終了あたりでは掲載順で後ろになることが多くなり、完結直前で打ち切りになった。)しかし、「星矢」の次の連載作品「SILENT KNIGHT翔」では再び最初から伏線を張り過ぎた挙句に短期打ち切りになるという失敗を繰り返している。
- 作者は2000年発行の文庫版のあとがきにおいて、「なぜ打ち切られたのか?何故読者の支持が得られなかったのか?答えはハッキリしている。面白くなかったからだ」と述べると共に、「『男坂』に対する作家としてのオレの決着(けじめ)はまだついていない」と意味深な一文を寄せている。
- 打ち切りに抗議する手紙を送った読者に対する編集部の説明では、『男一匹ガキ大将』へのオマージュとするべく、ストーリーを膨らませすぎ、収拾がつかなくなったための打ち切りとされた。作者の打ち切りに対する一連のコメントとは矛盾する説明であるが、たとえそれが事実だとしても、「未完」の文字を編集者に消されることもなく、すんなり打ち切りを認めてもらったところを見ると、やはりさほどの人気作品でもなかったようである。
- 堂高しげるの漫画「全日本妹選手権」は掲載誌(ヤングマガジンアッパーズ)休刊のために打ち切りとなったが、この作品の最終回に、この衝撃的な最終ページのパロディが登場する。