伝説巨神イデオン
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『伝説巨神イデオン』(でんせつきょじん - 、英表記:Space Runaway Ideon)は、日本サンライズ(現在のサンライズ)制作により、1980年(昭和55年)5月8日から1981年(昭和56年)1月30日まで毎週木曜日18:45 - 19:15(第21話まで)、毎週木曜日19:30 - 20:00(第22話から)が全39話にわたり東京12チャンネル(現・テレビ東京)をキー局として放映されたテレビアニメ。
『機動戦士ガンダム』のTVシリーズ終了直後に富野喜幸(現・由悠季)監督が手がけた作品。視聴率と玩具販売の不振で打ち切られるも、後にスタッフとファンの熱意により映画化されるという『ガンダム』と同様の経緯を辿っている。
宇宙に進出した2つの種族がファーストコンタクトで不幸な出会いを果たし、無限のエネルギー「イデ」を巡って誤解を重ね、泥沼の戦いを続ける。
CS放送では1999年8月から2000年5月までチャンネルNECOで、2006年9月から11月までアニマックスで再放送された。
「巨神」の読みは「きょしん」だが、上記の通りこの作品のタイトルでは「きょじん」と読ませる。そのためもあり、『伝説巨人イデオン』と誤表記されることがある。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] あらすじ
地球人類が外宇宙へ移民を開始して50年経過した遠い未来、地球人は2年前から移民を行っていたアンドロメダ星雲の植民星A-7・ソロ星で、第6文明人の遺跡である巨大人型メカ「イデオン」を発掘する。
その時、伝説の無限エネルギー「イデ」の探索に「ロゴ・ダウ」(=ソロ星)を訪れた異星人バッフ・クランと接触。そして、無思慮な行動で本隊より離れたバッフ・クランの貴人カララ・アジバを捜索に出た下級兵士の発砲と、両者の疑心暗鬼により武力衝突へと発展する。
主人公ユウキ・コスモらは戦いを終結するべく「戦意は無い」ことを示すために白旗を上げるが、バッフ・クラン社会でのそれは「お前らを地上から抹殺する」という逆の意味だったため、事態はさらに悪化することとなる。地球人たちはイデオンで応戦しつつ、同じく発掘された宇宙船ソロ・シップに乗り込み宇宙へ逃れる。だが、その遺跡にこそバッフ・クランの探し求める無限力「イデ」が秘められており、カララを乗せたソロ・シップの脱出により、事態は局地紛争から星間戦争へ進展してしまう。安息を求めソロ・シップは地球人側の移民星に逃げ込むが、バッフ・クランは執拗な追跡の手を休めない。道中に様々な人間模様が繰り広げられ、艦内に不和を抱えたまま宇宙を逃走し続けるが、次第にイデオンとソロ・シップに異変が起こり始める。
[編集] 作品の背景と評価
元々は、本作と同じくスポンサーがトミー、制作が日本サンライズである『科学冒険隊タンサー5』の後継番組として企画された。サンライズ企画室からの発注によりメカニカルデザインのサブマリンがイデオンのデザインとストーリーのたたき台を持ち込んだ。当初は「普段は通常の業務に従事している車両(装甲車、タンクローリー、幼稚園バス)が、ひとたび事が起こると変形・合体して敵を迎え撃つ」といった内容になる予定だったが、監督就任の受諾を渋った富野監督の暴走(?)により方向性が大きく変わった。発端はイデオンのデザインを見るなり発せられた「これは第六文明人の遺跡です」の一言。ただしイデオンの名称やおおよそのデザインは当初のものから変更されていない模様。富野によれば「でなければ、こんな酷いデザイン誰が使います?」。曰く、日常の延長といった性質を消すためにデザインはほぼそのままで巨大なものに改めた(=第6文明人を巨人に設定した)、と後に語っており、作品がハード路線になったのもイデオンのデザインに耐えるだけのパンチ力のある展開を目指した結果であると証言している。
SF映画『禁断の惑星』を彷彿させる本作は一部のSFファンから高い評価と人気を得たが、その内容の難しさと地味さから一般受けする作品とは言いがたかった。中盤よりゴールデンタイムに枠移動したが、視聴率はそれ以前より更に低下。トミー工業(現・タカラトミー)やアオシマ等から発売された関連商品である玩具等の販売が振るわなかったため、全43話の予定が第39話で打ち切られた。アオシマのプラモデルのみはガンプラブームもあって好調な売り上げを記録していたが、そのほかの関連商品は「ロボットアニメの視聴者は低年齢層である」という当時の標準的な商品思想に則ってぬり絵や文房具といった商品展開を行ったため、ハード路線を展開する本作の視聴者層とは合致せず、特にトミーの合金玩具はやはり当時としては標準的ないかにもおもちゃ然としたデザインであったため、玩具業界にとって黒船とも言えるガンダムに端を発したリアルロボット志向に完全に取り残される形となり、本来最も売れなければならない主力商品が全く売れない事態となった。その結果プラモデルシリーズの利潤を主力を含むその他の商品の赤字がはるかに上回ることとなり、最終的にセールスは完全に破綻してしまった。打ち切りの大きな要因としては更にもうひとつ、ハードすぎる物語に一部の視聴者やPTA等から苦情が寄せられたことも挙げられる。以上のような背景から制作側の最終回へ向けての登場人物全滅というプロットは実現せずに終わることとなった。
しかし、制作スタッフ達はこの結末を何らかの形で発表することが可能であると信じ、密かに制作を続行。番組終了後、ファンたちの要望に応える形で、1982年にTV版の総集編『接触篇 A CONTACT』と真の終劇にあたる新作映画『発動篇 Be Invoked』が同時公開、併映された。原画は作画監修の湖川が一人で殆どをこなすという熱の入れようであり、当時のアニメーションにおいては群を抜くクオリティの作画であった。
当初は『機動戦士ガンダム』劇場版と同様に複数に分けての公開も考えられていたが、不入りにより最終作が製作されないというTV版の二の舞になってしまう可能性を考慮して、総上映時間が3時間を越えるにもかかわらず全編一挙公開となった。映画版はTV版の地球編を丸々カットし、キッチンやギジェの死は『発動篇』序盤に短く挿入するという形にしたため『接触篇』は前半部の総集編でしかなく、総集編と最終回完全版の組合せという映画としてはひどくバランスが悪いものとなり、また本作を映画で初めて観た者にとってはさっぱり訳の分からない作品となっている。この件に関して監督の富野自身も「起承転結の"承"の部分がないので、劇作としては0点」と自ら評している。しかしTV版を知る者から観た『発動篇』は冒頭からいきなりキッチンの首が飛び、ギジェの下半身が打ち抜かれ、イデオンソードで星が真っ二つという他に類を見ない異常なまでに高いテンションで幕開けしており、これが作品の評価に少なからず影響していると見られる。
ラストは日本アニメ史上、最大のショッキングと評されている。上記のキッチン、ギジェ他、レギュラーキャラクターの死に際して徹底した人間破壊描写が行われ、庵野秀明といったのちのアニメクリエイター達に多大な影響とトラウマを与えた。
[編集] 用語解説
[編集] イデオン
全高105m。ソロ星で発掘された第6文明人の遺跡。3台のメカが合体する事で巨大人型メカとなる。無限エネルギー「イデ」によって動く。バッフ・クランは「巨人」と呼称する。第2話でのカーシャ曰く「なんか知らないけどよくできてる」メカ。
起動時、コックピットにある半球形のスクリーンにギリシャ文字のΙ(イオタ)、Δ(デルタ)、Ε (イプシロン)、Ο(オミクロン)、Ν(ニュー)に似たサインが現れるが、フォルモッサ・シェリルがこのサインを「ΙΔΕΟΝ」=「イデオン」と読んだことからイデオンと呼ばれるようになった。
格闘戦のほか、ミニ・ブラックホールやイデオン・ガン(波導ガン)、イデオンソードなどのイデの無限力を体現した能力を持つ。
完成直前にイデ誕生によって第6文明人が滅亡したため内装は未完成であり、地球人側の技術によって作られている。このためコンピュータやパネルなどは本来の仕様とは違うものと考えられる。
腕や脚などにミサイルやグレンキャノンなどの武装が追加されたが、本来の装備ではないため機体の変形により位置が変化する。物語序盤ではこれらの取り付け位置を間違ったため変形後使用できなくなるといった不具合もあった。
[編集] ソロ・シップ
全長400m。ソロ星で発掘された第6文明人の遺跡。星間航行が可能な宇宙船。上部にイデオンを寝かすことが可能な甲板がある。バッフ・クランは「ロゴ・ダウの舟」「四つ足(主に小説版での呼称)」と呼称する。寝かせられることに気がついたのはシェリルである。
移民星に訪れた際に武装の強化を行い、主砲やグレンキャノンを装備した。これによりイデオンの支援やバッフ・クランの艦船との戦闘が行えるようになった。
強力なバリアーを発生させることが可能であり、ある程度の攻撃に耐えることができる。このバリアーはイデオンのバリアーと同じくイデの力の高まりによって防御力が変化する。イデの力が弱まっていると敵の重機動メカの攻撃で貫かれることもあれば、逆に強まっているときはガンド・ロワの攻撃すら防ぐ。しかし、防御をバリアーに頼りきっているため白兵戦に弱く、バッフ・クランとの白兵戦により乗組員に多数の被害が出ている。
[編集] 地球人
主人公側が属する種族。外宇宙に進出し各地に移民星を持つ。劇中、社会体制についての描写はなかったが、異星人の脅威に対抗するための地球連合軍や各植民星軍といった軍隊が社会で幅をきかせている。そのため、各植民星では政府に交渉するよりも統治している軍隊と交渉することが多かった。ロゴ・ダウ(=ソロ星)で初接触したため、バッフ・クランからは「ロゴ・ダウの異星人」と呼ばれる。
バッフ・クランと同等の科学技術を保有していると思われるが、バッフ・クランに対抗できるような重機動兵器を持っていないことから、宇宙進出後に軍事技術の開発はストップしていると思われる。
最後にはソロ星方向から飛来する流星によって全滅する。
作中では「地球」は固有名詞ではなく、バッフ・クランも含めて人間型の知的生命体の母星の意味である。そのため、ここで語られる「地球」は、私たちが住んでいる「地球」などの特定の星を指すものではない(#備考を参照)。
[編集] バッフ・クラン
敵方となる種族。宇宙進出は主人公側よりも強大かつ遠大。髪は直毛が多く多色の瞳、左利きが多いという身体的特徴をもつ。ズオウ大帝による独裁政治が行われ、封建制が色濃く残る階級社会をもつ。
軍人は自分たちをサムライと称しており、プライドが高い者や出世を望む者が多い。
バッフ・クラン(バッフ族)とはあくまで民族名であり、彼らは主人公側と同じく自分たちの母星を「地球」と呼んでいる。
最後にはロゴ・ダウ方向から飛来する流星によって全滅する。
[編集] ソロ星
地球側が移民を行っていた星。アンドロメダ星雲内にあり、地球から250万光年離れている。バッフ・クランでは「ロゴ・ダウ」と呼称し、伝説のエネルギー「イデ」が存在する星と見当をつけていた。事実、地球人は第6文明人の遺跡をこの星から発掘した。
[編集] 第6文明人
地球人類にとって「6番目に遭遇した地球外文明」という意味。バッフ・クランは第7文明人にあたる。第6文明は既に滅びていたが、第1~第5文明の中には、実はバッフ・クランが含まれていたらしい。特に第5文明との接触は“輝きのコンタクト”と呼ばれ、接触した宇宙船が異星人の攻撃により沈められるという事件だった。この事件で地球に対する敵対的異星人の存在が明らかになり、地球文明は外宇宙への植民を推進するようになった。
[編集] イデ/無限力
無限のエネルギーとしてバッフ・クランでは伝説として語られており、その調査にソロ星(ロゴ・ダウ)を訪れ地球人と接触をした。なぜか地球側には無限エネルギーの伝説はなかったが、これは絶対帝政によって単一の文化が持続したバッフ・クランに対し、地球側では多くの政治形態や文化・宗教の興亡によって伝説が歪曲され、各地の神話や伝承にその名残を留めるのみになってしまったものと考えられる。
シェリルの調べた結果やギジェの発言からすると、イデオンやソロ・シップに備わっているイデの力は第6文明人の数十億の意識を集めたものと予想されている。
富野監督によれば、イデは第6文明人の精神の一部をエネルギー利用する実験の失敗により誕生したものであり、その際に第6文明人はすべての精神を吸い取られて滅亡したとされている
イデが目覚めたとき雑多な自己に戸惑ったという小説版の記述に従うなら、イデは神の如き純粋な無限の力ではなく、迷える群衆のようなものであったと考えられる。そしてその状況から逃れるためにイデが欲したもの、それが全ての事件の発端となったようだ。
[編集] 登場人物
[編集] 地球側
地球人類の個人名は姓・名(ファミリーネーム・ファーストネーム)という設定である。
[編集] ソロ・シップクルー
- ユウキ・コスモ(声:塩屋翼)
- 性別:男性 年齢:16歳 髪の色:赤 髪型:アフロヘアー。血液型:O型 登場話:第1話~39話、接触篇、発動篇
- 本作の主人公であり、イデオンAメカのメイン・パイロット及びイデオンのパイロットを務める。第6文明人の遺跡調査団長ユウキ・ロウル博士の息子。ナイフの達人。ナイフの使用は各場面での回数を重ねるごとに上達しているように見える。また、番組企画書によれば、父の趣味の影響でクレー射撃も得意だという。メカマニアで日常的なメカの扱いに関しては自分以上の者はいないと思っている。第1話において、コスモが乗り込んだことで初めてイデオンメカが起動した。母親とは生き別れているらしく、地球連合軍ブラジラーの基地指令カミューラ・ランバンに母の面影を重ねたことがあった。熱血漢で物語初期はその若さ故にベスに反抗することもあった。反抗期ということからか少し怒りっぽいところもあり、物語の序盤でイデオンメカに逃げ込んだロッタたちに「ルウを泣かせるな!」と何度も怒鳴っていた。キッチ・キッチンとの出会いと別れなどを経験して物語中盤以降、精神的に大きく成長する。
- 発動篇ではカーシャの死に涙しながらも最後の最後まで戦い、イデの導きによりバッフ・クランの業を背負うドバ・アジバと交信、戦いの真の意味を悟る。しかし、イデの意志に最後まで抵抗したのも彼であった。両腕を吹き飛ばされてもイデオンの機体と共に全てが消滅するその瞬間までその眼差しはイデに抗い続け、生きる意志を失わなかった。戦いに疲れた彼の魂は最も遅く目覚めることとなった。
- 彼の特徴的なアフロヘアは準備第一稿の段階から既に設定されていたという。第二稿ではカミーユ・ビダンのような髪型へと一時的に変更されたが、決定稿で再びアフロが復活している。
- ジョーダン・ベス(声:田中秀幸)
- 性別:男性 髪の色:暗緑色 登場話:第1話~39話、接触篇、発動篇
- 地球連合軍ソロ星駐留空軍の士官候補生。事実上難民のリーダーで、ソロ・シップの船長。名門ジョーダン家の御曹司。物語の初期にはBメカのパイロットをすることもあった。ビームソードはバッフ・クランも驚くほどの腕前で白兵戦最強の男である。バッフ・クランのカララ・アジバと恋仲になったが、第2話での初対面の時点でデートに誘っている。クルーの反発を受けながらもカララを戦闘アドバイザーとして起用し、ソロ・シップ内での彼女の居場所を作った。そのためブリッジクルーなどから白い目で見られることもあったが、時間と共に周囲との関係は改善された。
- 発動篇の終盤でソロ・シップの消滅とともに死亡。撃たれつつも最後まで戦った勇敢な男の最期であった。
- Bメカ左コックピットに座りながらも戦闘で死ななかった男としても有名。
- イムホフ・カーシャ(声:白石冬美)
- 性別:女性 年齢:17歳 髪の色:金髪 髪型:ツインテール 登場話:第1話~39話、接触篇、発動篇
- イデオンCメカのメイン・パイロット。イデオンに合体後は主にミサイルの発射・コントロールを担当。夏と冬しかない過酷な環境の植民星A92で生まれ育った。軍の英才教育を受け、ロケット整備士の免許を持っている。男勝りの勝ち気な性格。劇中でそれは幾度となく描かれている。その可愛らしいルックスから他人に女の子らしく見られるが、そう見られること自体が自尊心を絶えず傷つけると感じているという。TV版では最後まで気丈さを失わなかった。現実を受け入れようとしない頑固さもあったが、ところどころで女性の弱さやわがままさを見せる場面もあった。
- コスモとは意地の張り合いでケンカばかりだったが、発動篇においてベスとカララの姿を見て、互いが男女として大切な存在であることを認め合う。その後イデオンを降りてカララとその胎児「メシア」の護衛に就くが、戦闘で全身に榴散弾(描写は不明瞭でブックレットや書籍によっては敵メカ残骸と解説される場合もある)を浴びて死亡。イデの意志を悟りながらも、自らの生きてきた意味を問いかけた台詞は彼女の死の際にコスモの脳裏に再びよぎり、その悲壮感はより一層胸をえぐった。
- フォルモッサ・シェリル(声:井上瑤)
- 性別:女性 年齢:18歳 髪の色:ピンク 登場話:第1話~39話、接触篇、発動篇
- 第6文明人の遺跡を調査していたフォルモッサ・ロダン博士の娘。フォルモッサ・リンの姉。言語学者の卵で、遺跡調査スタッフの一員だった。理知的だが物語初期は大変自己中心的な性格でベスやカララと対立し、ソロ・シップを脱走したこともあった。あだ名は「朴念仁」。ソロ・シップやイデオンの謎の解明に力を尽くそうとする。物語中盤、月基地でイデの解明を目前にしたところで地球連邦軍の兵士の邪魔を受ける。その際、手助けしてくれたキラニン・コルボックを目の前で殺されてしまう。その回の終わりまでショック状態が続くが、これが彼女に人間らしさや女性らしさを取り戻させた出来事であろう。終盤ではギジェ・ザラルと恋仲になるも、妹リン、ギジェを相次いで失い、ショックで発狂。
- 発動篇にてパイパー・ルウを連れ出し、イデに救いを求めたものの、彗星の衝突とともに命を落とす。その彼女の魂を迎えに来たのはギジェであった。「死」こそがイデが彼女に与えた救いであったのかもしれない。
- アフタ・デク(声:松田たつや)
- 性別:男性 年齢:10歳 髪の色:茶 登場話:第1話~39話、接触篇、発動篇
- コスモの弟分。第16話からイデオンAメカのコ・パイロットになる。ソロ星リスラシキのラパパをいつも連れていた。なかなかの勉強家で、戦闘中に戦術の知識を披露してコスモにほめられたことがある。重症を負ったコスモの目の代わりを果たしたりもした。第25話のキャラル星と第37話のアジアン星で非戦闘員扱いを受け艦を降ろされたことに怒っていた。
- 発動篇では物語の最後までコスモらと共に戦い抜いたが、燃え尽きるイデオンの中でペットのラパパとともに死亡。
- デクを演じた松田辰也自身が当時思春期の少年だったためTVシリーズの中盤辺りより変声期が訪れ、劇場版収録時にはかなり大人びた声に成長している。余談ではあるが、同じく子役時代から声優として活躍するコスモ役の塩屋翼も『科学忍者隊ガッチャマン』で収録期間中の声変わりを果たしている。なお第30・31話では、劇中にデクが登場しエンディングにも松田の名前があるものの、無言でOKサインを出したのみで台詞は一言も発していない。これは収録日に松田が修学旅行に行く予定になっていたことに配慮した結果である。
- 『第3次スーパーロボット大戦α』では小桜エツ子が声を担当した。
- バンダ・ロッタ(声:山田栄子)
- 性別:女性 年齢:15歳 髪の色:黒 登場話:第2話~39話、接触篇、発動篇
- 炊事・洗濯・掃除・育児や農作業など、ソロ・シップの内部作業を一手に引き受けていた感がある。第13話ではカララがソロ・シップのクルーとなることを許せず、銃を向け発砲までした。その後カララと日常に接することで彼女の異星人観は大きく変わっていった。誰にでも優しくできるようで、ソロ・シップ内の母親的存在であったかもしれない。第30話にてソロ・シップに密航中のギジェを発見したが、見逃している。第33話ではBメカを操縦するギジェの監視を行った。
- 接触篇ではマヤヤを射殺するが、発動篇でソロ・シップに侵入したハルル・アジバ配下のキラルルに射殺された。
- フォルモッサ・リン(声:横沢啓子)
- 性別:女性 年齢:14歳 髪の色:茶 登場話:第2話~37話、接触篇、発動篇
- フォルモッサ・シェリルの妹。姉と違って可憐な性格で、よくバンダ・ロッタの手伝いをしていた。頭脳明晰な姉に対するコンプレックスをもっていたが、その分、デクやロッタらと農作業をしたり、ルウの面倒を見たりと周囲に気を遣うことができたようだ。
- 第37話にてアジアン兵の銃撃を受け死亡。
- ファトム・モエラ(声:佐々木秀樹)
- 性別:男性 髪の色:茶 登場話:第4話~32話、接触篇、発動篇
- 地球連合軍ソロ星駐留空軍の補欠パイロット。ベスの後任として第9話からイデオンBメカのメイン・パイロットになる。イデオンに合体後は主にイデの力を含めた出力制御を担当。軍人のため戦闘中はコスモと意見が対立することもあったが、状況を素早く判断できる冷静さを持ち合わせていた。
- 第32話においてファム・ラポーと互いに意識しあう仲になるも、戦闘でコックピットが炎に包まれる中、波導ガン発射のために最後まで機関の操作を続け死亡。今際の際に太陽系第6惑星の輪が欠けるのを見ながらつぶやいた台詞はテレビ版と接触篇とでは大きく異なる。
- イラ・ジョリバ(声:塩沢兼人)
- 性別:男性 年齢:18歳 髪の色:黄 登場話:第2話~39話、接触篇、発動篇
- ソロ・シップのメイン・クルーで機関担当。機関室でソロ・シップのエンジンの出力調節を行ったり、イデオン波動ガンを調べたりしていた。第19話ではバッフ・クランのギャムス・ラグと交渉する際のカララの護衛兼パイロットや第27話ではムーンランド潜入時にシェリルの護衛を務めた。なぜか第27話で髪の毛が真っ白なワンシーンがある(本来は黄色)。交渉する際に戦闘機を操縦したが、腕はなかなかのものだった。
- 最終話において、イデの力によってカララとともにバッフ・クランの巨大戦艦バイラル・ジンにテレポートさせられる。その際カララをかばい、ドバ・アジバにビームソードで背中を斬られた。「大丈夫だ」と連呼していたが明らかに場面が移るごとに容態は悪化しており、発動篇ではその傷が元になって亡くなっている。
- 因果地平の果てでは、生前接触がなかったはずのキラルルとカップルで飛翔する姿が見られる。無骨なメカマンと思われていた彼の、死後の意外な手の早さは話題を呼んだ。
- ナブール・ハタリ(声:横尾三郎(第7話まで)・井上和彦(第9話以降))
- 性別:男性 髪の色:青 登場話:第4話~39話、接触篇、発動篇
- ソロ・シップのメイン・クルーで操縦担当。第15話ではシェリルらと一緒にソロ・シップを脱走しようとしたこともある。ベスが不在の時にはソロ・シップの指揮を執っていた。本作品では美形な方なのだが靴下の穴をコスモから指摘され3日間履いていると答えたことがあるため、若干、不潔な一面をもつ。また、左右の眉毛の太さも異なる。
- 発動篇でDS(デス)ブレーキをかけようとした時にバッフ・クランの兵士に頭部を撃たれ死亡。
- 「馬鹿な! 俺はまだ何もしちゃいないんだぞ!?」と死の間際に放ち、脇役でありながらもこの名台詞によって強烈なインパクトを遺した。因果地平の果てでも彼は印象的な台詞を残している。
- ギャバリー・テクノ(声:桜本昌弘・島田敏(第3話のみ)・小野田英一(第12話のみ)・千葉繁(第23話のみ))
- 性別:男性 髪の色:黄 登場話:第3話~39話、接触篇、発動篇
- イデオンB、Cメカのコ・パイロットをすることが多かった。大柄で気さくな人柄。パイロットスーツを着ると異様に着やせした描写がされている時がある。物語全般においてコスモはなぜか彼に対してだけは丁寧な口調だった。イデオン合体時は腰部の「センター・グレンキャノン」の砲手をつとめることが多かった。第25話ではキャラル軍の戦闘機カルテットに搭乗してバッフ・クランのダラム隊と戦闘している。
- 発動篇ではコスモ、デクらと共にイデオンに搭乗して最後まで戦い、ガンド・ロワの第二射を受けたイデオンの内部で崩壊するイデオンの部品の濁流に飲まれ死亡。
- マルス・ベント(声:三橋洋一)
- 性別:男性 年齢:17歳 髪の色:黒 登場話:第2話~39話、接触篇、発動篇
- 数少ない眼鏡キャラ。イデオンB、Cメカのコ・パイロットをすることが多かった。モエラ、ギジェ死亡時ともBメカに同乗し、いずれの際も生還したため、なぜか視聴者やファンから『死神』等と揶揄・非難されている。
- Bメカ被弾または破損の際の生存確率が異常に高いのは「コックピットからすぐに逃げる」「機関室の様子をマメに見に行く」という行動が多い結果によるものである。ジョリバら技術スタッフが操作した場合、機関室は見事復旧するのだが、なぜか彼の場合は何も出来ず、何があったのか「駄目だぁ…」と傷つきよろめきながら出てくる時すらあった。
- 発動篇にてイデオンがガンド・ロワの第一射を受けた際、イデオンが自身の機関部を守るために発生させたバリアーに接触して死亡。ガンド・ロワの第一射で死亡したのはソロシップクルーの中で彼だけだった。数々の名キャラクターの死に立ち会った強運の持ち主にしてはあまりにもあっけない最期であり、しかも当人のキャラクター描画が不明瞭なため橋本の声に注目していないと誰が死んだのか解らないほどでもあった。一瞬の最中だが、衝撃で破損したイデオンの部品が突き刺さり、さらにイデのエネルギーで内側からも焼き消されるという、儚く消えるレギュラーキャラクターの数々と比べてあまりにも悲惨な扱いである。なぜか最期に「チカチカ-!」と叫んでいるように聞こえる。台本上では「機関室が!うわーっ」と言っているのだが、効果音と混ざってかそう聞こえるようになってしまっている。
- ファム・ラポー(声:つるたきみこ)
- 性別:女性 髪の色:赤茶 登場話:第17話~39話、接触篇、発動篇
- ソロ・シップでは医療を務める。第32話でモエラと恋仲になるも、同話で彼を失う。発動篇では射殺されたカララのお腹の子供がなおも生き続けていることを目の当たりにする。
- マラカ・ファード(声:高木早苗)
- 性別:男性 髪の色:白 登場話:第3話~39話、接触篇、発動篇
- 設定年齢は6歳だが、デクよりも背が高い。臆病な性格の少年で、いつも人形を手放せないでいる。第32話でモエラの叱咤を受け、その後人形を御守りとして託した彼の死を目の当たりにしたことで強くなることを誓った。発動篇の頃にはラポーを激励して共にソロ・シップを守る戦いに参加するまでに成長した。
- 発動篇では子供ながらも銃を取り、ソロ・シップ内に侵入したバッフ・クラン兵と戦った。
- ノバク・アーシュラ(声:松原雅子)
- 性別:女性 年齢:5歳 髪の色:茶 登場話:第2話~39話、接触篇、発動篇
- バッフ・クランの襲撃で家族を失い、ロッタやリンの保護を受ける幼児。いつもデク達とにぎやかに騒いでいた。農作業を手伝うなど子供らしい健気さが覗える。デクと一緒に逃げ込んだ惑星の探検に出かけたことなどから、活発で好奇心の強い子どもであるとも言える。
- 発動篇では砲撃で頭を吹き飛ばされるという衝撃的な死に様となった。
- パイパー・ルウ(声:井上瑤)
- 性別:男性 髪の色:白 登場話:第2話~39話、接触篇、発動篇
- 1歳半とのことだが、劇中ではつかまり立ちしかできなかった。母親は第2話で死亡。バンダ・ロッタやフォルモッサ・リンにソロ・シップで育てられた。「イデ」はルウの恐怖心や純粋防衛本能に何度も反応し、その都度イデオンやソロ・シップはバリヤーの強化や新たな武器の発動など、持てる力を解放していった。武装の強化とは別の意味でルウがソロ・シップに乗船していたことはクルーにとって幸いであり、実は彼が乗船していなければイデの最終的な発動はもっと早く、監督によるとおそらく第2話の時点で行われていたとされ、その使命はやがてはメシアに受け継がれる。なおルウが最初に発した言葉は「イデ」であった。クルーらはルウが言葉を喋りそれが「イデ」という現実に偶然とは思えぬ不気味なものを感じるのだった。
- 実際はそれ以前に地球で流れ星を見て「きれーい」と叫んでいるのだが、これを「まわりの真似をして叫んでいる」とすれば、ルウが自発的に発した最初の言葉が「イデ」であると解釈することができる。
- キロル(声:市東昭秀)
- 性別:男性 登場話:第36話
- ソロ・シップの乗組員。ソロ・シップに自爆用の核爆弾をしかける作業中、パニック状態に陥って宇宙服で宇宙空間に飛び出し、コスモに助けられた。
[編集] 軍人
- カミューラ・ランバン(声:近藤多佳子)
- 性別:女性 髪の色:濃いピンク 登場話:第14話
- アンドロメダ方面ブラジラー基地の司令。ジョーダン・ベスの幼年学校時代の教官だったらしい。20代半ばの息子がいるが、10年前に別れたきりである。ジルバル・ドクの攻撃に対する恐怖で幼児退行を起こしたユウキ・コスモを気遣って基地内を案内した。
- コスモと共にソロ・シップに向かう途中、爆風で飛ばされたシュッター・カタムの下敷きになり、コスモの眼前で死亡。彼女の死はコスモの怒りを呼び覚まし、物語中初のイデオンのミサイル一斉発射・通称「全方位ミサイル」攻撃を行った。
- ガンツ(声:千葉繁)
- 性別:男性 髪の色:茶 登場話:第1話、接触篇
- ソロ星陸軍の士官。ソロ星空軍士官であるジョーダン・ベスの言葉を信じ、第6文明人の遺跡発掘現場に戦車5両を指揮して出動した。
- バッフ・クランとのファースト・コンタクトの際の戦闘で死亡。
- コボル(声:玄田哲章)
- 性別:男性 髪型:禿頭 登場話:第18話
- アジアン星の副司令官。ブラジラー基地からの司令書を偽造して入国したソロ・シップを出迎えた。上司である司令官をごく自然に操縦していたらしく、バッフ・クランへの反撃やソロ・シップの強奪を進言した。
- ギジェ隊による準光速ミサイルの第2波攻撃で司令部ごと消滅。
- ヌージャン(声:山田俊司)
- 性別:男性 登場話:第31話
- 地球連合軍ヨーロッパ方面軍本部の副官。痩身で見るからに策士といった風貌。ジョーダン・ベス説得作戦の発案者と思われる。ベス救出に来たギジェ・ザラルに警備兵ともども殴られ、昏倒した。
- パーキンスン(声:千葉繁、映画版・筈見純)
- 性別:男性 髪の色:茶 登場話:第23~25話、接触篇、発動篇
- ダラム隊の準光速ミサイルによって壊滅したキャラル星軍の生き残りで、山岳地帯にある秘密軍事基地「スタグラ」の司令官。キッチ・キッチンの父親をよく知っているらしく、キッチンを「お嬢さん」と呼ぶ。当初はソロ・シップへの補給を拒んだが、バッフ・クランの軍事力を目の当たりにして考えを改め、ソロ・シップと共同してダラム隊への反撃作戦を行った。彼自身は作戦時、基地に残った。
- フレンダリー・リミッター(声:水鳥鉄夫)
- 性別:男性 登場話:第28話
- 戦艦ムサッシおよび重巡洋艦クラップ数隻で構成された地球連合軍艦隊の司令で、ソロ・シップの引き渡しを要求した。折しも攻撃してきたダラム隊と交戦、旗艦ムサッシ以外の戦力を失うが、ダラムの乗艦をあと一歩まで追いつめた。しかし反撃を受けて航行不能に陥り月面に不時着。ダラム隊消滅後、艦が炎上する状況下でソロ・シップに対する砲撃を命じる。しかしイデオンに主砲塔を破壊されムサッシは爆発、リミッターも死亡した。
- マーシャル・フランクリン(声:上田敏也)
- 性別:男性 登場話:第34~36話
- 戦艦スカラベリィおよび重巡洋艦クラップ数隻で構成された地球連合軍艦隊の司令。ソロ・シップを地球に連れ戻す命令を受けていた。バッフ・クランのハンニバル隊壊滅直後にドウモウ・スターに接近、その際ハンニバル・ゲンの投降を受け入れる。第35話においてハンニバル発案によるナイト・スターの衛星を準光速ミサイルで攻撃してイデオンとソロ・シップの頭上に落下させる作戦を行った。第36話ではベス達クルーによるソロ・シップ放棄・爆破を支持する発言をしながらも自爆用核爆弾を解除するための工作隊を送り込むなど、したたかな一面を持つ。
- 突如あらわれたバッフ・クランのガルババ隊と交戦、奮戦するも乗艦スカラベリィを撃沈され死亡。
- ミラクリン(声:屋良有作(第34話)・上恭ノ介(第35、36話))
- 性別:男性 登場話:第34~36話
- マーシャル・フランクリンの副官。ソロ・シップと接触した際、ベスとフランクリンの会話に口を挟んだコスモを怒鳴りつけたが、フランクリンにたしなめられた。
- ライス(声:田中康郎)
- 性別:男性 登場話:第31話
- 地球連合軍ヨーロッパ方面軍本部長。禿頭でモノクル(単眼鏡)を着用。ジョーダン・ベスに軍本部への出頭を命じ、ソロ・シップとイデオンの引き渡しを命じた。これを断ったベスを監禁し、ベスの両親に説得させた。
- レクラン(声:稲葉実)
- 性別:男性 登場話:第32話
- ムサッシ級戦艦ゴーリキーおよび重巡洋艦クラップ数隻で構成された地球連合軍艦隊の司令。ソロ・シップに「地球連合艦隊に編入する」との地球連合艦隊総司令のメッセージ映像を届けた。ソロ・シップに対して好意的で、メッセージに思わず失笑するクルーに対して怒ることもなかった。レクラン艦隊は太陽系を離脱するソロ・シップと共同してルクク隊と交戦。太陽系第6惑星軌道上の戦闘においてソロ・シップとの約束を守りバッフ・クランの攻撃の前面に立つが、集中砲火を浴びて乗艦ゴーリキーは轟沈、乗艦と運命を共にした。
- ロン(声:山口晃)
- 性別:男性 登場話:第36話
- 地球連合軍の兵士。第35話でイデオンにろ獲された、重巡洋艦クラップに乗り組んでいた。クラップがソロ・シップの避難民船として使用されることに抗議したが、ベスにあしらわれる。マーシャル・フランクリン艦隊に引き取られたのち、艦隊と運命を共にしたと思われる。
[編集] その他
- キッチ・キッチン(声:鵜飼るみ子)
- 性別:女性 髪の色:青 登場話:第23~25話、接触篇、発動篇
- キャラル星軍の高級将校の娘。壊滅したキャラル星の都市で子供たち数人と生き残っていたところをコスモに発見される。イデオデルタから降りたユウキ・コスモを異星人と勘違いして銃撃するが、バッフ・クランと戦闘する姿を見て誤解は解く。しかし、イデオンとソロ・シップの存在のためにキャラル星が攻撃を受けたとの認識は最後まで変わらなかった。コスモはキッチンに恋愛感情を抱いたが、彼女はそれに気づかなかったようである。だが、無意識の内に彼に惹かれるようになっていくさなか、第25話で生き残りの子供たちをスタグラ基地に誘導する途中、不時着していたダラム・ズバと遭遇して射殺された。彼女を見送るように流れた『コスモスに君と』の3番の歌詞が印象的。
- 小説版ではコスモによって誤って射殺されてしまう。
- 発動篇では序盤にて戦闘の爆撃に巻き込まれ死亡。TV版での印象的な最期から一転し、吹き飛んだ彼女の首がコスモのヘルメットのバイザーに映りこむ無残な描写は観る者に大きな衝撃を与えた。
- 発動篇終盤にて互いに意識のみの存在になったコスモと再会。しかし、彼女は気持ちを通じ合わせながらもコスモとは別離し、自分の幸せを求める。これは最後までコスモの想いに気づかなかったのではなく、彼の幼馴染カーシャに気を利かせたのでは、と言われている。
- ラストシーンにおいて「キッチン、幸せになろうな」と語るコスモに対して「あたりまえじゃない。損しちゃうもの」と返すシーンは印象的だが、富野監督によれば、この時点で彼女達は「前世の尻尾」がまだ残っており、しかも自分達が死んでいることをはっきりと自覚してはおらず、のちに新しい生命へと輪廻転生する頃には全てを忘れてしまっていると語っている。
- キラニン・コルボック(声:安原義人、映画版・徳丸完)
- 性別:男性 登場話:第27話
- 科学アカデミー所属の科学者。この科学アカデミーは劇中での説明はなかったが、ソロ星で発掘を行っていた科学庁とは別の頭脳集団という設定。イデに関する科学庁の報告に興味を持ち、月軌道上のソロ・シップと接触。シェリルの要請を受け、軍管轄下にあった大型コンピューター「グロリア」の月面端末に案内した。
- ソロ・シップのクルーと違って人間的に接する彼の態度にシェリルは心惹かれていたが、「グロリア」によるイデ解析成功の直後、警備兵に射殺される。彼の死にシェリルはただ涙を流すのだった。
- コモドア(声:徳丸完)
- 性別:男性 髪の色:薄青 登場話:第37話、発動篇
- 準光速ミサイルの攻撃を受けて壊滅したアジアン星生き残りのトップ。バッフ・クランのグラダブラ・ドロンと協力してソロ・シップに対する人質作戦を行った。その際、アジアン兵によってフォルモッサ・リンほか数名が射殺される。人質解放時にリンの姉、フォルモッサ・シェリルの銃撃により致命傷を受け、人質救出部隊の一員として参加していたギジェ・ザラルによって止めを刺された。エミリアという名前の妻がいる。
- ジョーダン・マック(声:飯塚昭三)
- 性別:男性 登場話:第31話
- ジョーダン・ベスの父親で退役軍人。地球連合軍に監禁されたベスを説得しようとした。軍の命令に反抗するベスの態度を最後まで理解できなかったようである。ベスの子供時代・青年時代の写真を肌身離さず持ち歩いていたが、第31話のラストで全て破り捨てた。
- ジョーダン・エルミ(声:近藤多佳子)
- 性別:女性 登場話:第31話
- ジョーダン・ベスの母親でジョーダン・マックの妻。夫と共に地球連合軍に監禁されたベスを説得しようとした。夫と同様、軍に逆らうベスの態度を理解できなかった。
- フォルモッサ・ロダン(声:笹岡繁蔵、映画版・塚田正昭)
- 性別:男性 髪の色:茶 登場話:第1話、接触篇
- 科学庁所属の著名な考古学者で、ソロ星の第6文明人の遺跡を調査していた。シェリル、リンの父親。フォルモッサ博士の名前は科学アカデミーのキラニン・コルボックやアジアン星のコボル副司令も知っていた。バッフ・クランと地球人のファーストコンタクトの戦闘の際、爆風で飛ばされた大岩の下敷きになり死亡。
- ユウキ・ロウル(声:池田勝、映画版・玄田哲章)
- 性別:男性 髪の色:茶 登場話:第1話、接触篇
- 科学庁所属の考古学者で、ソロ星の第6文明人の遺跡調査を指揮していた。コスモの父親。バッフ・クランと地球人のファーストコンタクトの戦闘の際、爆撃で倒された発掘機械の下敷きになり死亡。
[編集] バッフ・クラン
武人の位などについての詳細はバッフ・クランを参照。
バッフ・クランの個人名は名・姓(ファーストネーム・ファミリーネーム)の順という設定。
[編集] 軍人
- アバデデ・グリマデ(声:池田勝)
- 性別:男性 髪の色:薄緑 登場話:第3話~10話
- ロゴ・ダウ調査隊の隊長。バクサの位。穏やかな口調とは対照的に大胆な作戦を行う武人。亜空間戦闘を得意とし、ギジェやダミドに理解を示す良き指揮官でもある。妊娠中の妻・ロココと幼い娘・ルローラがいる。
- 第10話でドグ・マックに搭乗し、クリスタル・スターの生物・バジンを利用した作戦でイデオンとソロ・シップに大ダメージを与えたが、バジンの習性に気づいたコスモの機転により逆にバジンの攻撃を受けることとなり、本人曰く「情けない死に方」をすることになる。
- カララ・アジバ(声:戸田恵子)
- 性別:女性 年齢:17歳 髪の色:紺。血液型:O型 登場話:第1話~39話、接触篇、発動篇
- バッフ・クラン宇宙軍総司令ドバ・アジバの次女。ハルルの妹。軍人の名門の家に生まれながらも戦いを嫌っているため父や姉との仲は悪い。ロゴ・ダウ(ソロ星)調査隊に同行、好奇心から地球人に接近したために地球とバッフ・クランの戦闘が発生。混乱の中でソロ・シップに乗船することになる。バッフ・クラン軍に関する知識が豊富なため、ベスの要請に応え第13話からソロ・シップの戦闘アドバイザーとなる。理想主義者のお嬢様だったが、物語が進むにつれ精神的に成長した。はじめはソロ・シップの中で異星人として白眼視されていたが、第13話にてバンダ・ロッタに銃を向けられた際に、逃げずに立ち向かった姿勢や、第15話にてソロ・シップの脱走者に人質として利用された際、進んで罪を被るなどの行為によって、次第に信頼を獲得していった。ギジェ・ザラルとは婚約者同士だったが、地球人のジョーダン・ベスと恋に落ち、物語終盤で彼の子を身籠る。バッフ・クランと地球人の間に育まれた生命はイデに強い影響を与えていた。
- 最終話にてイデの導きにより父・ドバとの会見に臨むが決裂。TV版ではこの時イデが発動する。
- 発動篇においてソロ・シップ船内に侵入した姉・ハルルに射殺される。
- カララのキャラデザインはカララを演じる戸田恵子本人の素顔をモデルにしている。
- ガルババ・グラ(声:田中亮一)
- 性別:男性 髪の色:茶 登場話:第36話
- サビアの位。若く長身の整った顔立ち。乗艦はガドモワ・ザン級ギモワ・ザン。艦隊の構成はほかにサディス・ザン級6隻。バッフ・クランで有名な踊り子、ミヤ・アイザックとの結婚を控えている。ナルシシストでソロ・シップとイデオンの戦力を軽く見ていたが、最終的には全戦力を投入するなど、指揮官としては優秀だった。
- ソロ・シップが発した時空振に誘導され、ソロ・シップおよび地球連合軍のマーシャル・フランクリン艦隊の近くに出現。交戦してフランクリン艦隊を撃破するも、イデオン波導ガンの砲撃を受けて艦隊が全滅し、彼も戦死した。
- ギジェ・ザラル(声:林一夫)
- 性別:男性 髪の色:青 登場話:第1~11、17、18、21~38話、接触篇、発動篇
- ロゴ・ダウ調査隊の先発隊隊長。サビアの武人。下級貴族の出身であるが、飲んだくれの父が亡くなった後に母の反対をおして士官学校へと身を投じた。やがて優秀な成績で頭角を現し、ドバ・アジバの目にとまる。小説版によると、その佇まいに中世の古武士の面影を見たドバによって甚く気に入られ、幹部候補生でありながらイデ捜索隊の隊長へと抜擢された。操縦技術、格闘能力、指揮能力すべてに秀でる優秀な「サムライ」で、カララの婚約者だったが、イデオンとソロ・シップに対する作戦がことごとく失敗したため第18話にて失脚。ダラム・ズバ率いるオーメ財団の私設軍に参加するもイデオンに敗北を続けたため、ダラムにも見捨てられ第27話にて月面に取り残された。その後、「イデの何たるかを知りたい」という一念で敵であったソロ・シップに潜り込み、最終的にはソロ・シップ側に寝返ることとなる。自らを「破廉恥漢」と自嘲しつつも、その傷を舐めあうかのようにシェリルと恋仲になった。武人の誇りを重んじるバッフ・クランにあって、特にプライドの高かった彼にとってこれは堪え難いことであろうことは容易に想像できることだが、惹かれ合う気持ちを偽ることはしなかった。コスモ達の前に姿を現した際はクルー全員から責められるが、自身の罪を償いたいが償う術がないと男泣きする。その姿から垣間見えるのはコスモ達とは違う「大人」の姿であった。生真面目で真摯な彼にクルー達は次第に信頼を寄せるようになり、第33話からはモエラの後任としてイデオンBメカのメイン・パイロットを務めるようになる。
- 第38話でのステッキン・スターにおいて、包囲されたCメカを救出すべく敵メカにBメカでの体当たり攻撃を敢行した際、粘着性の巨大食虫植物の葉に接触し身動きが取れなくなり、そこに集中砲火を浴びたため下半身を吹き飛ばされる。ギジェの自己犠牲にイデは強く反応し、イデオンは自らの意思で合体しイデオン・ソードを発生させる。ギジェはその輝きを見つつ息を引き取る。発生したソードは包囲していたアディゴ隊および惑星の反対側にいたバッフ・クランの艦隊までも殲滅、さらにステッキン・スターを両断するほどの凄まじい威力を示す。
- 全てが終わったのち、因果地平の果てでシェリルと再会する。
- ギャムス・ラグ(声:兼本新吾)
- 性別:男性 髪の色:茶 髪型:ショートヘア 登場話:第19、20話
- バクサの位の武人。戦力が枯渇したハルル隊に巡洋艦サディス・ザン単艦ながら援軍として登場。新型戦闘機ゴンド・バウ、重機動メカロッグ・マックでソロ・シップを苦しめた。額にこぶがあり、自らの容姿にコンプレックスを抱いているという設定がある。非常に好戦的な性格であり、時間稼ぎが目的だったとはいえ直接交渉に来たカララ・アジバからの「イデオンとソロ・シップを巡洋艦2隻と交換する」という提案を言下に断り、交渉決裂直後にカララに対する攻撃命令を出している。
- 乗艦のサディス・ザンでソロ・シップに肉薄するも、配下の戦士キヤヤ・ブフのロッグ・マックと接触して戦死する。
- キヤヤ・ブフ(声:小山茉美)
- 性別:女性 髪の色:紫 登場話:第20話
- ギャムス・ラグ配下のゾウトの位の戦士。兄のドッパ・ブフと共に「双子の悪魔」の異名でバッフ・クランに勇名を轟かせていた。兄とテレパシーによる会話が可能で、強力な連携攻撃で敵を撃破してきた。ロッグ・マックでイデオンとソロ・シップに肉薄したが敵わず、イデオンに投げ飛ばされてギャムスの乗艦と接触し、爆死。
- グハバ・ゲバ(声:渡辺猛)
- 性別:男性 髪の色:青 登場話:第11話~13話
- ハルル・アジバ配下の武人。バクサの位。片方の目と眉が過去の戦闘による負傷のために若干小さくなっている。レーザー剣の腕前はベスと互角。第12話にて停戦交渉に来たカララの着衣をハルルの命令で破り、やはり命令でその姿を嘲笑する。「ハルルは過去に大失恋をしたため男に対して八つ当たりをしている」とダミド・ペッチに語るなど、なかなかの事情通である。ただし、失恋の相手までは知らなかった。
- 開発されたばかりの重機動メカ、ジグ・マックの試作機を操りイデオンを苦しめたが、ドッキングアウトしたAメカのパンチが彼の乗るコックピットを直撃し、戦死。
- グラダブラ・ドロン(声:渡辺猛)
- 性別:男性 髪の色:オレンジ 登場話:第37話
- バクサの位の武人。短い刃を仕込んだ杖を持ち歩いている。乗艦はガドモワ・ザン級ガモン・ザン。艦隊の構成はほかにサディス・ザン級数隻。イデオンおよびソロ・シップと遭遇戦を行った後、付近にあったアジアン星に向かう。アジアン星の生き残りトップのコモドアに血判状を提出して信用させ、ソロ・シップに対する人質作戦を行わせた。作戦失敗後、アジアン星を脱出しようとするが、イデオン波導ガンの砲撃を受けて艦隊は全滅、彼も戦死した。
- コドモン・ムロン(声:加藤治)
- 性別:男性 髪の色:白 登場話:第38話
- ハルル・アジバ配下の武人。バクサの位。彼を含めて画面上出てきた彼の部隊はすべて老人で構成されており、高齢のため一度除隊したサムライ・ゾウトを集めた部隊だったと想像される。
- 自ら重機動メカのアディゴに搭乗し、イデオンおよびソロ・シップを攻撃。その猛攻によりギジェ・ザラルを殺すも、その意思に共鳴し合体したイデオンが自らの意思で発生させたイデオン・ソードによって乗機が爆散し、戦死した。
- シラク(声:中谷ゆみ)
- 性別:女性 登場話:第1話、接触篇、発動篇
- カララ専用シートを備えたコポラ11号機のパイロット。グラム・ザンで一番の操縦の腕前。
- 追跡してきたコポラ6・7号機とソロ星陸軍の遭遇戦の際、カララの身を案じて上昇したところにトカモフの戦車砲の直撃を受けて戦死。
- ジルバル・ドク(声:石森達幸、映画版・池田勝)
- 性別:男性 髪の色:白 登場話:第14、15話、接触篇、発動篇
- 重機動メカ、ジグ・マックの開発者にしてハルル・アジバ配下の武人。バクサの位。劇中では示されなかったが、技術者の一階級である「チャムの工人」出身という設定。ジグ・マック3機とズロオ・ジック数機からなる戦力でイデオンと戦闘。第14話では先行し過ぎたAメカに集中攻撃を行ってコスモ以外の乗員を死亡させ、コスモが戦闘恐怖症を起こすまでに追い込んでいる。第15話で地球の植民星「ダボラ・スター」がソロ・シップを受け入れるという偽りの通信を流し、ソロ・シップの一部クルーを脱走させた。
- 脱走者を人質にしてイデオンと交換しようとしたが、コスモの機転により失敗。ジグ・マックの肉薄攻撃でイデオンに大ダメージを与えるも、部品をえぐり取って後退しようとしたところをドッキングアウトしたAメカのパンチをコックピットに受けて戦死。
- ゼキタニ(声:笹岡繁蔵)
- 性別:男性 髪の色:白 登場話:第21話
- ハルルの参謀。ドロワ・ザンのブリッジで唯一の男性と思われる。ハルルはかなり頼りにしていたようだが登場したのは第21話のみ。
- ダミド・ペッチ(声:田中崇)
- 性別:男性 髪の色:茶 登場話:第1話~12、16話、接触篇、発動篇
- ロゴ・ダウ調査隊の先発隊副長。サビアの位。ギジェをライバル視し、何度も出し抜こうとしたが果たせなかった。死地となった戦闘では部下に特攻を命じていたことから功を焦っていたと思われる。ハーケンと呼ばれるワイヤー付き楔を使用した電撃による攻撃を好んで行った。古城武司のコミカライズ版では改造されたメカダミドが登場した。
- 第16話にてジグ・マックに搭乗して亜空間戦闘でイデオンを追いつめたが、イデオンのキックを受けた味方機と接触して戦死。接触篇ではソロ星において戦闘機ギル・バウでイデオンにハーケン攻撃を行っている時にイデオンからのミサイルで撃墜された。
- ダラム・ズバ(声:木原正二郎)
- 性別:男性 髪の色:緑 髪型:オールバック 登場話:第21、23~30、32、38話、接触篇、発動篇
- オーメ財団の私設軍隊の隊長として登場。乗艦はガブロ・ザン、ゲロワ・ザン。ドロワ・ザンが撃沈された際、重機動メカガンガ・ルブでハルルを救った。かつてハルルと恋仲だったが、彼が振ったらしい。キャラル星への準光速ミサイル攻撃やイデオンに対して核爆弾を使用するなど、非情な作戦を多用した。キャラル星で戦力を失った後、オーメ財団と結んだ宇宙軍から補給を受けてソロ・シップを追跡。バッフ・クランとして初めて地球圏を攻撃した。
- 第30話において乗機をイデオンに撃墜され、宇宙服に核爆弾を仕込んでコスモに一騎打ちを挑んだが、ソロ・シップに密航していたギジェ・ザラルに頭を狙撃され戦死。接触篇では正規軍に所属し、月面上空で乗艦ごとイデオンソードに真っ二つにされる。
- ドッパ・ブフ(声:二又一成)
- 性別:男性 髪の色:紫 登場話:第19、20話
- ギャムス・ラグ配下のゾウトの位の戦士。妹のキヤヤ・ブフと共に「双子の悪魔」の異名でバッフ・クランに勇名を轟かせていた。妹とテレパシーによる会話が可能で、強力な連携攻撃で敵を撃破してきた。
- ロッグ・マックでイデオンとソロ・シップに肉薄したが敵わず、脱出ポッドで特攻をかけるも、イデオンのパンチを食らい戦死。
- ドバ・アジバ(声:石森達幸)
- 性別:男性 髪の色:青 登場話:第28、37、39話、接触篇、発動篇
- バッフ・クラン宇宙軍総司令。ハングの位。ハルルとカララの父。ズオウ大帝が支配するバッフ・クラン現体制の打破のために「イデの力」を手に入れようとしていた。物語終盤、バッフ・クラン宇宙軍すべてを使ってソロ・シップに対する大包囲作戦を行った。最終回において娘カララとの再会を果たすが、地球人の子供を宿したことに激怒。イデの期待を裏切ってカララおよびソロ・シップの殲滅を命じた。そのためイデが発動し、二つの種族の滅亡という形で物語は終了した。発動篇ではバッフ・クランの業を体現する人物として描かれ、イデも彼を「標的」としてコスモ達に示していた。イデオン包囲作戦の最終局面で吐露した彼の叫びは「業」と呼ぶにはあまりに深いものだった。
- 最期は戦闘停止を求める将兵らに射殺される。
- ナブロ(声:清川元夢)
- 性別:男性 髪の色:白 登場話:第5、7、8話
- ザラル家の家臣。ギジェが重機動メカに搭乗した際のコ・パイロットなどを務めた。ギジェは彼のことを「じい」と呼んでいた。
- バジラウ・ギルバ(声:戸谷公次)
- 性別:男性 髪の色:暗緑色 登場話:発動篇
- ハルル・アジバ配下の武人。ソロ・シップに対して白兵戦を行ったジョング隊の指揮官。ソロ・シップのブリッジまで侵入したが、ベスに射殺される。
- ハルル・アジバ(声:麻上洋子)
- 性別:女性 髪の色:赤 登場話:第10~21、28、32、37、38話、接触篇、発動篇
- バッフ・クラン宇宙軍総司令ドバ・アジバの長女。カララの姉。父の期待にただ一点を除いてすべて応えている女傑。サムライの最高位、ハングの武人という設定。アバデデ隊の失敗後、戦艦ドロワ・ザンに多数の新兵器を搭載して登場し、ソロ・シップを追跡した。第21話でドロワ・ザンが撃沈され本国に戻ったが、第38話でソロ・シップとの再戦を果たす。オーメ財団の傭兵ダラム・ズバとはかつて恋人同士であった。
- 発動篇では重機動メカ・ザンザ・ルブを駆ってソロ・シップに侵入、異星人の子を身籠もった妹・カララを射殺する。
- その後はソロシップをダラムの仇敵と執拗に追撃するが、イデオン・ガンによってバイラル・ジン下部1/3と共に消滅、因果地平の果てでダラムと邂逅する。
- ハンニバル・ゲン(声:玄田哲章)
- 性別:男性 髪の色:紺 髪型:ショートヘア 登場話:第32~35話、発動篇
- バクサの位。がっしりした体格。第32話において補給艦キロット・ザンでルクク隊に補給を行い、ルククに直接報告を行っていたが、ルクク隊壊滅直後の第33話には自ら艦隊を指揮してソロ・シップの追跡を行っている。追跡時の乗艦はガドモワ・ザン。艦隊の構成はほかにギタ・ザンおよびズロ・ザンのサディス・ザン級2隻。辺境の宙域について詳しく、ソロ・シップと交戦したワフト空域、ドウモウ・スター、ナイト・スターすべてについての知識を持っていた。ただし、地球人類の母星のある宙域については知らないとのこと。ドウモウ・スターにおけるイデオンおよびソロ・シップとの交戦で艦隊を失い、重機動メカギド・マックで脱出。その直後、接近してきた地球連合軍のマーシャル・フランクリン艦隊に投降。第35話ではナイト・スターにおいて共同作戦を行った。画面に登場する際は、戦闘時以外は常に何かを口にしていた。第33話ではビーフジャーキー、第34話ではナッツ、第35話では地球製と思われるポップコーンなど。
- 第35話において重機動メカギド・マックに搭乗してイデオンと交戦、至近距離でミサイルの直撃を受け戦死。
- ビラス(声:龍田直樹、映画版・島田敏)
- 性別:男性 髪の色:黒 登場話:第6?8、11、12、16話
- ダミドの副官。野心的なダミドとは逆に小心者で、カララを見殺しにしようとする上官の過激な言動に怯えを見せることもあった。
- TV版ではジグ・マックの、接触篇ではギル・バウのコックピットでダミドと共に戦死。
- メバルル・クオウ(声:中谷ゆみ)
- 性別:女性 髪の色:暗青色 登場話:第32話
- ハンニバル・ゲン配下の武人。サビアの位。戦闘時以外は眼鏡と帽子を着用。ワフト空域においてエネルギー吸収生命体ヴァンデを利用した作戦を行い、自らギド・マックに搭乗してイデオンを追いつめた。戦闘中にBメカを操縦していたギジェ・ザラルの投降を受諾するが、コスモの信頼に応えたギジェの至近距離からの攻撃を受け、寝返ったギジェを「売国奴」と罵りつつ戦死。
- ルクク・キル(声:高島雅羅)
- 性別:女性 髪の色:紫 髪型:ロングヘア 登場話:第28~32話
- バッフ・クラン本星から派遣された艦隊の司令。泣きボクロが印象的な美人である。グラバの位。直接の描写はなかったがゾウト出身という設定で、劇中にてハルルに「成り上がり」と評されている。乗艦はガロワ・ザン。バッフ・クランとして初めて地球への直接攻撃を行なった。ゲル結界を張る特殊艦バルメ・ザン、ブラム・ザンを使用した作戦やフリーザー・スカッチを使用してイデオンを氷漬けにする作戦、重機動メカアブゾノールを使用したエネルギー吸収作戦など、多彩な攻撃でイデオンとソロ・シップを苦しめた。第32話においてダラムのハルル宛ビデオ・レターを盗み見てその内容に思わず失笑するが、それをハルル配下のクララ・キナに目撃される。報告を受けたハルルは激怒、クララにルククの暗殺を命じた。
- 太陽系第6惑星付近での戦闘中、ブリッジでクララの銃撃を受け死亡。
[編集] その他
- キラルル(声:尾崎桂子)
- 性別:女性 髪の色:薄紫 登場話:発動篇
- トロロフと同様にクララ・キナと同じ服装であることからハルル・アジバ配下の女暗殺者集団の一員と思われる。トロロフと共に重機動メカザンザ・ルブに搭乗してイデオンとソロ・シップを攻撃。ダメージを与えるも撃墜され、ハルル、キラルルと共にソロ・シップ内に侵入。トロロフを殺害したバンダ・ロッタを射殺した。その後はハルルと行動を共にしたが、亜空間飛行中のバイラル・ジンがイデオン波導ガンの砲撃を受けた際、ハルルと共に消滅。
- ギンドロ・ジンム(声:蟹江栄司、映画版・加藤精三)
- 性別:男性 髪の色:緑 登場話:第28、37、39話、接触篇、発動篇
- バッフ・クランの経済を支配するオーメ財団代表の貴族。正規軍が失敗した間隙をつき、私設軍を使用してイデオンおよびソロ・シップを奪取しようとした。その後ドバ・アジバと手を結びズオウ大帝打倒を目論むも実行前にイデの流星によりズオウもろともバッフ星は滅んだ。
- 自身もイデオン包囲作戦に参加し、ドバ・アジバと行動をともにしてバイラル・ジンに乗艦していた。しかしバッフの地球がイデの流星で滅んだ事実を認めることができず激戦のさなかにドバと口論となり、彼に射殺された。
- クララ・キナ(声:尾崎桂子)
- 性別:女性 髪の色:オレンジ 髪型:短髪 登場話:第32話
- 補給艦キロット・ザンのスタッフとして登場したが、実はハルル・アジバ配下の女暗殺者集団の一員。ルクク・キルがダラム・ズバのハルル宛ビデオ・レターを盗み見て失笑したことをハルルに報告、ハルルからルクク暗殺を命じられる。太陽系第6惑星付近での戦闘中にガロワ・ザンのブリッジにルククを射殺。ハルルの依頼を果たすも直後に艦自体がイデオン波導ガンの直撃を受け撃沈。彼女自身も死亡した。ダラムにこだわるハルルに対して同情的であった。
- ズオウ・ハビエル・ガンテ(TV版不明、映画版・加藤精三)
- 性別:男性 髪の色:白 登場話:第34話、発動篇
- バッフ・クランの地球における最高権力者であり支配者。劇中「ズオウ大帝」と呼ばれていた。また、TV版ではベール越しにシルエットが見えるだけで台詞も無かった。
- 発動篇で初めて画面に登場した。頭頂部は禿げ上がっているのが印象的。短い台詞を述べた直後、イデの流星の直撃を受けて消滅した。
- 小説版では劇中より50年ほど前に自らをイデの伝説に登場する英雄の末裔であると称し、階級支配を提唱し実践した人物であるとされる。それ以前のバッフ・クランの地球は科学による環境汚染と爆発的な人口増が深刻な事態を迎えていたが、ズオウの統治以降は徹底した階級社会化により民衆とエネルギーの管理規制を敷くことで状況を僅かではあるが打開の方向へと向わせたという実績を持つ。また、そればかりではなく外宇宙への進出を成功させたことにより、地球を汚染することなくエネルギーの消費を拡大させることを実現していた。だが、その反面で人々の貧富の格差は拡大を広げていたという。
- トロロフ(声:梨羽雪子)
- 性別:女性 髪の色:暗緑色 登場話:発動篇
- キラルルと同様にクララ・キナと同じ服装であることからハルル・アジバ配下の女暗殺者集団の一員と思われる。キラルルと共に重機動メカザンザ・ルブに搭乗してソロ・シップを攻撃、加粒子砲の直撃を与えた。イデオンに撃墜され、ハルル、キラルルと共にソロ・シップ内に侵入した際、バンダ・ロッタのバズーカによる砲撃を受け爆死。
- マヤヤ・ラウ(声:松原雅子)
- 性別:女性 髪の色:ピンク 登場話:第1~7話、接触篇、発動篇
- カララの侍女。わがままなカララに振り回されっぱなしだった。しかし、カララに食料を持ってきたり、庇ったりと侍女としての仕事は完璧に果たしていた。
- 第7話にてカララを脱走させようとした際、ソロ・シップのクルーに射殺された。接触篇にてダミドと恋仲であったことが示されたが、ロッタに射殺される。
- ロウ・ロウル(声:松岡文雄、映画版・徳丸完)
- 性別:男性 髪の色:白 登場話:第34話、発動篇
- ズオウ大帝の側近の小柄な老人。肌の色は褐色。登場したのはズオウ大帝に短い報告をした場面のみ。
- 発動篇ではズオウ大帝とともにイデの流星の直撃を受けて死亡。
- ロココ・グリマデ(声:山岡葉子)
- 性別:女性 髪の色:黄 登場話:第10話
- アバデデ・グリマデの妻で、アバデデ宛のビデオレターに登場。アバデデとの間にフローラという娘がいる。男の子を身籠ったと話していた。
[編集] イデ
- 意思としての存在であり、接触編終盤や劇場公開予告において、その意思をコスモや人々に投げかけている。
[編集] ナレーター
- テレビ版では劇中と予告にナレーションが入った。あまりにも多くの登場人物が唐突に死んでしまう展開に塩沢は「でもナレーターは大丈夫だろう」と思っていたところ、第34話の最後に流れたナレーションは途中でイデの流星の効果音に遮られてしまい、「ナレーターも例外じゃないのか?」と本気で肝を冷やしたという。
劇場版ではナレーションは数回しか入らない。
[編集] 主な登場兵器および技術
登場する重機動メカなどについては伝説巨神イデオンの登場兵器を、ハーケン攻撃、生体発信器、準光速ミサイル、ゲル結界、フリーザー・スカッチについてはバッフ・クランを参照のこと。
本作品の世界は人類が外宇宙に進出して50年が経過した未来という設定。
地球人類とバッフ・クランはほぼ同等の技術レベルにあり、多くのキーテクノロジー(核融合、超光速通信、重力制御など)を両種族が持っている。ただし、機動メカを兵器運用するという思想は地球側にはなく、生体利用技術においてバッフ・クランが進んでいる。
作中では同一技術を地球人類側では英語ないしカタカナ、バッフ・クランでは漢語で呼んでおり、異星語の翻訳を前提とした区別化と視聴者への説明を兼ねた演出手法が取られている。これは主人公側にはDSドライブなど聞いただけでは意味の分からない造語を使わせ、敵方であるバッフ・クラン側では亜空間飛行といった意味が理解しやすく、また耳慣れた単語を使うことによって、主人公側が私たちが住んでいる地球の延長線上ではないということを示唆するものでもある。
[編集] 反物質エンジン(アンチマターエンジン)
劇中では「反物質エンジン」という言葉だけで説明はなかったが、物質と反物質を対消滅させて発生するエネルギーを宇宙船の推進力として使用している。イデを除けば次項の「亜空間飛行」を実現する推力をもたらす唯一の推進器。地球、バッフ・クラン、第6文明のいずれも使っていた。
反物質エンジンの噴射物には反物質が含まれているため、地上など居住地近傍での使用は常識では考えられないとされている。ソロ・シップの反物質エンジンがソロ星地表で作動した際は、樹木や土壌が対消滅していくさまが描写されている。
[編集] 亜空間飛行(DSドライブ)
本作品世界における超光速航法。亜空間飛行はバッフ・クラン側の呼称。地球側ではDimension Space Drive「DS[デス]ドライブ」と呼ぶ。反物質エンジンで発生させた巨大なエネルギーを推進力として別次元の「亜空間」へ船体を転移、亜空間を経由すると現実空間に対するいわば近道をとることができ、結果として光速を超えて移動することができるという設定。ただし、転移座標(亜空間内での近道のルート)を取ることが困難である。亜空間は進行方向の前後に伸びるチューブ形の空間として描写され、大きな推進力を持たなければ亜空間の外(通常空間)に弾き飛ばされた。亜空間内で進行方向を上下または左右に大きくそれると亜空間内のルートを外れてしまい、予定と全く違う通常空間に出てしまう。逆に許容範囲内であれば亜空間内の座標をずらすことも可能で、コスモたちはそれを利用して第38話では亜空間内で消えたり出現したりして敵を攻撃する戦法をとった。第5~9話の亜空間は無数の人魂が舞い飛ぶような描写だったが、その後は簡素化された。発動篇では青い光がときおり煌めいて流れるような描写となった。亜空間での戦闘は亜空間戦闘・DSファイト(デスファイト)、亜空間からの脱出は亜空間飛行解除・DSブレーキ(デスブレーキ)、DSアウト(デスアウト)と呼ばれる。
[編集] 加粒子砲(グレンキャノン)
いわゆるビーム砲。地球軍、バッフ・クランともにミサイルと並んで大気圏内外を問わず使用される主力兵器。迎撃から対空、支援と用途は様々であった。イデオン・ガンもガンド・ロワも基本構造はこれと同じで、いずれもエネルギー源のスケールが異なるだけである。
[編集] レーザー剣(ビームソード)
地球、バッフ・クランともに使用する個人用白兵戦兵器。物語の当初からその切れ味の良さは窺い知ることができた。いうなればスター・ウォーズのライトセーバー。重機動メカの武器としては使用されておらず、イデオンソードが唯一の例外となるが、発生原理が異なるため厳密には違うこととなる。
[編集] エアガン
劇中ではこの名称は出てこなかったが、地球、バッフ・クランともに使用している無重力空間移動用の個人装備。地球タイプは第13話に初登場。宇宙服の腰に巻くように装備する。腰の後ろにある2本の支持架がスライドして伸び、その先端にボールジョイントで動くノズルがある。バッフ・クランタイプは第15話に初登場。背中に装備して4本のハーネスで固定、胸の部分にも装置がある。両肩から後ろ斜め上方に伸びた支持架の先端にノズルがあり、やはりボールジョイントで自在に動く。操作方法については説明がなかったが、この装備を使用して宇宙空間でかなり自由に活動していた。
[編集] 架空の惑星・宙域および生物
- ソロ星
- 登場話:第1~7話。地球から250万光年、アンドロメダ星雲内にある惑星。劇中の第1話の時点で地球人類が植民して2年という設定。地球側の呼び名はアンドロメダA-7ソロ星。バッフ・クラン側の呼び名は「ロゴ・ダウ」。恒星系に惑星はソロ星1つだけで、ソロ星は衛星を2つ持っている。恒星スペクトルの関係で空が地球より緑がかっているという設定。
- ソロ星の生物
- ソロ星の原生生物はそれに類似の地球の生物の語尾に「ラシキ」を接尾して俗称されることが多い。
- リスラシキ:ソロ星原産の栗鼠に似た小動物。双尾。色:薄青、地球のシマリスに似た縞(青色)がある。アフタ・デクのペットの個有名は「ラパパ」。
- トビガエル
- トット・ト
- ヤヤメガネザル
- オヒル
- ゴクチョウ
- ドモンジ・グワ
- タンチョウカ
- フトカンムリ・チョウ
- スズメラシキ
- ソロピン
- タカラシキ
- カメレオンラシキ
- ヘビモドキ
- トカゲモドキ
- ソロトンボ
- ザウルス・スター
- 登場話:第7~9話。
ソロ・シップがアバデデ隊の攻撃から逃れてたどり着いた惑星。大気は人類、バッフ・クランともに呼吸可能。
- ザウルス・スターの生物
- 地球の恐竜時代の生物に似たものが多い。
- フトネルス
- 祖剣竜
- ネッシーラ
- 祖雷魚
- クリスタル・スター
- 登場話:第9~10話。
ソロ・シップがアバデデ隊との2回目の亜空間戦闘から逃れてたどり着いた惑星。惑星のほとんどが金属でできているためか、金属生命体が繁栄しており、惑星表面には繁茂した金属植物で構成されていると見られる外殻が存在する。大気は人類、バッフ・クランともに呼吸に適していない。
- クリスタル・スターの生物
- 身体が金属で構成されており、イオノクラフトで空中を飛翔する種類も存在する。
- バジン
- クサクサゲラ
- モノグサ・ケイソン
- ルインズ・スター
- 登場話:第11~13話。
ソロ・シップが着陸した付近の惑星表面には広範囲にわたって廃墟が存在していたが、生命らしきものは発見されなかった。大気は人類、バッフ・クランともに呼吸可能。
-
- イワラシキ
- ハーピング・ストーン
- 猿人の星
- 登場話:第16~17話。
ソロ・シップが着陸した付近の惑星表面は常に夕暮れのような赤い空の色の下に荒涼とした大地が広がっている。
-
- 猿人
- ハイエナフウ
- アジアン星
- 登場話:第18話。
地球人類の植民星。かなりの人口規模を誇っていたようであるが、バッフ・クランのギジェ隊による準光速ミサイルの攻撃を受けたために惑星表面はほぼ壊滅。第37話で再度ソロ・シップが立ち寄った際、人口は10万人まで減少していた。
- フラッグ・スター
- 登場話:第19~20話。
ほとんどが水でおおわれており、陸地の存在は描写されていない。惑星表面を覆っている水は塩分濃度がかなり高いらしく、人間が浮かぶほど。大気は人類、バッフ・クランともに呼吸可能。
-
- シスネイク・ロング
- ギロンフィ
- キャラル星
- 登場話:第23~25話。
地球人類の植民星。アジアン星と同様にバッフ・クランのダラム隊による準光速ミサイルの攻撃を受けて壊滅。山岳の地下に設置された軍事基地「スタグラ」が無事だったため、ソロ・シップと協力してダラム隊に反撃する程度の戦力が残っていた。
- (主人公側の)地球
- 登場話:第26~32話。
コスモたちの所属する地球人類にとっての母星。異星人に母星であることを悟られぬよう地下や海中に戦力を隠している。「月」と呼ばれる衛星を一つ持っている。恒星系には6つ以上の惑星が存在する。
- ワフト空域(ワフト・エリア)
- 登場話:第33話。
エネルギー吸収生命体・ヴァンデが無数に生息する宙域。発光星雲にも存在していたためか、付近の宇宙の色は大変明るかった。
-
- ヴァンデ
- ドウモウ・スター
- 登場話:第34話。
辺境の惑星。全長数キロメートルにおよぶ巨大な環形生物ドウモウが多数生息する惑星。ソロ・シップが降下した付近の惑星表面には、荒涼たる大地と泥のような水をたたえた海が広がっていた。
- ナイト・スター
- 登場話:第35話。
惑星上空を小惑星(スターダスト)がびっしり覆っているため、まるで小惑星の外殻を持っているような構造をしている。大量のスターダストのために、惑星表面には恒星の光は届かない。大気の存在は不明だが、あってもかなり希薄なようで、戦闘でソロ・シップの窓が破損した際、乗員が気圧差のため船外に吸い出される描写がある。スターダストの中に浮かんでいるように見える巨大な衛星を一つ持つ。
- ステッキン・スター
- 登場話:第38話。
辺境の惑星。 ソロ・シップが着陸した付近の惑星表面には高さ数キロメートルに達する巨大な植物ソウソウが生い茂っていた。
-
- ソウソウ
[編集] 備考
- アイキャッチは「"IDEON"の表記が手前に迫ってくるもの」「動きは同じで"O"の中に"SPACE RUNAWAY"の記載が追加されたもの」「イデオンが波動ガンを発射するもの」の3バージョンがあり、1クール単位で切り替わった。音は男声コーラスが「イーデオーン」とハモるという、これまた斬新なものであった。
- 本作では固有名詞の使用が極力避けられている。「地球」という言葉が使用されているが、これは特定の星を指している訳ではなく、「主に地上で活動する知的生命体は自分の母星をそう呼ぶだろう」という発想によるものであり、バッフクラン側も「私たちの地球」という言い方をしている。コスモたちが月面上で移動せずに「地球の出」を見ることについて設定ミスという指摘をされることがあるが、これも特定の星の話ではないので一概に誤りとは言えない。ソロ星の所在はアンドロメダ星雲とされているが、監督の富野はこう特定したことについて「ミスだったかも知れない」と雑誌インタビューで語っている。また第32話の舞台は前話予告では「土星」とされたが、本編では「第六惑星」とされている。
[編集] スタッフ
- 企画:サンライズ
- 原作:矢立肇、富野喜幸
- キャラクターデザイン:湖川友謙
- メカニカルデザイン(TV版):サブマリン
- メカニカルデザイン(映画版):樋口雄一
- 美術監督:峯田佳実(アトリエ・ムサ)
- 色彩設計:歌川律子
- 撮影監督:大石英勝(アニメフィルム)
- 3DCGスーパーバイザー:小畑正好
- 編集:三田沙弥佳(JAY FILM)
- 音楽:すぎやまこういち
- 音響監督:金子俊也
- 効果:野口透(アニメサウンド)
- 録音調整:大城久典
- 録音助手:内山敬章
- 録音スタジオ:APU MEGURO STUDIO
- 録音制作デスク:原田絢子
- 録音制作:AUDIO PLANNING U
- 音楽プロデューサー:井上裕香子、真野昇
- 音楽制作:ビクターエンタテイメント、サンライズ音楽出版
- プロデューサー:田畑美智子(TV TOKYO)・吉田孝行(SUNRISE)
- 総監督:富野喜幸
- 監督(映画版):滝沢敏文
- 製作:TV TOKYO・SUNRISE
- 著作権:(C)1980 SUNRISE INC.・テレビ東京
[編集] 主題歌
- オープニング『復活のイデオン』
- エンディング『コスモスに君と』
- 作詞:井荻麟、作曲・編曲:すぎやまこういち 歌:戸田恵子
- 劇場版 接触編主題歌『セーリング・フライ』
- 作詞:井荻麟、作曲・編曲:すぎやまこういち 歌:水原明子
- 劇場版 発動編『海に陽に』
- 作詞:井荻麟、作曲・編曲:すぎやまこういち 歌:水原明子
[編集] 放映リスト
第1話にはオープニングの『復活のイデオン』、最終話にはエンディングの『コスモスに君と』のサブタイトルがそれぞれ与えられている。第40~43話は未放送で、構想のみに留まっている。第39話と第43話のサブタイトルが重複しており、本来の予定通りに全43話だった場合、第39話のサブタイトルが何であったかは不明。
- 復活のイデオン
- ニューロピア炎上
- 激震の大地
- ソロ星脱出せよ
- 無限力(むげんちから)・イデ伝説
- 裏切りの白い旗
- 亜空間脱走
- 対決・大砂塵
- 燃える亜空間
- 奇襲・バジン作戦
- 追撃・遺跡の星
- 白刃の敵中突破
- 異星人を撃て
- 撃破・ドク戦法
- イデオン奪回作戦
- 必殺のダミド戦法
- 激闘・猿人の星
- アジアンの裏切り
- ギャムス特攻指令
- 迫撃・双子の悪魔
- 敵戦艦を撃沈せよ
- 甦える伝説
- 戦慄・囮の星
- 潜入ゲリラを叩け
- 逆襲のイデオン
- 死闘・ゲルの恐怖
- 緊迫の月基地潜行
- 波導ガンの怒り
- 閃光の剣
- 捨て身の狙撃者
- 故郷(ふるさと)は燃えて
- 運命の炎のなかで
- ワフト空域の賭け
- 流星おちる果て
- 暗黒からの浮上
- さらばソロ・シップ
- 憎しみの植民星
- 宇宙の逃亡者
- コスモスに君と(TV版最終回)
- 二つの地球最後の日(未放送)
- 因果はてなく(未放送)
- 因果地平へ(未放送)
- コスモスに君と(未放送)
[編集] イベント「明るいイデオン」
劇場版公開にあたり、『機動戦士ガンダム』と比較して一般的な盛り上がりが不足しているという見方から制作サイドがファンを巻き込んだ形で行ったイベントの名称。当時のアニメ雑誌の執筆陣や編集者達も半ばスタッフのような形で参加した。その模様はゆうきまさみが当時「月刊OUT」に掲載した漫画でうかがい知ることができる。他に岡田斗司夫や武田康廣も関与した。前代未聞のラッシュフィルム試写会を行ったり、パロディ作品の公募(後述の『アジバ3』もその一環として制作された)などが行われた。しかし、できあがった作品内容とのギャップがあまりにも激しかったためか、ガンダムの「アニメ新世紀宣言」のような形で語り伝えられることはなかった。
[編集] 関連作品
- 小説(富野由悠季)
- ソノラマ文庫版(朝日ソノラマ刊)と後年発売されたスニーカー文庫版(角川書店版)の2レーベルが存在。主文は概ね同一だが、挿画(イラスト)は各レーベルごとに異なる。
- ソノラマ版の挿画はアニメでもキャラクターデザインを担当した湖川友謙が担当。ほぼアニメの設定に準ずるシークエンスをイラスト化している。
- スニーカー文庫版では著名アニメーター・後藤隆幸による挿画を採用。後藤はキャラクターを担当し、メカニック解説等のイラストは小林誠によるもの。メカ、キャラクターともにアニメの設定を離れ、それぞれ独自の解釈による全くのオリジナルデザインとなっている。
- 小林がこの仕事を受けるにあたり、それを聞きつけた「B-CLUB」の依頼でオリジナル版イデオンの模型を制作し発表している(通巻26号に掲載)。この模型はイラストの作業に取り掛かる前に制作されたため、小説で見られるデザインとは若干異なっているが、作画の際の雛形として用いられている。小林版イデオンはアニメ版イデオンの肩の張り出したシルエットを踏襲しつつも玩具的な意匠は一切取り除かれ、誰の目にも明らかに異文化の産物であることが見て判るその異形の姿は、これこそがまさに本来のイデオンの姿だと称賛する者もいれば、拒否反応を示す者もあり、見た者の反応は賛否両論であった。
- コミカライズ
- 漫画『機動戦士VS伝説巨神 逆襲のギガンティス』(長谷川裕一)には、本作登場人物(存在)とその設定が利用されている。
- テレビゲーム『スーパーロボット大戦シリーズ』の数作品に参戦する。参戦した作品には、本作の結末に沿ったバッドエンディングが用意されていることが多い。
[編集] パロディ作品
- 『ドラえもん』第28巻「キャラクター商品注文機」に「建設巨神イエオン」が登場する。イデオンそのままのロボットが鋸と金槌を持っている姿は『イデオン』本編とのギャップもあいまって非常にインパクトが強い。放送当時それほどの人気作とはいえなかった本作のキャラクターを取り上げた藤子不二雄のセンスにはうならさせられるものがある。周囲の若いアシスタントたちが興味を示した作品によく注目していた一面もあると考えられる。
- 漫画家ゆうきまさみは上記の「明るいイデオン」に押しかけで関わったほどの大ファンであることが良く知られており、初期作品の台詞回しなどに本作の影響を見ることができる。アニメのパロディ漫画メインで活動していた当時、取材で会った湖川友謙に「オリジナル描きなさいよ、オリジナル」と諭された。
- アーケードゲームの大ヒット作『ゼビウス』の基本設定及びストーリーは、本作の影響によるものと遠藤雅伸自身が明言している。
- みのり書房刊行「月刊OUT」に、ギジェとシェリルの夫婦生活を描いた4コマ漫画『MY HOMEギジェ』が連載された。また、劇場版公開直前には「農耕巨神イネオン」というパロディ小説も掲載されている。
- 奇想天外社「パロディ・マンガ大全集 マンガ奇想天外臨時増刊号」(1981年12月25日発行)に夏目房之介作『伝説虚人ツツイング』が掲載された。
- イデオンの製作スタッフが制作したセルフパロディのオリジナルオープニング作品『アジバ3』が存在する。この作品のパロディ元はロボットアニメ『無敵鋼人ダイターン3』のオープニングで、ドバが万丈のような動きを見せ、あまつさえシンボルコスチュームとも言える赤タキシードまで着ている悪乗りようである。歌詞の内容にタイミングを合わせてガンド・ロワ発射によりイデオンが消滅するシーンを挿入するなど毒気も満載。万丈ら三人はドバ、ハルル、そして何故かギンドロのトリオで構成されている。その他、シェリル、ベス、カララが登場。作品ともパロディの内容とも全く無関係だが、冒頭では歌舞伎の五右衛門よろしく大見得をきったコスモも登場する。
[編集] 関連商品
- 書籍
- ※参考文献も合わせて参照のこと。
- CD
- すべてキングレコードより発売。
- 伝説巨神イデオン BGM集
- 伝説巨神イデオン BGM集II
- 伝説巨神イデオン PTOLEMAIC SYSTEM
- いずれもTV版の音楽を収録。「BGM集」のみが現在市販されている。
- 伝説巨神イデオン 劇場版 接触篇
- 伝説巨神イデオン 劇場版 発動篇
- THE IDEON 劇場版 接触篇&発動篇 オリジナル・サウンドトラック
- 「接触篇&発動篇」は、「接触篇」「発動篇」を再構成し、一枚に纏めたもの。いずれも絶版。
- 交響曲 イデオン
- 指揮:小松一彦、演奏:東京フィルハーモニー交響楽団。
- TV版の劇伴に大幅なアレンジを施し、交響曲化したレコード。一部は発動篇に流用された。
- DVD
- 限定販売されたDVD-BOX1・2と劇場版2作品を収録したDVD-BOXが近年再販された。同時に発売された単品DVDに続き、2006年10月よりレンタルも解禁されている。
- プラモデル
- 青島文化教材社(アオシマ)から発売。当初は価格を300円に統一したバラバラのスケールで模型化されたが、ファンの要望に応えて後に全重機動メカが1/600の統一スケールで発売された。他にアオシマ名物の合体マシンシリーズでもイデオンが登場している。
[編集] 参考文献
- 日本サンライズ『伝説巨神イデオン記録全集』(1)~(5)、『伝説巨神イデオン台本記録全集』(1981年、1982年発行)
- ラポートラポートデラックス(4)『伝説巨神イデオン大辞典』(1982年発行)
- 徳間書店ロマンアルバム・エクストラ(48)『伝説巨神イデオン』(1982年発行)
- 徳間書店ロマンアルバム・エクストラ(51)『伝説巨神イデオン THE IDEON 接触篇 発動篇』(1982年発行)
- 講談社テレビマガジンデラックス(11)『TV版 伝説巨神イデオン ストーリーブック(1)』(1982年発行) ISBN 4-06-172461-4
- 講談社テレビマガジンデラックス(12)『TV版 伝説巨神イデオン ストーリーブック(2)』(1982年発行) ISBN 4-06-172462-2
- 講談社テレビマガジンデラックス(13)『TV版 伝説巨神イデオン ストーリーブック(3)』(1982年発行) ISBN 4-06-172463-0
- 講談社テレビマガジンデラックス(14)『劇場版 伝説巨神イデオン ストーリーブック 発動編』(1982年発行) ISBN 4-06-172464-9
- 富野喜幸『「イデオン」ライナー・ノート』(徳間書店、1982年) ISBN 4-19-552463-6 : 監督自身による制作日記(のようなもの)。フィクションとノンフィクションが入り交じる。
- 中島紳介『イデオンという伝説』(太田出版、1998年) ISBN 4-87233-400-0
[編集] 外部リンク
東京12チャンネル 木曜18:45~19:15(1980年5月~1980年9月) | ||
---|---|---|
前番組 | 伝説巨神イデオン | 次番組 |
さすらいの少女ネル | まんが猿飛佐助(再放送) ※18:30-19:00 ほえろブンブン ※19:00-19:30 |
東京12チャンネル 金曜19時台後半(1980年10月~1981年1月) | ||
---|---|---|
前番組 | 伝説巨神イデオン | 次番組 |
日本縦断・民謡大全集 ※19:30-20:54 |
日本列島大爆笑 ※20:00-20:54 → 19:30-20:54 |