矢野伊吉
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矢野 伊吉(やの いきち、1911年 - 1983年3月)は、日本の裁判官・弁護士。財田川事件の弁護人として知られる。
[編集] 経歴
香川県生まれ。旧制三豊中学卒業後、1937年高等文官試験司法科(現在の司法試験)に合格。朝鮮総督部判事、網走区裁判所判事を経て、1947年松山地裁西条支部判事補。以来四国において勤務。
[編集] 財田川事件との関わり
高松高裁丸亀支部長判事を務めていた1969年に、財田川事件の谷口繁義死刑囚が出した無実を訴える私信を発見。裁判所はこの私信を正式の再審請求として受理して審理をはじめた。矢野はその過程で谷口死刑囚の無実を確信するにいたったが、他の陪席裁判官の反対があって再審を断念した。
そこで矢野は1970年8月、高松高裁丸亀支部長判事を退官し弁護士として再出発。自ら谷口被告人の弁護人として新たに再審請求を行った。
矢野は再審のさなかの1983年、71歳で死去した。谷口に無罪判決が言い渡されたのは、その1年後の1984年であった。
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