直列2気筒
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直列2気筒(ちょくれつにきとう)とは、ピストン式内燃機関(レシプロエンジン)の形式の1つで、シリンダーが直列に2本配置されているエンジンのことである。なお進行方向に対して横置きに配列し搭載されるものは並列2気筒(へいれつにきとう)とも呼ばれる。
2本のシリンダーが1列に並んでおり、1本のクランクを共有しているものをパラレルツイン、縦列に並んでいるものをタンデムツインと呼ぶ。パラレルツインでシリンダーが直立したものをバーチカルツインと呼ぶこともある。クランク角は1周ごとに2気筒を同時に点火させる360度と、半周ごとに1気筒づつ点火させる180度のものが大半であるが、360度は単気筒エンジンと性質が似ることになり、180度の方がエンジンパワーなどのバランスを取りやすいとされている。なお近年はV型2気筒の性質とほぼ同一とされる270度クランクのものもある。
自動車用としては日本の軽自動車用エンジンとして広く用いられた時期があったが、エンジンの総排気量の規格が550ccから660ccになった際に3気筒、4気筒へと移行し姿を消した。 オートバイ用としても広く用いられた時期があったが、性能や構造的観点から単気筒エンジンやV型エンジンに移行したため、小型や中型での採用車両は極めて減少している。しかし、このエンジン特有の振動やバタついたサウンドを好む者も多いため、最近は大型のエンジンとして採用する車両が増えてきている。