福来友吉
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福来 友吉(福來 友吉、 ふくらい ともきち、明治2年11月3日(1869年12月5日) - 昭和27年(1952年)」3月13日)は、念写の発見者だとされる心理学者、超心理学者。東京帝国大学助教授、高野山大学教授。文学博士。岐阜県出身。
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[編集] 概要
御船千鶴子・長尾郁子・高橋貞子・三田光一といった「超能力者」を各地で発掘、透視・念写などの超心理学的能力について実験や学会発表を行って世の注目を浴びるが、それらの発表は他の学者による追試に耐えられるものではなかった。結果、激しい非難を受け、東京帝国大学を追放(公的には休職)された。彼が取り上げた人物も「イカサマ」「ペテン師」などの攻撃を受ける事になってしまった。なお、御船千鶴子に関する逸話は小説『リング』のモデルになっている。
その後は物理的検証といった方法論を放棄し、禅の研究など、オカルト的精神研究を行う。仙台市青葉区台原に「福来心理学研究所」を設立して独自の研究を進めるが、既に世間の信用を失った福来は一般の注目を浴びる事なくその生涯を閉じた。彼を支持する者より、フロイトとは全く異なった観点から心的な「無意識」の領域を発見した功績を持つとされ、彼の実験記録は膨大で十分な再検証がなされていないので科学的な再考証が待たれるものであるとされている。主著『透視と念写』。
博士論文「催眠術の心理学的研究」は、日本における催眠の学術的研究の嚆矢。
[編集] 主な著書
復刻が出ているもののみ。
- 『催眠心理学』 ISBN 4795247668
- 『透視と念写』 ISBN 4795254672
- 『心霊と神秘世界』 ISBN 4893501046 ISBN 4795254702
[編集] 参考文献
- 中沢信午 『超心理学者福来友吉の生涯』 ISBN 4803309698
- 山本健造 『念写とDr.福来』 ISBN 4795254680
- 『念写発見の真相』(ISBN 4884810690) の改題新版。
- 井村宏次 『新・霊術家の饗宴』 ISBN 488302248X
- 旧版 (ISBN 4915567036) の増補版
- 寺沢龍 『透視も念写も事実である―福来友吉と千里眼事件』 ISBN 4794212747
- 小池壮彦 『心霊写真』 ISBN 4796617248