畠山直哉
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畠山直哉(はたけやま なおや、1958年 - )は、日本の写真家。
岩手県陸前高田市出身。筑波大学芸術研究科修士課程修了。大辻清司の影響で写真をはじめ、大学卒業後は東京に移り活動を続ける。
生家の近くに大規模な石灰石鉱山があったことから、高校時代からこれらの採掘現場や工場を油絵などに描いていた。大学を出た後、岩手をはじめ日本各地を回り石灰石鉱山の現場や石灰工場、発破の瞬間、または都会の建築群や地下水路など、多様な光景を撮影するようになった。これらの作品は都市の原料(石灰岩、工場)から都市風景(高所から見た都市の俯瞰)、都市の解体(住宅展示場と化した大阪球場とその解体)、都市の裏側(ビルの間を流れる渋谷川や、都市の地下水路の内部)など、一貫して都市の問題にかかわっている。また近年はイギリス滞在などを経て、工場の蒸気や車の窓ガラス一面についた水滴など、形の定かでない物、循環する物の撮影にも取り組んでいる。
1997年に写真集『ライム・ワークス』、写真展『都市のマケット』により第22回木村伊兵衛賞受賞。2001年には世界最大の国際美術展である「ヴェネツィア・ビエンナーレ」に日本代表の一人に選ばれている。同年、写真集『アンダーグラウンド』により第42回毎日芸術賞を受賞。
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[編集] 経歴
- 1984年 筑波大学大学院芸術研究科修士課程修了
- 1997年 第22回木村伊兵衛写真賞(「都市のマケット」、「LIME WORKS」)
- 2000年 第16回東川賞国内作家賞
- 2001年 第42回毎日芸術賞受賞(「Underground」)
- 2001年 第49回ヴェニス・ビエンナーレ日本館参加
- 2003年 日本写真協会年度賞受賞
[編集] 写真集
- 1996年 「LIME WORKS」(シナジー幾何学)
- 1996年 「CITTA IN NEGATIVO -DA Lime Works-」
- 1997年 「Lazur 透きとおる石」(ペヨトル工房)
- 2000年 「Underground」(メディアファクトリー)
- 2001年 「Under Construction」(建築資料研究社)
- 2002年 「Slow Glass」(Light Xchange)
- 2002年 「Naoya Hatakeyama」(Hatje Cantz)
- 2002年 「LIME WORKS」(復刊:アムズ・アーツ・プレス)
- 2002年 「畠山直哉」(淡交社)
- 2004年 「Atoms」(Nazraeli・限定)
- 2004年 「LIME WORKS」(再復刊:青幻舎)
- 2006年 「Zeche Westfalen I/ II Ahlen」(Nazraeli)
- 2006年 「二つの山」(Birkhauser)
- 2006年 「A BIRD」(タカ・イシイ・ギャラリー)
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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