真田幸貫

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』

真田幸貫（さなだゆきつら）は幕末の松代藩主、老中。

真田幸貫

凡例

生誕

1791年 9月29日（寛政3年9月2日）

死没

1852年 7月24日（嘉永5年6月8日）

別名

真田幸善

諡号

遂翁・一誠斎・誠斎

藩

信濃国松代藩第8代藩主

父母

父：松平定信、母：貞順院（中川氏）
養父：真田幸専

兄弟

松平定永、真田幸貫

妻

正室：雅姫（真月院）（井上正甫娘）
側室：清操院、喜瀬（慎操院）

子

幸良、幸教、幸忠（実父松平忠馮）、娘（朽木綱條室）

松平定信の次男として生まれる。文化12年（1815年）、真田幸専の養嗣子となり、翌年には真田幸善と名乗り、井上正甫の娘を正室とした。文政6年（1823年）の幸専の隠居により家督を継ぎ、藩政を担当する。天保の改革が始まると、外様大名としては異例ながら老中に抜擢され、その改革の一翼を担った。藩政においても佐久間象山をはじめとする有能な人材を多く登用して洋学の研究に当たらせるなど、幕末期における人材の育成に努めた。また、領内では殖産興業、産業開発、文武奨励などに努め、藩政改革に多くの成功を収めた。藩校として、文武学校開設の基礎を築いている。だが、晩年には藩政改革の路線を巡る対立から、重臣達による内紛が生じて幕末まで緒を引いた。また、教養にも溢れ、画や和歌に優れた作品を多く残した。

幸貫には子として真田幸良を確認できる。しかし、真田家に養子入りする前年に生まれていたため、幕府には実父定信の末子と届け出たようである。後に幸良を真田家に引き取るものの、父に先立って病死していたため、孫に当たる真田幸教を嫡子とした。嘉永5年（1852年）5月6日隠居し、孫幸教に家督を譲った。同年6月8日に62歳で死去した。

幕末期における名君の一人として、高く評価されている。