禁断の惑星
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禁断の惑星 Forbidden Planet |
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監督 | フレッド・マクラウド・ウィルコックス |
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製作 | ニコラス・ネイファック |
脚本 | シリル・ヒューム |
出演者 | ウォルター・ピジョン |
音楽 | ルイス・アンド・べべ・バロン |
撮影 | ジョージ・J・フォルシー |
編集 | フェリス・ウェブスター |
公開 | 1956年3月15日 |
上映時間 | 98分 |
製作国 | アメリカ |
言語 | 英語 |
制作費 | $1,900,000 |
allcinema | |
IMDb | |
『禁断の惑星』(Forbidden Planet)は1956年製作のアメリカ映画。
目次 |
[編集] 解説
「SFなんてものは子供向けの荒唐無稽なシロモノにすぎない」と思われていた時代、パルプコミックなどの舞台ていどにしか思われていなかった時代に、SF映画を舞台に「潜在意識と自我の関係」という心理学的なややこしいテーマを大真面目に扱った異色の作品。潜在意識をそのままヴィジュアル化することはできないが、SFとしての状況設定を持ち込むことで、その制約を乗り越えた。製作当時は「わかりにくい作品」といった評価もあったようだが、今ではその先見性が高い評価を得ている。SFというカテゴリを思索的世界を扱うフィールドとして使ったという点で、SFのその後の発展につながった金字塔的作品という評価もある。
[編集] キャスト(役名:俳優)
- モービアス博士:ウォルター・ピジョン
- アルティラ:アン・フランシス
- アダムス機長:レスリー・ニールセン
[編集] あらすじ
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
宇宙移民がはじまった2200年代。アダムス機長が率いる宇宙船C-57-D(日本語テレビ版では「アンドロメダ号」)は、20年前に移住し、その後連絡を絶った移民団の捜索のために、惑星第4アルテアに着陸した。アルテアには、移民団の生き残りとして、わずかにモービアス博士と、アルテアで誕生したその娘のアルティラの2名だけが生存していた。
モービアス博士は、アルテアには先住民族であり大変な進化をとげたクレール人がいたこと、そのクレール人は解明されていない理由である日突然に滅亡したこと、移民団は正体不明の怪物に襲われて自分たち以外は死んでしまったこと、などを語った。また、モービアス博士は、クレール人の遺跡を調査し、残していった設備を使うことで、モービアス自身の能力を飛躍的に増進させているということも。そして、おそらくC-57-Dも怪物に襲われるだろうと予告し、早くこの星を離れるよう求める。事実、怪物はふたたび登場し、C-57-Dを襲って、乗組員を殺しはじめた。しかしアダムス機長は、アルティラと恋仲に陥ってしまったこともあり、即時の離陸を拒否。モービアスとアルティアを(あるいは、せめてアルティラだけでも)、地球に連れ帰ろうとする。
いよいよ怪物が猛威をふるい、アダムス機長、モービアス、アルティラなどに襲いかかろうとする。そのとき、クレール人の遺跡が最大出力で動いていた。アダムスは、その怪物の正体がモービアス博士の潜在意識であり、自我そのものなのであり、その怪物は「イドの怪物」とでも呼ぶべきものだということを見破る。移民団の殺戮も、C-57-Dの乗組員の殺害も、実はモービアスの潜在意識のなせるわざであった。意識の暗黒面を正視したモービアス博士は、クレール人の滅亡の意味も理解し、アルテアもろとも滅びることを選ぶ。
アダムス機長は、アルティラを伴ってC-57-Dに戻り、アルテアが爆発する寸前になんとか船を離陸させたのだった。
[編集] 特記
登場するロボットの「ロビー」は、SFに登場するロボットのひとつのモデルを確立した。「宇宙家族ロビンソン」のフライデーや「スターウォーズ」のR2-D2は、ロビーの直系の子孫であると言ってもよい(ロビーとフライデーのデザイナーは同一人物である)。その後『続・禁断の惑星 宇宙への冒険』(原題は『THE INVISIBLE BOY』)をはじめとするいくつもの作品にゲスト出演した。ロビー・ザ・ロボットとして多くの玩具化がなされている。また日本のアニメ・特撮にも大きな影響を与えたとされる(日本のアニメ・特撮には主役の補佐をするマスコット的なロボットがよく登場する)。
[編集] 派生作品
カテゴリ: アメリカ合衆国の映画作品 | 1956年の映画 | SF映画